63 / 214
第4章

第62話 vsゴーレム(上)

しおりを挟む
 俺たちがクエストで指定された古代遺跡につくと、入り口には門番のようにゴーレムが立ちふさがっていた。

 ゴーレムにはいくつかタイプがあるんだけど、黒いフレームに白い装甲が付いたずんぐりむっくりした、一番知られている人型タイプのゴーレムだった。

 人型と言っても高さは3メートルほどもあって、大の大人よりもはるかに大きい。
 右手にはこれまた巨大な剣を握っている。

 ちなみに前にトリケラホーンが出た古代遺跡とはまた別の遺跡だ。

「まるでお城を守る門番みたいですね」
 アイセルが小さく呟いた。

「俺もそう思っ――」

「あ、私も私も!」
 俺に対抗するようにアイセルに一緒だよアピールをするサクラ。

 サクラがアイセルに懐いている様子は、血のつながった仲のいい姉妹みたいでほんとに微笑ましいな。

 そしてゴーレムは入り口付近に1体だけ、見たところ他にはいない。
 よしよし、これもバッチリ事前情報通りだな。

 勇者パーティ時代がそうだったんだけど、高難度クエストを色々やっていると、事前情報と明らかに違っていることがたまにある。
 そしてそういう時はたいていが、やっかいかつ危険なことになると相場が決まっているのだ。

「今『索敵』スキルで調べましたけど、邪魔になるような魔獣も周りには居ないみたいです」

「なら状況がいいうちに、早速討伐クエストを開始するか」
「ですね」

「最終確認だけど、ゴーレムは自分の近くに近づいて来た相手を敵と認識して攻撃する。だからバフを使ったら俺はここで無関係を装って見てるから、今回に限っては俺の心配はしなくていい。2人の準備ができ次第かかってくれ」

「了解です」
「任せてよね! わたしたちがクエスト完了するのを、ケイスケはそこで指をくわえて見てなさい!」

「へいへい。S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』発動」

 俺のS級スキルの発動と共に、まずは怒りの精霊『フラストレ』の力を解放したサクラが猪突猛進で真正面突撃し、アイセルも続いてゴーレムに向かっていく。

「うぉりゃぁぁぁぁぁっっ!!」

 サクラの突撃にゴーレムが反応し、すぐに戦闘が始まった。

 ガキン! ギャリッ! ガキン! ガッ!! ゴンッ!!

 サクラのバトルアックスとゴーレムの巨大剣が、激しい火花とものすごい金属音を立てながらて激しくぶつかり合う。

 どちらも超大型の武器同士だけど、バーサーカーとゴーレムはともに大の力自慢。
 まるでレイピアでも使っているみたいに、全く重さを感じさせはしない。

「このこのこのこのっ!」
 サクラの強烈な連続攻撃がゴーレムを追い込んでいく。

 そこにアイセルが巧みに絡んで、ゴーレムの装甲の隙間を狙って魔法剣で攻撃していった。

 開始からアイセルとサクラは、初めてとは思えないコンビネーションで戦闘を優位に進めていた。
 しかし今回の相手は古代遺跡から目覚めたゴーレムだ、やはり一筋縄ではいきはしない。

 ゴーレムの背後をとったサクラがバトルアックスを思いっきり振りかぶり、全力で叩きつけようとして――逆に吹っ飛ばされた。

 ゴーレムの腰から上がクルッと180度回転して、背後をとったつもりが正面から攻撃したような形になってしまったからだ。

「へぶぅ――っ!」

 背中から不意を打ったつもりが、もろにカウンターを受けてしまったサクラは、それでもとっさに引いたバトルアックスを盾のようにして巨大剣と身体の間に割り込ませて、真っ二つに斬られることは回避していた。

 それでも衝撃までは殺せない。
 サクラは吹っ飛んだ勢いそのままに、地面をゴロゴロと転がっていった。

「まったく、ゴーレムは普通の生物とは違うから気をつけろって言っただろ」

 地面に這いつくばりながらもサクラはすぐに自慢の超回復力ですぐに回復を始めた。
 しかしゴーレムはこれを勝機と見て追撃をしかけてくる。

「させません!」
 もちろんアイセルがそこに割って入ってくれた。

 純粋なパワーではサクラに一歩劣るものの、攻守のなにもかもが超ハイレベルなアイセルは、多彩な動きでゴーレムを翻弄するとサクラが回復する時間を簡単に稼いでみせた。

「ありがとうアイセルさん!」

 その隙に回復を終えたサクラが立ちあがる。

 俺なら即死してる攻撃を受けてもうケロッとしているのは、さすがバーサーカーだな。

「サクラ、さっきのは要反省ですよ。ケースケ様の言葉は常に太陽のごとく正しいんですから、もっと深く心からケースケ様の言葉と一体となるように理解しないとダメです」

「言いかたがもはや怪しげな新興宗教の伝道師っぽくてかなりアレだけど、言ってることには納得!」

「じゃあケースケ様の偉大さが骨身にしみたところで、もう一回行きましょう。サクラが奮戦してくれたおかげで、ゴーレムのフレームの可動範囲や動きはほぼ見切りました。次で終わらせます」

 アイセルの顔がキリリと凛々しく引き締まった。

 勝負をかける時のアイセルの顔だ――!
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

皇弟が冷淡って本当ですか⁉ どうやらわたしにだけ激甘のようです

流空サキ
恋愛
高校生の未令は、十年前に失踪した父の手がかりを求め、異世界である平安国へと足を踏み入れる。そこは、木火土金水を操る術者が帝を守る国だった。平安国へ着いて早々、なぜか未令は帝の弟、焔将に気に入られ、側妃にされる。はじめは嫌がっていた未令だが、陰の帝とまで言われる冷徹な人物として知られる焔将が未令にだけは優しい。帝に幽閉されている父と祖父を助けるため、未令は焔将の力を借りて奮闘するが―――。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...