一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第2部 第5章 中間テストの勉強会
第81話 SINOBI×ファミリー・美月ちゃん
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「遊びから帰ったら、蒼太おにーちゃんのお靴があったので、アッて思ったんです。それでびっくりさせようと思ってこっそり来たんです。『オペレーションこっそり』、大成功です。えへへ、ビックリしましたか?」
けれど美月ちゃんは、ちょっとドヤ顔で嬉しそうに笑って答えた。
そのまったく悪気のないような様子と『オペレーション~~』という単語に、俺は思い当たる節があった。
「そういえばこの前、木兆鉄で遊んだ時に、アニメでやってる『SINOBI×ファミリー』が好きだって言ってたな」
『SINOBI×ファミリー』は、西ドイツのスパイ忍者エージェントが、疑似家族を作って東ドイツに潜入するっていう設定のアニメで、アニメ好き以外にも結構話題になっている作品だ。
「はい、毎週見てますので!」
「あれ面白いよな。俺も美月ちゃんに勧められて見始めたんだけど、それから毎週欠かさず見るようになったよ」
凄腕忍者でエージェントの主人公・ガレタソが、東ドイツでニセの妻にと選んだ相手・ヨルル。
実は彼女はアサシン姫のコードネームで恐れられる、東ドイツの誇る忍者殺しのスペシャリストだったのだ。
さらにニセの娘として選んだ少女・アニャニャは、思考トレースと呼ばれる特殊スキル持ちで、他人の心を読むことができるときた。
このハチャメチャ設定の疑似家族に、この先いったいどんな未来が待ち受けているのか。
俺も毎週ワクワクドキドキしながら、最新話の放映を心待ちにしていた。
「だったら今度、『SINOBI×ファミリー』でおままごとしたいです」
「いいぞ。中間テストが終わったら、また3人でおままごとをしような」
「はい!」
「あのね美月。お姉ちゃんは、本当にビックリしたんだからね?」
「ふふふ、だったら大成功でしたね。美月、シノビの才能がありそうかもです?」
「そうだな、将来はクノイチになるのもいいかもな」
「蒼太くん? 私は真面目な話をしているんだから、アニメの話は今は置いておいてくれないかな?」
「あ、はい。すみません」
美月ちゃんとアニメの話でつい盛り上がってしまって、優香にお叱りを受けてしまったよ……とほほ。
「それでね美月。ああいうのは心臓に悪いからもうしちゃだめよ? ドアを開ける前には、ちゃんとノックをして確認しないとダメだからね?」
優香が念押しするように言葉を重ねる。
ただまぁ美月ちゃんに悪気があったのではないことが分かったのだろう、優香はすっかりトーンダウンしていた。
なんだかんだで優香は美月ちゃんには甘々だなぁ。
「はーい!」
そんな優香の言葉に、美月ちゃんが元気よく頷く。
終わってみればほのぼのとした姉妹のやりとりに、俺はほっこりしたのだった。
話が一段落したところで、
「でも美月のことを、私も蒼太くんも全然気付かなかったよね? ドアを開ける音とか階段を上ってくる音がしたら、どっちかは気付いてもいいはずなんだけど」
優香が少し不思議そうにつぶやいた。
優香の疑問はもっともだな。
いくら美月ちゃんが隠密行動をとっても、俺たちは静かに勉強をしていた(勉強をしていたんだぞ!)から、階段を上がったりドアを開ければ気付かないはずがないから。
でも――。
「それなんだけどさ、実は思い当たることがあるんだ」
「そうなの?」
俺は優香に仮説――とは言うものの実のところかなり確信がある――を語って聞かせた。
けれど美月ちゃんは、ちょっとドヤ顔で嬉しそうに笑って答えた。
そのまったく悪気のないような様子と『オペレーション~~』という単語に、俺は思い当たる節があった。
「そういえばこの前、木兆鉄で遊んだ時に、アニメでやってる『SINOBI×ファミリー』が好きだって言ってたな」
『SINOBI×ファミリー』は、西ドイツのスパイ忍者エージェントが、疑似家族を作って東ドイツに潜入するっていう設定のアニメで、アニメ好き以外にも結構話題になっている作品だ。
「はい、毎週見てますので!」
「あれ面白いよな。俺も美月ちゃんに勧められて見始めたんだけど、それから毎週欠かさず見るようになったよ」
凄腕忍者でエージェントの主人公・ガレタソが、東ドイツでニセの妻にと選んだ相手・ヨルル。
実は彼女はアサシン姫のコードネームで恐れられる、東ドイツの誇る忍者殺しのスペシャリストだったのだ。
さらにニセの娘として選んだ少女・アニャニャは、思考トレースと呼ばれる特殊スキル持ちで、他人の心を読むことができるときた。
このハチャメチャ設定の疑似家族に、この先いったいどんな未来が待ち受けているのか。
俺も毎週ワクワクドキドキしながら、最新話の放映を心待ちにしていた。
「だったら今度、『SINOBI×ファミリー』でおままごとしたいです」
「いいぞ。中間テストが終わったら、また3人でおままごとをしような」
「はい!」
「あのね美月。お姉ちゃんは、本当にビックリしたんだからね?」
「ふふふ、だったら大成功でしたね。美月、シノビの才能がありそうかもです?」
「そうだな、将来はクノイチになるのもいいかもな」
「蒼太くん? 私は真面目な話をしているんだから、アニメの話は今は置いておいてくれないかな?」
「あ、はい。すみません」
美月ちゃんとアニメの話でつい盛り上がってしまって、優香にお叱りを受けてしまったよ……とほほ。
「それでね美月。ああいうのは心臓に悪いからもうしちゃだめよ? ドアを開ける前には、ちゃんとノックをして確認しないとダメだからね?」
優香が念押しするように言葉を重ねる。
ただまぁ美月ちゃんに悪気があったのではないことが分かったのだろう、優香はすっかりトーンダウンしていた。
なんだかんだで優香は美月ちゃんには甘々だなぁ。
「はーい!」
そんな優香の言葉に、美月ちゃんが元気よく頷く。
終わってみればほのぼのとした姉妹のやりとりに、俺はほっこりしたのだった。
話が一段落したところで、
「でも美月のことを、私も蒼太くんも全然気付かなかったよね? ドアを開ける音とか階段を上ってくる音がしたら、どっちかは気付いてもいいはずなんだけど」
優香が少し不思議そうにつぶやいた。
優香の疑問はもっともだな。
いくら美月ちゃんが隠密行動をとっても、俺たちは静かに勉強をしていた(勉強をしていたんだぞ!)から、階段を上がったりドアを開ければ気付かないはずがないから。
でも――。
「それなんだけどさ、実は思い当たることがあるんだ」
「そうなの?」
俺は優香に仮説――とは言うものの実のところかなり確信がある――を語って聞かせた。
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