一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第7章 優香のお泊まり大作戦
第116話 修学旅行あるある
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「完~成っ! ふふっ……」
綺麗にメイキングを終えた布団の上に、可愛く女の子座りをした優花が、口元に手を当てて楽しそうに微笑んだ。
「急に笑い出してどうしたんだ?」
俺は優香に向き合う位置でベッドに腰かけながら、笑い出した理由を尋ねる。
「こういうの、なんだか修学旅行みたいで楽しいなって思って」
「それ俺も思ったな。誰かと一緒に布団を敷くなんて、なかなか経験することないもんな」
「中学校の時の修学旅行の夜を思い出しちゃった。消灯後もみんなでこっそりお話して、楽しかったなぁ」
「消灯時間が過ぎてからがむしろ修学旅行の醍醐味だよな。みんなで顔を寄せ合ってさ」
「先生の足音が聞こえたら、みんな一瞬で静かになるんだよね」
「気付いたやつが、『見回り来たぞ!』って小声で叫ぶんだよな」
このあたりは修学旅行あるあるだよな。
「ねぇねぇ、滅多にない機会だし、寝る前にもう少しだけお話しない?」
「寝るにはまだちょっと早いもんな」
「修学旅行の予行演習になるかも?」
「修学旅行でもテストでもなんでも、準備は大事だよな」
幸いなことに、優花に膝枕をしてもらってぐっすりお昼寝をしたおかげで、俺はまだまだちっとも眠くない。
俺はベッドに座って、優香は敷布団に女の子座りをして、俺たちはお部屋トークを始めた。
もちろんお泊まりだからって特別な会話をするわけじゃなく、その内容は普段とさして変わらない。
「蒼太くんは修学旅行の思い出ってある?」
話の流れもあってか、優香は修学旅行の話題を続けてきた。
「そうだな。夜は皆で枕投げしたことかな?」
「ま、枕投げ……」
「楽しかったけど、後でめちゃくちゃ怒られたんだよな。全員廊下で30分くらい正座させられたから」
「あ、あははは……。まぁ他のお客さんとかホテルの迷惑になっちゃうからね」
「今思うと施設を壊す可能性もあるし、ほんと良くないよな枕投げって」
高校の修学旅行で枕投げイベントが発生しかけたら、俺は空気を読まずに止めに入ろう。
「ちなみにうちの中学校の修学旅行は京都に行って、いっぱいお寺や神社を見てきたの。清水の舞台はもうすっごく高かったし、金閣寺は本当に金ぴかだったんだよ?」
「京都いいよなぁ。かつての日本の中心だもんな」
「蒼太くんの学校は、修学旅行はどこに行ったの?」
「俺は奈良だったな。奈良の大仏を見たけど、超でかかったよ。あと鹿がすごくたくさんいた」
「奈良と言えば街中の鹿が有名だもんね。可愛かった? 触れるんだよね? いいなぁ、行ってみたいなぁ。鹿せんべいあげたいなぁ」
まるで恋する乙女のように声を弾ませる優花。
しかし俺は、残念な事実を伝えなければならなかった。
「触れはしたけど、可愛いかどうかは微妙だったかな?」
「ええっ、鹿さん可愛いでしょ?」
優香が『なに言ってるの?』みたいな視線を向けてくる。
「それがさ。人間の弁当を食いに襲ってくるヤツや、車の通っている道路のまん中で平然と座り込むヤツまでいて、もうほんと何でもありの鹿の無法地帯だったんだよ」
「襲ってくるって、それはちょっと言い過ぎじゃない? 鹿さんをディスっちゃいけないよ?」
「それがヤツらって、人間は地面に落としたものは食べないって知ってるみたいでさ。弁当に向かって容赦なく頭突きをしてきたんだ」
「そ、そうなんだ」
「人を襲うことに慣れてたし、奈良に住んでる人は毎日これじゃ大変だろうなって思ったな」
ちなみに弁当を落とされたのは、健介だったりする。
一緒の班で行動していて、その時も隣にいた俺は、健介の尊い犠牲のおかげでなんとか難を逃れることができたのだった。
「きっとそういうのも織り込み済みで、鹿と上手く共存してるのかもね」
「かもしれないな」
布団を敷いたところから自然と修学旅行の話に派生して、おかげで緊張感がほんの少しだけ薄れたような気がした。
まぁ、ほんの少しなんだけども。
だってそんな、寝具は分けるとはいえ、女の子と2人きりで寝るのに緊張しない男子高校生なんているわけないだろ?
