一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第9章 蒼太、決意の時
第161話 告白(1)
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「優香」
俺が声をかけると、
「あ、蒼太くん!」
優香は俺を見た途端に、どこか安心したような顔を見せた。
「遅くなってごめん」
俺は姿を見せると同時に、まずは優香への謝罪の気持ちを伝える。
「ううん、全然待ってないし。気にしないで」
だけど優香は安心した顔から一転、やっぱり焦ったように少し早口で言いながら、両手を胸の前でブンブンと左右に大きく振った。
あー、うん。
これはどうにもダメそうな予感がするな……。
明らかに、告白されることを期待して喜んでいるような態度には見えない。
優香って、嬉しい時は本当に嬉しそうにするんだ。
古の少女漫画でヒロインの嬉しさの感情を表すように、唐突に背景に花が舞うような感じっていうのかな。
仲良くなって優香のことをそれなり以上に知ることができたからこそ、俺は優香の様子から、敗北の予兆を感じ取らざるを得ないでいた。
だけどもう、ここまで来たんだ。
俺の想い人は目の前にいる。
今さら怖気づくなんて、それこそ男が廃るってなもんだろう?
賽は投げられた。
俺は今日、ルビコン川を渡る。
後悔なら後からすればいい。
告白していいのは、振られる覚悟のあるやつだけだ!
「あのさ――」
「あの――」
ぐぬっ。
しかし間が悪いことに、ちょうど同じタイミングで2人とも話し始めてしまい、言葉が被ってしまう。
ダブルブッキングに続いてまたもや出鼻をくじかれてしまって、ついガックリときてしまいそうになる気持ちを、俺はなんとかモチベートする。
「俺の話は後でいいから、優香からどうぞ」
「私も後でいいよ。蒼太くんから話してくれる?」
「いやいや優香から」
「ううん、蒼太くんから」
日本人あるあるとでも言うのだろうか。
お互いに『そちらからどうぞ』と譲り合う俺と優香。
「ほんと、俺は後でいいんだ。少し時間とるかもだし」
「私も後のほうがいいかな。なんて言うか、その、大事な話っていうか」
「俺も結構大事な話なんだ」
「うーんとね? 私のは、もしかしたらそれよりももっと大事かもっていうか? あ、でもでも。別に蒼太くんのお話が大事じゃないって言ってるわけじゃ、全然なくて!」
「あはは、分かってるって」
「否定するみたいなこと言っちゃって、ごめんね」
「そこはマジで気にしてないから心配しないで」
「そう? よかったぁ……」
その言葉を最後に、俺と優香は今度はお互いに黙り込んでしまう。
会話を再開するタイミングやら間合いやら掴み損ねたまま、俺と優香の無言の視線がしっとりと絡み合った。
俺としては先に優香の話を終わらせてから、本番の告白に入りたいところだ。
告白が失敗したら、優香の話はほぼ間違いなく頭に入って来ないだろうし。
優香の話が俺の告白よりも大事ってことは多分ないはずなんだけど、それは告白しようとしている俺だけが知っている事情だった。
だけど告白するってことをあらかじめ伝えたら、実質告白したのと同義になってしまうから、伝えることはもちろんできない。
せっかく手紙なんていう普段は使わない古式ゆかしいオールド・ツールを使って、告白ポイントに呼び出したのだから、非日常的な特別な空気感のままで勝負したい。
だけどこのままグダグダしていると、せっかく作った特別な雰囲気がどんどんと悪くなってしまう。
まだ姿を見せてはいないが、最大の懸案であるラブレターの女の子も、そう遠くないうちにやってくるはず。
仕方ない。
俺は相手が話したい時に、自分の話を優先するタイプじゃないんだけど、ここは俺が先に告白をして気持ちを伝えるとしよう。
俺は無言の中で話し出すタイミングをジッとうかがうと、意を決して口を開いた。
「優香、まずは来てくれてありがとう」
「蒼太くん、今日は来てくれてありがとう」
ぐぬっ……!
