人妻女教師調教痴漢電車 女生徒の身代わり身体を捧げる女教師

繁村錦

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第二章 2

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 美鈴の目の前で、愛実はふくよかな両胸を露出した状態のまま、既に硬くなった乳首を背後から男に指先で抓まれているではないか。しかも、スーツ姿の別の男が、か弱き女生徒の下半身にその汚らわしい腕を伸ばしている。目を凝らしてよく見ると、既に純白のパンティーが膝の辺りまで下げられているのが確認出来た。可哀想に愛実は顏を伏せ、しくしくと噎び泣いている。
(痴漢だっ! 助けなくっちゃっ!)
 正義感に駆られた美鈴は、今まさに目の前で痴漢被害に遭う女生徒を救出するべく、男たちの許へ向かった。
 先ず、愛実の乳房を弄ぶ初老の男性の腕を鷲掴むとっグイっと捻った。
「止めなさいっ!」
「痛ぇててぇてぇぇ……」
「警察に突き出してやる。次の駅で降りなさいっ。もう大丈夫よ細川さん、心配しないで、先生がついているから」
 美鈴は視線を、卑劣極まりない痴漢から教え子に移しながら、はっきりとした明瞭な口調で告げた。
「……先生、私ぃぃ……怖かった」
 愛実は堰が切れたように泣き出した。
「放せっ手を放せっ!」
 美鈴に腕を掴まれた男は振り解こうと暴れ出した。
「大人しくしなさいっ」
 気丈で勝気な美鈴は、男を一喝する。
 この男の仲間たちは、突然の出来事に困惑し狼狽え始めた。周囲にいた他の乗客も、この痴漢騒ぎに気づき、チラチラとこちらを見やって何事かヒソヒソ話をしている。
 だが、痴漢師たちの中の一人、ホマード利かせたオールバックヘアの男性は、他の男たちと違って何故か落ち着き払っていた。
 四十代前半と思しき男が身に纏う服は、高級ブランドスーツだった。ネクタイはシルバーとブラックのストライプ柄。ベルトもクロコダイルの革を使用した高級品だ。身形から察するに財産はそれなりにあるようだ。男は全く動揺する素振りを見せず、酷薄な唇の端に薄い笑いを浮かべた。
 列車が次の駅に到着した。ドアが開いた。
 客たちが乗り降りするその間、人妻女教師は、教え子の腕を確りと握り締め、凝っと痴漢師たちを睨んでいた。
 間もなくしてドアが閉じた。列車が走り出した。車内が左右に揺れた瞬間、痴漢師たちの仲間で一番若い青年が、何事かに気づいたかのようにカッと目を開き、ギラギラと瞳を輝かせた。この青年が、先ほどから何度も美鈴の顏を窺っているのが、彼女にも気になっていた。
「先生……? そうだやっぱりそうだ里中美鈴先生だぁっ!?」
 突然旧姓で名前を呼ばれ、美鈴は思わずハッとなった。目の前に立つ銀髪で両耳にピアスを着けた青年の顏を、マジマジと見詰める。青年の口許に薄い笑みが浮かんでいた。
 忽ち美鈴の脳裏に嫌な記憶が蘇って来る。
(まさか……そんな筈はない……)
 美鈴は自分自身の記憶を否定しようと、かぶりを振ってみた。
 が、やはり目の前に立つ青年は、夫翔馬の嘗ての教え子だった窪修二に間違いない。
「ご無沙汰しています里中先生……。あっ、そうだ今はご結婚なさって確か、沢村って苗字に変わったんだね……」
 修二は、沢村という苗字を口にする時、憎しみを込めるように唇が震えていた。
 高級スーツに身を固めた一見して紳士のような男性が、美鈴を一瞥すると青年を見やった。
「何だ、修二。この先生、お前の知り合いなのか?」
「はい、横井さん。この女は、俺を嵌めた憎い沢村って先公の女です」
 修二は蒼褪めた顏を痙攣させつつ震える声で、痴漢師のリーダー横井慎弥に告げた。蟀谷がヒクヒクと動いている。激昂しているのだ。
「く、窪君、ど、どうしてあなたがこんな連中と一緒に……!?」
 美鈴は口に手を当て、愕然となって立ち尽くす。
 やがて列車は駅のホームに到着した。その次の駅が、美鈴たちが下車する目的の駅だった。
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