S級【バッファー】(←不遇職)の俺、結婚を誓い合った【幼馴染】を【勇者】に寝取られパーティ追放されヒキコモリに→美少女エルフに養って貰います
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
文字の大きさ
大中小
155 / 214
第9章
第153話 神頼み?
しおりを挟む
最後のクエストの出発前日。
「あれ? ケースケ様、買い物でも行くんですか? それともまたクエストの資料集めですか?」
俺が拠点の屋敷から外に出ようとすると、玄関でちょうどどこかへ出かけようとしているアイセルと鉢合わせた。
「いや、さすがに資料集めはもう終わってるよ。念のためもう一回一通り読み込んで頭の中を整理してたんだけど、ちょっと気分転換もかねて外の空気でも吸いに行こうかなって思ってさ。ちょうど行ってみたい所もあったし。アイセルは買い物か?」
「わたしも荷作りが終わったので、街でもぶらついて気分をリフレッシュしておこうかなぁと思いまして。あのケースケ様、その行ってみたい所にわたしもご一緒してもよろしいでしょうか?」
「もちろんいいけど、別に楽しいところに行くわけじゃないぞ? すぐそこの寺院に行くだけだし」
「ケースケ様が寺院に行くなんて珍しいですね?」
アイセルが「おや?」という顔をした。
「ん、そうか?」
「だってケースケ様ってあまり神様とか信じてないタイプですよね?」
「いや、神様はいるんだろうなくらいには信じているぞ?」
「あ、そうなんですね。ちょっと意外です。もっとリアリストなのかと思っていました」
「なんて言うのかな、神様はいるとは思っているんだよ。でも特に人を助けてくれるような存在だとは思っていないかな」
「えーと、つまり神様は冷たい存在だってことでしょうか?」
「冷たいっていうか、神様だって世の中のことに何でも首を突っ込むほど暇じゃないだろうし、地上のことはやっぱり地上に住んでいる俺たちが自分たちの手でどうにかしないといけないんだろうなって感じで思ってる」
「ふむふむ、そういう理解の仕方ですか。納得です。存在は信じていても、御利益なんかはないと思っているわけですね」
「そういうことだな」
「あれ? ではケースケ様は今日は何をしに寺院に行くんでしょうか?」
「ほら、今回のクエストはいつになく難易度が高いだろ? だから気分転換ついでにダメ元で神頼みでもしに行こうかなって思ってさ」
「つまり効果は無くて元々、あったらラッキー。気分転換ついでにちょっと寄ってみるか、くらいの感じですね?」
「さすがアイセル、理解が早いな」
「えへへ、ありがとうございます……」
俺がそっと優しく頭を撫でてやると、アイセルが嬉しそうにはにかんだ。
その心からの笑顔を見ていると、俺の心も幸せな気持ちで満たされていくのがわかる。
「それに今回は高い山に登るからさ。神頼みでもいいから、頼むから雪は降らないで欲しいなって思ったんだよな」
言いながら、俺はかつて勇者パーティ時代に経験したとても辛い過去の記憶を思い出してしまっていた。
「あの、なんだか声がすごく切実な気がするんですけど、雪は嫌いなんですか?」
アイセルが心配そうに尋ねてくる。
「昔さ、勇者パーティ時代なんだけど、山登り中に季節外れの大雪に降られたことがあったんだよ」
「わわっ、それは大変でしたね」
「そうなんだよ、ほんと大変だったんだよ。猛吹雪で真っ白になって視界はほとんどないし、方向感覚もなくなるし。あの時は寒さと疲労でマジで死ぬと思ったからな。あれ以来、俺は雪山にだけは絶対に登りたくないと思っているんだ」
「そ、そうでしたか……でしたら尚更わたしもご一緒します! 1人より2人の方が神頼みもきっと効果があるはずですから」
アイセルが胸の前で両手をぎゅっと握って頑張りますのポーズをした。
そのとても愛らしい姿を見て、寒くて辛かった冬山の記憶を思い出してどんよりしていた俺の心も、すぐにほわほわほっこり回復する。
「そうだよな、2人で頼んだ方が聞いてくれる可能性もきっと上がるよな。じゃあ一緒に神頼みに行くか」
「はい!」
そんな風に玄関でアイセルととりとめもない話をしていると、
「あ、だったら私も行くし!」
サクラが元気よくやってきた。
その隣にはシャーリーもいて、苦笑いしながらぐいぐいとサクラに手を引かれている。
その姿を見てなんとなく、年の離れた姉と妹のようだと思ってしまった。
「あれ? ケースケ様、買い物でも行くんですか? それともまたクエストの資料集めですか?」
俺が拠点の屋敷から外に出ようとすると、玄関でちょうどどこかへ出かけようとしているアイセルと鉢合わせた。