よりにもよってまたここで狙ったかのように言葉が被ってしまうとか、今日の俺は本当についてないな!(涙
俺が声をかけると、
「あ、蒼太くん!」
優香は俺を見た途端に、どこか安心したような顔を見せた。
「遅くなってごめん」
俺は姿を見せると同時に、まずは優香への謝罪の気持ちを伝える。
「ううん、全然待ってないし。気にしないで」
だけど優香は安心した顔から一転、やっぱり焦ったように少し早口で言いながら、両手を胸の前でブンブンと左右に大きく振った。
あー、うん。
これはどうにもダメそうな予感がするな……。
明らかに、告白されることを期待して喜んでいるような態度には見えない。
優香って、嬉しい時は本当に嬉しそうにするんだ。
古の少女漫画でヒロインの嬉しさの感情を表すように、唐突に背景に花が舞うような感じっていうのかな。
仲良くなって優香のことをそれなり以上に知ることができたからこそ、俺は優香の様子から、敗北の予兆を感じ取らざるを得ないでいた。
だけどもう、ここまで来たんだ。
俺の想い人は目の前にいる。
今さら怖気づくなんて、それこそ男が廃るってなもんだろう?
賽は投げられた。
俺は今日、ルビコン川を渡る。
後悔なら後からすればいい。
告白していいのは、振られる覚悟のあるやつだけだ!
「あのさ――」
「あの――」
ぐぬっ。
しかし間が悪いことに、ちょうど同じタイミングで2人とも話し始めてしまい、言葉が被ってしまう。
ダブルブッキングに続いてまたもや出鼻をくじかれてしまって、ついガックリときてしまいそうになる気持ちを、俺はなんとかモチベートする。
「俺の話は後でいいから、優香からどうぞ」
「私も後でいいよ。蒼太くんから話してくれる?」
「いやいや優香から」
「ううん、蒼太くんから」
日本人あるあるとでも言うのだろうか。
お互いに『そちらからどうぞ』と譲り合う俺と優香。
「ほんと、俺は後でいいんだ。少し時間とるかもだし」
「私も後のほうがいいかな。なんて言うか、その、大事な話っていうか」
「俺も結構大事な話なんだ」
「うーんとね? 私のは、もしかしたらそれよりももっと大事かもっていうか? あ、でもでも。別に蒼太くんのお話が大事じゃないって言ってるわけじゃ、全然なくて!」
「あはは、分かってるって」
「否定するみたいなこと言っちゃって、ごめんね」
「そこはマジで気にしてないから心配しないで」
「そう? よかったぁ……」
その言葉を最後に、俺と優香は今度はお互いに黙り込んでしまう。
会話を再開するタイミングやら間合いやら掴み損ねたまま、俺と優香の無言の視線がしっとりと絡み合った。
俺としては先に優香の話を終わらせてから、本番の告白に入りたいところだ。
告白が失敗したら、優香の話はほぼ間違いなく頭に入って来ないだろうし。
優香の話が俺の告白よりも大事ってことは多分ないはずなんだけど、それは告白しようとしている俺だけが知っている事情だった。
だけど告白するってことをあらかじめ伝えたら、実質告白したのと同義になってしまうから、伝えることはもちろんできない。
せっかく手紙なんていう普段は使わない古式ゆかしいオールド・ツールを使って、告白ポイントに呼び出したのだから、非日常的な特別な空気感のままで勝負したい。
だけどこのままグダグダしていると、せっかく作った特別な雰囲気がどんどんと悪くなってしまう。
まだ姿を見せてはいないが、最大の懸案であるラブレターの女の子も、そう遠くないうちにやってくるはず。
仕方ない。
俺は相手が話したい時に、自分の話を優先するタイプじゃないんだけど、ここは俺が先に告白をして気持ちを伝えるとしよう。
俺は無言の中で話し出すタイミングをジッとうかがうと、意を決して口を開いた。
「優香、まずは来てくれてありがとう」
「蒼太くん、今日は来てくれてありがとう」
ぐぬっ……!
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