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第六章「《蒼混じりの焔》ブルーブレンド」
第67話 伝えたい気持ち
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「おいこら……マナカ、こっち来たら……あぶねぇって、散々言ってたろうが……ちゃんと、人の話は聞けよな……マナカは、いつもそうだ……てんで人の話を聞かない……」
まったくしょうがない奴だ……。
「ユウトくん、なんで、なんで――」
「……なにが、だよ」
「だって今、わたしのことを庇ったよね――」
「わかんねぇよ……マナカが見えた瞬間、身体が勝手に反応しちまったんだ……ま、これは俺が勝手にしたことだ……マナカが気にすることじゃ、ないさ」
そう、その瞬間まで、間違いなく俺はマナカの存在を失念していた。
ただただ《蒼混じりの焔》を討滅する。
なにがあっても、例え自分が倒れようとも、刺し違えても絶対にこいつだけは討滅すると――そのどす黒い復讐心だけが、俺の思考の全てを支配していたのだから。
それなのにマナカを見た瞬間。
これまでずっと、ただそれだけが全てだと思っていたものを俺は全て放り出してしまっていた。
ただただマナカを守りたいというその想いだけで、俺は身を投げ出してしまったんだ。
その結果は見ての通りだ。
傷は深い、誰がどう見ても完全な致命傷。
まだ意識があるのが自分でも不思議なくらいだ。
そしてその意識もまた、次第に遠のき始めていた――。
俺はあと少しで死ぬ。
それはもう確定した未来だった。
にもかかわらず俺の心に不思議と後悔の念はなかった。
むしろ心は夏の青空のようにすっきりと晴れやかだったのだ。
マナカを守れたという事実が、俺は無性に誇らしかった。
「ユウトくん――わ、わた、わたしの、せいで――」
「だから別に、お前のせいじゃ、ねーよ……」
「でも私が下りてきちゃったから――」
「すべてを決断したのは、俺なんだ。お前を連れてきたのも、お前を守ったのも……その選択は……すべて俺がしたんだ。それをマナカが……イチイチ気に病む必要は、ない……」
くそ、しゃべるのがつらくなって……きた……。
口がうまく、うごかねぇ……。
「でも、でも――」
「そんな、泣きそうな顔、すんなよな……マナカは笑ってる方が、絶対に、似合ってる……ぞ」
「だって――」
「それにさ……ちょっと、嬉しかったんだぜ?」
「え……?」
「マナカが来てくれたことが、な……危険を顧みず俺を助けようと来てくれたことが……俺は本当に……嬉しかったんだ」
《魔法使い型》と戦った時みたいに、俺を助けようとしてくれたんだろ?
やれやれまったく、ほんとこいつはしょうがない……おせっかい焼きだな。
「なぁマナカ……今の俺は誇らしいんだぜ?」
「誇らしい?」
「マナカを守れたことが……マナカを守れて、今の俺は満足してるんだ……自分でも、不思議だけどな。戦ってる時は、復讐しか頭になかったのに……マナカを見た瞬間に、そんなの全部どうでもよくなっちまった……マナカのことしか見えなかった……こほ――っ」
またもや腹の中から逆流してきた血塊で、口の中が一瞬で血に満たされる。
だけどもう血の味すら俺は感じていなかった。
「ちょっと前までの、自分のことだけしか考えてない俺じゃ……こんな風には絶対に、考えられ、なかった……」
この言葉はウソ偽りのない本心だ。
俺の死でマナカに負い目を感じさせたくないって意図は、なくはない。
でもそれはあくまで付随的なものだ。
何より大切なことは、俺がマナカにこの気持ちを伝えたいってことなのだから――。
くぅっ、意識が遠くなって……きた……。
まだマナカに話したいことがたくさん……ある、のに……。
まったくしょうがない奴だ……。
「ユウトくん、なんで、なんで――」
「……なにが、だよ」
「だって今、わたしのことを庇ったよね――」
「わかんねぇよ……マナカが見えた瞬間、身体が勝手に反応しちまったんだ……ま、これは俺が勝手にしたことだ……マナカが気にすることじゃ、ないさ」
そう、その瞬間まで、間違いなく俺はマナカの存在を失念していた。
ただただ《蒼混じりの焔》を討滅する。
なにがあっても、例え自分が倒れようとも、刺し違えても絶対にこいつだけは討滅すると――そのどす黒い復讐心だけが、俺の思考の全てを支配していたのだから。
それなのにマナカを見た瞬間。
これまでずっと、ただそれだけが全てだと思っていたものを俺は全て放り出してしまっていた。
ただただマナカを守りたいというその想いだけで、俺は身を投げ出してしまったんだ。
その結果は見ての通りだ。
傷は深い、誰がどう見ても完全な致命傷。
まだ意識があるのが自分でも不思議なくらいだ。
そしてその意識もまた、次第に遠のき始めていた――。
俺はあと少しで死ぬ。
それはもう確定した未来だった。
にもかかわらず俺の心に不思議と後悔の念はなかった。
むしろ心は夏の青空のようにすっきりと晴れやかだったのだ。
マナカを守れたという事実が、俺は無性に誇らしかった。
「ユウトくん――わ、わた、わたしの、せいで――」
「だから別に、お前のせいじゃ、ねーよ……」
「でも私が下りてきちゃったから――」
「すべてを決断したのは、俺なんだ。お前を連れてきたのも、お前を守ったのも……その選択は……すべて俺がしたんだ。それをマナカが……イチイチ気に病む必要は、ない……」
くそ、しゃべるのがつらくなって……きた……。
口がうまく、うごかねぇ……。
「でも、でも――」
「そんな、泣きそうな顔、すんなよな……マナカは笑ってる方が、絶対に、似合ってる……ぞ」
「だって――」
「それにさ……ちょっと、嬉しかったんだぜ?」
「え……?」
「マナカが来てくれたことが、な……危険を顧みず俺を助けようと来てくれたことが……俺は本当に……嬉しかったんだ」
《魔法使い型》と戦った時みたいに、俺を助けようとしてくれたんだろ?
やれやれまったく、ほんとこいつはしょうがない……おせっかい焼きだな。
「なぁマナカ……今の俺は誇らしいんだぜ?」
「誇らしい?」
「マナカを守れたことが……マナカを守れて、今の俺は満足してるんだ……自分でも、不思議だけどな。戦ってる時は、復讐しか頭になかったのに……マナカを見た瞬間に、そんなの全部どうでもよくなっちまった……マナカのことしか見えなかった……こほ――っ」
またもや腹の中から逆流してきた血塊で、口の中が一瞬で血に満たされる。
だけどもう血の味すら俺は感じていなかった。
「ちょっと前までの、自分のことだけしか考えてない俺じゃ……こんな風には絶対に、考えられ、なかった……」
この言葉はウソ偽りのない本心だ。
俺の死でマナカに負い目を感じさせたくないって意図は、なくはない。
でもそれはあくまで付随的なものだ。
何より大切なことは、俺がマナカにこの気持ちを伝えたいってことなのだから――。
くぅっ、意識が遠くなって……きた……。
まだマナカに話したいことがたくさん……ある、のに……。
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