「いや、さすがに資料集めはもう終わってるよ。念のためもう一回一通り読み込んで頭の中を整理してたんだけど、ちょっと気分転換もかねて外の空気でも吸いに行こうかなって思ってさ。ちょうど行ってみたい所もあったし。アイセルは買い物か?」
「わたしも荷作りが終わったので、街でもぶらついて気分をリフレッシュしておこうかなぁと思いまして。あのケースケ様、その行ってみたい所にわたしもご一緒してもよろしいでしょうか?」
「もちろんいいけど、別に楽しいところに行くわけじゃないぞ? すぐそこの寺院に行くだけだし」
「ケースケ様が寺院に行くなんて珍しいですね?」
アイセルが「おや?」という顔をした。
「ん、そうか?」
「だってケースケ様ってあまり神様とか信じてないタイプですよね?」
「いや、神様はいるんだろうなくらいには信じているぞ?」
「あ、そうなんですね。ちょっと意外です。もっとリアリストなのかと思っていました」
「なんて言うのかな、神様はいるとは思っているんだよ。でも特に人を助けてくれるような存在だとは思っていないかな」
「えーと、つまり神様は冷たい存在だってことでしょうか?」
「冷たいっていうか、神様だって世の中のことに何でも首を突っ込むほど暇じゃないだろうし、地上のことはやっぱり地上に住んでいる俺たちが自分たちの手でどうにかしないといけないんだろうなって感じで思ってる」
「ふむふむ、そういう理解の仕方ですか。納得です。存在は信じていても、御利益なんかはないと思っているわけですね」
「そういうことだな」
「あれ? ではケースケ様は今日は何をしに寺院に行くんでしょうか?」
「ほら、今回のクエストはいつになく難易度が高いだろ? だから気分転換ついでにダメ元で神頼みでもしに行こうかなって思ってさ」
「つまり効果は無くて元々、あったらラッキー。気分転換ついでにちょっと寄ってみるか、くらいの感じですね?」
「さすがアイセル、理解が早いな」
「えへへ、ありがとうございます……」
俺がそっと優しく頭を撫でてやると、アイセルが嬉しそうにはにかんだ。
その心からの笑顔を見ていると、俺の心も幸せな気持ちで満たされていくのがわかる。
「それに今回は高い山に登るからさ。神頼みでもいいから、頼むから雪は降らないで欲しいなって思ったんだよな」
言いながら、俺はかつて勇者パーティ時代に経験したとても辛い過去の記憶を思い出してしまっていた。
「あの、なんだか声がすごく切実な気がするんですけど、雪は嫌いなんですか?」
アイセルが心配そうに尋ねてくる。
「昔さ、勇者パーティ時代なんだけど、山登り中に季節外れの大雪に降られたことがあったんだよ」
「わわっ、それは大変でしたね」
「そうなんだよ、ほんと大変だったんだよ。猛吹雪で真っ白になって視界はほとんどないし、方向感覚もなくなるし。あの時は寒さと疲労でマジで死ぬと思ったからな。あれ以来、俺は雪山にだけは絶対に登りたくないと思っているんだ」
「そ、そうでしたか……でしたら尚更わたしもご一緒します! 1人より2人の方が神頼みもきっと効果があるはずですから」
アイセルが胸の前で両手をぎゅっと握って頑張りますのポーズをした。
そのとても愛らしい姿を見て、寒くて辛かった冬山の記憶を思い出してどんよりしていた俺の心も、すぐにほわほわほっこり回復する。
「そうだよな、2人で頼んだ方が聞いてくれる可能性もきっと上がるよな。じゃあ一緒に神頼みに行くか」
「はい!」
そんな風に玄関でアイセルととりとめもない話をしていると、
「あ、だったら私も行くし!」
サクラが元気よくやってきた。
その隣にはシャーリーもいて、苦笑いしながらぐいぐいとサクラに手を引かれている。
その姿を見てなんとなく、年の離れた姉と妹のようだと思ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
皇弟が冷淡って本当ですか⁉ どうやらわたしにだけ激甘のようです
流空サキ
恋愛
高校生の未令は、十年前に失踪した父の手がかりを求め、異世界である平安国へと足を踏み入れる。そこは、木火土金水を操る術者が帝を守る国だった。平安国へ着いて早々、なぜか未令は帝の弟、焔将に気に入られ、側妃にされる。はじめは嫌がっていた未令だが、陰の帝とまで言われる冷徹な人物として知られる焔将が未令にだけは優しい。帝に幽閉されている父と祖父を助けるため、未令は焔将の力を借りて奮闘するが―――。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる