一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第9章 蒼太、決意の時
第169話 心が日本晴れ、蒼太
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いつものように、優香と連れだって教室に入ると、いったんお別れの挨拶をする。
「じゃあまた後でな」
「うん。あ、そうだ。せっかくだし、今日はお昼一緒に食べない?」
「悪い。俺、学食なんだよな」
「そっかぁ、そうだよね。残念」
学食は座席数がそう多くない関係で、学食で買って食べる生徒が優先で、お弁当持参の生徒の利用は推奨されていなかった。
別に違反してもペナルティがあるわけではないが、学校とは勉強だけでなく社会生活をも学ぶ場所。
なにより日本は法治国家である。
あからさまにルールを破るのはいただけない。
今度から早起きしてお弁当を作ってこようかな?
などと、できもしないことをつい考えてしまう。
早起きプラス料理とか、一般男子高校生にはあまりにも難易度が高すぎた。
と、今の会話で関係の変化を察したクラスメイトもいたのか、わずかにクラスがざわめいた。
しかし優香と初めて一緒に登校した時ほどは大きく盛り上がらない。
そのことを少し不思議に思いながら、優香と別れて自分の席に向かうと、健介が右手を軽く上げながら近づいてきた。
「よっ、蒼太。おめでとさん」
既に健介には昨日ラインで、優香と付き合うことになったと伝えてあるため、健介に驚いた様子はない。
「健介、いろいろとアドバイスありがとな。健介に言われたのもあって、踏み切れたところもあるからさ。感謝してる」
俺は一番の親友に、改めて感謝の気持ちを伝えた。
感謝と好意は、何度伝えても損はないから。
そしてそれをリアルで面と向かって伝えることも大切だと俺は思う。
「別にそんなのいいっての。俺とお前の仲だろ? 貸し1つな」
「この話の流れで貸しにすんのかよ!? お前は鬼か?」
「ばーか、貸し10くらいありそうなのを、出血大サービスで1つに負けてやったんだよ。債務圧縮ってやつだ」
「な、なるほど……。しゃーねーな、マックセットを奢ってやるよ。健介に感謝してるのは本当だし」
「おっ、マジで? サンキュー」
ったく、相変わらずいい奴だなお前。
もし健介に好きな女の子ができたら、今度は俺が手伝ってやるからな。
ま、今のところ、そんな浮いた話はないみたいだけども。
なにせ健介は、中1からかれこれ5年続けて同じクラスの親友だ。
健介に好きな子ができたり、恋にうつつを抜かしていたりしたら、態度ですぐに気付くはず。
なにせ俺は察しの良い男であるからして。
「ところで健介」
「なんだ? デザートも付けてくれるのか? もうすぐマックシェイクの復刻があるんだよなぁ」
「別にシェイクを付けるくらいならいいけど、俺が言いたいのはそうじゃなくて」
「じゃあなんだよ?」
「いやほら、意外とみんな普通だなって思ってさ。初めて優香と一緒に登校した時は、上を下への大騒ぎだったのに」
今もクラスメイトたちはおおむね、自分たちの話を続けている。
何人かは俺と健介の会話や、大親友の古賀さんと話している優香の話に意識を向けているっぽいけど、それも一部だけだ。
またむやみやたらと騒がれるんだろうと思って、心の中で身構えていた俺としては、ちょっと肩すかしだ。
もちろんアレコレ言われるよりは、こっちのほうが絶対にいいんだけども。
「元からほとんど付き合ってるようなもんだっただろ? 名前で呼び合ってるし、登下校はいつも一緒だし。正直みんな、今さら感あるだろうよ」
「そういうことか」
「でもいいのか?」
「なにがだよ?」
「せっかくカップルになったのに、姫宮さんと話さないで」
「優香も直接、親友に報告したいんだってさ」
チラリと視線を向けると、優香が親友の古賀さん――優香は菜々花ちゃんと呼んでいる――にほっぺをうりうりと突かれていた。
優香も照れながら、だけど満更でもない様子で2人でじゃれ合っている。
相変わらず仲がいいようで、なによりだ。
「なるほどね」
「後はまぁ、学校内ではあんまりバカップルしすぎないように気を付けないとな、みたいな話はしたし、された」
「何ごとも節度は大事だよな」
「もうちょいしたら期末テストだから勉強もしないとだし。友達付き合いもあるしさ。俺としては、あんまり優香の交友関係を縛りたくないっていうか」
健介以外には仲のいい友人が少ない俺とは違って、優香は人気者だから友達も多い。
優香の人間関係は尊重したいと思っている。
それに優香の交友関係は、女の子ばっかりだから安心だしな。
やっぱりこう、男子と仲良くされていると嫉妬しないではいられないだろうから。
健介とそんな話をしていると。
キーンコーンカーンコーン――。
予鈴が鳴って、各地にコロニーを作って話に花を咲かせていたクラスメイト達が一斉に各々の席へと移動を始める。
「じゃあな」
健介も軽く手を上げて自分の席へと戻っていく。
今日もまた、いつも通りの日常が始まる。
優香と付き合ったからといって授業がなくなることはないし、高校生としてやるべきことが何か変わるわけでもない。
さっきも言ったように期末も近いし、来年は受験だから授業を手抜きするわけにはいかない。
だけど。
それでも。
変わらない日常に臨む俺の心境は、これ以上ないくらいに晴れ晴れとしていた。
「今日の俺は、心が日本晴れだぜ――!」
「じゃあまた後でな」
「うん。あ、そうだ。せっかくだし、今日はお昼一緒に食べない?」
「悪い。俺、学食なんだよな」
「そっかぁ、そうだよね。残念」
学食は座席数がそう多くない関係で、学食で買って食べる生徒が優先で、お弁当持参の生徒の利用は推奨されていなかった。
別に違反してもペナルティがあるわけではないが、学校とは勉強だけでなく社会生活をも学ぶ場所。
なにより日本は法治国家である。
あからさまにルールを破るのはいただけない。
今度から早起きしてお弁当を作ってこようかな?
などと、できもしないことをつい考えてしまう。
早起きプラス料理とか、一般男子高校生にはあまりにも難易度が高すぎた。
と、今の会話で関係の変化を察したクラスメイトもいたのか、わずかにクラスがざわめいた。
しかし優香と初めて一緒に登校した時ほどは大きく盛り上がらない。
そのことを少し不思議に思いながら、優香と別れて自分の席に向かうと、健介が右手を軽く上げながら近づいてきた。
「よっ、蒼太。おめでとさん」
既に健介には昨日ラインで、優香と付き合うことになったと伝えてあるため、健介に驚いた様子はない。
「健介、いろいろとアドバイスありがとな。健介に言われたのもあって、踏み切れたところもあるからさ。感謝してる」
俺は一番の親友に、改めて感謝の気持ちを伝えた。
感謝と好意は、何度伝えても損はないから。
そしてそれをリアルで面と向かって伝えることも大切だと俺は思う。
「別にそんなのいいっての。俺とお前の仲だろ? 貸し1つな」
「この話の流れで貸しにすんのかよ!? お前は鬼か?」
「ばーか、貸し10くらいありそうなのを、出血大サービスで1つに負けてやったんだよ。債務圧縮ってやつだ」
「な、なるほど……。しゃーねーな、マックセットを奢ってやるよ。健介に感謝してるのは本当だし」
「おっ、マジで? サンキュー」
ったく、相変わらずいい奴だなお前。
もし健介に好きな女の子ができたら、今度は俺が手伝ってやるからな。
ま、今のところ、そんな浮いた話はないみたいだけども。
なにせ健介は、中1からかれこれ5年続けて同じクラスの親友だ。
健介に好きな子ができたり、恋にうつつを抜かしていたりしたら、態度ですぐに気付くはず。
なにせ俺は察しの良い男であるからして。
「ところで健介」
「なんだ? デザートも付けてくれるのか? もうすぐマックシェイクの復刻があるんだよなぁ」
「別にシェイクを付けるくらいならいいけど、俺が言いたいのはそうじゃなくて」
「じゃあなんだよ?」
「いやほら、意外とみんな普通だなって思ってさ。初めて優香と一緒に登校した時は、上を下への大騒ぎだったのに」
今もクラスメイトたちはおおむね、自分たちの話を続けている。
何人かは俺と健介の会話や、大親友の古賀さんと話している優香の話に意識を向けているっぽいけど、それも一部だけだ。
またむやみやたらと騒がれるんだろうと思って、心の中で身構えていた俺としては、ちょっと肩すかしだ。
もちろんアレコレ言われるよりは、こっちのほうが絶対にいいんだけども。
「元からほとんど付き合ってるようなもんだっただろ? 名前で呼び合ってるし、登下校はいつも一緒だし。正直みんな、今さら感あるだろうよ」
「そういうことか」
「でもいいのか?」
「なにがだよ?」
「せっかくカップルになったのに、姫宮さんと話さないで」
「優香も直接、親友に報告したいんだってさ」
チラリと視線を向けると、優香が親友の古賀さん――優香は菜々花ちゃんと呼んでいる――にほっぺをうりうりと突かれていた。
優香も照れながら、だけど満更でもない様子で2人でじゃれ合っている。
相変わらず仲がいいようで、なによりだ。
「なるほどね」
「後はまぁ、学校内ではあんまりバカップルしすぎないように気を付けないとな、みたいな話はしたし、された」
「何ごとも節度は大事だよな」
「もうちょいしたら期末テストだから勉強もしないとだし。友達付き合いもあるしさ。俺としては、あんまり優香の交友関係を縛りたくないっていうか」
健介以外には仲のいい友人が少ない俺とは違って、優香は人気者だから友達も多い。
優香の人間関係は尊重したいと思っている。
それに優香の交友関係は、女の子ばっかりだから安心だしな。
やっぱりこう、男子と仲良くされていると嫉妬しないではいられないだろうから。
健介とそんな話をしていると。
キーンコーンカーンコーン――。
予鈴が鳴って、各地にコロニーを作って話に花を咲かせていたクラスメイト達が一斉に各々の席へと移動を始める。
「じゃあな」
健介も軽く手を上げて自分の席へと戻っていく。
今日もまた、いつも通りの日常が始まる。
優香と付き合ったからといって授業がなくなることはないし、高校生としてやるべきことが何か変わるわけでもない。
さっきも言ったように期末も近いし、来年は受験だから授業を手抜きするわけにはいかない。
だけど。
それでも。
変わらない日常に臨む俺の心境は、これ以上ないくらいに晴れ晴れとしていた。
「今日の俺は、心が日本晴れだぜ――!」
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