「習うより慣れろって言うもんね」
「ははっ、『奈良』だけに『習』うってな」
「え? ……あ、うん」
「……」
綺麗にメイキングを終えた布団の上に、可愛く女の子座りをした優花が、口元に手を当てて楽しそうに微笑んだ。
「急に笑い出してどうしたんだ?」
俺は優香に向き合う位置でベッドに腰かけながら、笑い出した理由を尋ねる。
「こういうの、なんだか修学旅行みたいで楽しいなって思って」
「それ俺も思ったな。誰かと一緒に布団を敷くなんて、なかなか経験することないもんな」
「中学校の時の修学旅行の夜を思い出しちゃった。消灯後もみんなでこっそりお話して、楽しかったなぁ」
「消灯時間が過ぎてからがむしろ修学旅行の醍醐味だよな。みんなで顔を寄せ合ってさ」
「先生の足音が聞こえたら、みんな一瞬で静かになるんだよね」
「気付いたやつが、『見回り来たぞ!』って小声で叫ぶんだよな」
このあたりは修学旅行あるあるだよな。
「ねぇねぇ、滅多にない機会だし、寝る前にもう少しだけお話しない?」
「寝るにはまだちょっと早いもんな」
「修学旅行の予行演習になるかも?」
「修学旅行でもテストでもなんでも、準備は大事だよな」
幸いなことに、優花に膝枕をしてもらってぐっすりお昼寝をしたおかげで、俺はまだまだちっとも眠くない。
俺はベッドに座って、優香は敷布団に女の子座りをして、俺たちはお部屋トークを始めた。
もちろんお泊まりだからって特別な会話をするわけじゃなく、その内容は普段とさして変わらない。
「蒼太くんは修学旅行の思い出ってある?」
話の流れもあってか、優香は修学旅行の話題を続けてきた。
「そうだな。夜は皆で枕投げしたことかな?」
「ま、枕投げ……」
「楽しかったけど、後でめちゃくちゃ怒られたんだよな。全員廊下で30分くらい正座させられたから」
「あ、あははは……。まぁ他のお客さんとかホテルの迷惑になっちゃうからね」
「今思うと施設を壊す可能性もあるし、ほんと良くないよな枕投げって」
高校の修学旅行で枕投げイベントが発生しかけたら、俺は空気を読まずに止めに入ろう。
「ちなみにうちの中学校の修学旅行は京都に行って、いっぱいお寺や神社を見てきたの。清水の舞台はもうすっごく高かったし、金閣寺は本当に金ぴかだったんだよ?」
「京都いいよなぁ。かつての日本の中心だもんな」
「蒼太くんの学校は、修学旅行はどこに行ったの?」
「俺は奈良だったな。奈良の大仏を見たけど、超でかかったよ。あと鹿がすごくたくさんいた」
「奈良と言えば街中の鹿が有名だもんね。可愛かった? 触れるんだよね? いいなぁ、行ってみたいなぁ。鹿せんべいあげたいなぁ」
まるで恋する乙女のように声を弾ませる優花。
しかし俺は、残念な事実を伝えなければならなかった。
「触れはしたけど、可愛いかどうかは微妙だったかな?」
「ええっ、鹿さん可愛いでしょ?」
優香が『なに言ってるの?』みたいな視線を向けてくる。
「それがさ。人間の弁当を食いに襲ってくるヤツや、車の通っている道路のまん中で平然と座り込むヤツまでいて、もうほんと何でもありの鹿の無法地帯だったんだよ」
「襲ってくるって、それはちょっと言い過ぎじゃない? 鹿さんをディスっちゃいけないよ?」
「それがヤツらって、人間は地面に落としたものは食べないって知ってるみたいでさ。弁当に向かって容赦なく頭突きをしてきたんだ」
「そ、そうなんだ」
「人を襲うことに慣れてたし、奈良に住んでる人は毎日これじゃ大変だろうなって思ったな」
ちなみに弁当を落とされたのは、健介だったりする。
一緒の班で行動していて、その時も隣にいた俺は、健介の尊い犠牲のおかげでなんとか難を逃れることができたのだった。
「きっとそういうのも織り込み済みで、鹿と上手く共存してるのかもね」
「かもしれないな」
布団を敷いたところから自然と修学旅行の話に派生して、おかげで緊張感がほんの少しだけ薄れたような気がした。
まぁ、ほんの少しなんだけども。
だってそんな、寝具は分けるとはいえ、女の子と2人きりで寝るのに緊張しない男子高校生なんているわけないだろ?
「習うより慣れろって言うもんね」
「ははっ、『奈良』だけに『習』うってな」
「え? ……あ、うん」
「……」
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