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第2章 リエナと過ごす日常生活

第15話 テーマパークでデート ~リエナ、ドラゴンと戦う!?~

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「リエナ、今度の土曜日は近くのテーマパークに遊びに行かないか?」

「それはつまり勇者様とデートってことでしょうか?」

「まぁそんなところだ。こないだ母さんが新聞の勧誘で近くのテーマパークのチケットを2枚貰ったらしいんだよ」

「あ、そうなんですね」

「ずっと魔王との戦争をしていた『オーフェルマウス』は娯楽があまりなかっただろ? だからリエナにこっちの世界の楽しい遊びを体験してもらおうと思ったんだけど」

「ぜひ行きたいです! 連れて行ってください!」

「あはは、了解。じゃあ出発する時間とかはこっちで決めておくな」

「よろしくお願いします。えへへ、勇者様とのデート、楽しみです~」

 ――というわけで。
 俺たちは割と近場にあるテーマパークにデートに行くことになった。


 そして迎えた土曜日、デート当日。

「すごいです! ここが全部、遊ぶためのテーマパークになっているだなんて!」

 テーマパークに着いた途端、リエナは目をキラキラさせながら興奮した声を上げた。
 よしよし、まずこれだけでも連れて来て正解だったな。

「じゃあ早速行こうか。最初は名物のジェットコースター『ドラゴンコークスクリュー』からって思ってるんだけど、いいかな?」

 この遊園地には高速系や落下系の絶叫マシンがいくつもある。
 しかしやはり一番の目玉は、ドラゴンが空を舞うがごとき大きな連続ループが自慢のジェットコースター『ドラゴンコークスクリュー』だろう。

「ジェットコースター……? 『ドラゴンコークスクリュー』……? どんなのなんですか? というか、このテーマパークにはまさか伝説種であるドラゴンがいるんでしょうか?」

 ドラゴンという言葉に反応したリエナの声には、ピリリとした真剣な緊張感が感じられる。

「ああうん、あくまでドラゴンは名前を使ってるだけな。別に本物のドラゴンがいるわけじゃないから。というかこの世界にリアルドラゴンは存在しない」

「そういえばこの世界には魔獣はいないんでしたっけ。だったら当然ドラゴンもいませんよね」

「そういうことだな。逆に俺は『オーフェルマウス』に行って初めてドラゴンを見た時は感動したもんだ」

「ふふっ、あの時の勇者様ったら、小さな子供みたいに目を輝かせながら、はるか遠くを飛ぶドラゴンに向かって一生懸命手を振ってましたもんね」

「だって仕方ないだろ? めちゃくちゃ大きいドラゴンが、翼を広げて悠然と空を飛んでるんだもん。あれはもう男の子の夢そのもの、ロマンの塊だよ」

「見てる分にはいいんですけどね。でもいざ戦うとなるとドラゴン相手は本当に大変です」

「そうだな、邪悪なドラゴンの王と戦った時は本気で死ぬかと思ったよ……」

「魔王討伐と並んで大変だった、竜族を統べる皇竜ドラグローエンとの戦いですね」

 ドラゴン自体が滅多に現れない伝説の最強種だとは聞いていたけど、その王ともなるとぶっちゃけ魔王より強かったまであった。

 倒すのは本当に大変で、正直思い出したくもない。

 ま、それはさておき。

「せっかくの初体験なんだ。これ以上は事前情報なしで体験してみようぜ。きっとビックリするから覚悟しておくんだぞ?」

 俺は笑いながら言ったんだけど、

「っ! 勇者様がそうまで言うのでしたら、私も命を懸ける覚悟で臨みます!」

 途端にリエナが尋常ならざる真剣な顔つきになった。

「ごめん、そういうマジガチの覚悟じゃなくてだな……もっとこう、肩の力を抜いた覚悟というか」

「?」

 そっか。
 でもそうなんだよな。

 リエナは勇者である俺が「覚悟を決めろ」って言ったら、本気で命を懸ける覚悟をしちゃうんだよな。
 だって俺たちは、ずっとそういう命がけの戦いをしてきたんだから。

 よし。
 ならば、リエナがそんな風に考えられなくなるくらいに、今日はめいっぱい楽しんでもらうってのを俺の密かな目標とすることにしよう。 

 「今のは冗談。やっぱり覚悟は解除な」と言った俺の言葉を聞いて素直に肩の力を抜いたリエナを連れて、俺は『ドラゴンコークスクリュー』の順番待ち列へと並んだ。

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