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第四章 揺れる想い
第43話「まるで見てきたみたいに言うじゃないか」「え”え”っ!? あ、いや、その……」
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オレは座ったままで身体ごと夏美に向き直ると、今朝の顛末を話した。
「駅の改札を出たら加恋が待っていたんだ。声をかけられて、後は流れでさ。わざわざ断る理由もなかったし」
友だちから一緒に登校しようと言われて断ったら、それはもう友達ではないだろう?
「昨日の今日で待ってたなんて、加恋ちゃんに相当気に入られたみたいだね」
「どうだろうな?」
「絶対そうだって!」
夏美が両手の拳をグッと握りながら力説する。
「オレと加恋は完全初対面だぞ? まだ気に入るとか気に入らない以前の段階だと思うけどな?」
「でも明らかにシュートくんに絡みに来ているよね?」
「なにか興味でも引いたのかな? 思い当たる節はないんだが……。そういや筋トレを毎日してるエピソードはウケていたか……?」
入学してからのことを少し思い出していたオレに、夏美がおずおずと言った。
「ひ、一目惚れとか?」
「それはない。それこそ思い当たる節がないからな」
即答で断言したオレに、しかし夏美が妙に食い下がってくる。
「そうかなぁ? 昨日だって放課後にクレープ屋さんに行って、いい雰囲気だったじゃん」
「いい雰囲気ってなんだよ? まるで見てきたみたいに言うじゃないか」
「え”え”っ!? あ、いや、その……」
「なんだよ?」
「だから、その……」
オレは特に他意はなく思ったことを尋ねただけなんだが、 さっきまでの威勢の良さはどこへやら、夏美は急にもごもごとし始めた。
「その? なんだ?」
「えっと、だから……い、いわゆる……」
「いわゆる?」
「だから、その……い、イメージって言うか? ほ、ほら! 教室で誘った時にいい雰囲気だったなって思って! そういうことだから! だから別に見て言ったわけじゃないからね!」
「そんなに力説しなくても、夏美が実際には見てはいないのは知っているよ」
「う、うん。ご、ごめんなさい……」
夏美がどこかバツが悪そうな感じで視線を逸らした。
その態度を少し不思議に思いながら、オレは昨日の放課後のことを夏美に教えた。
「一応言っておくと、そんな想像しているようなもんじゃあなかったんだぞ? 普通にクレープを食べて、適当にブラブラ店を見て回っただけだし」
「ふ、普通ぅ……????」
夏美が口を小さくとがらせながら、わずかに眉を寄せた。
夏美が納得がいかない時に時々見せる仕草だ――
懐かしさとともに、心の中でわずかに昂った『俺』を、オレはそっと押しとどめると、言った。
「ああ、普通に友だちと放課後に遊んだだけだよ」
「……そ、そうだよね。普通だったよね。でも良かったじゃん? 明るくていい子だし、みんなから好かれてるし、可愛いし」
「席も隣だしな。世話になることもあるだろうし、お隣さんとは良好でいたい」
「そうだけど、そういうんじゃなくて……」
夏美とそんな話をしていると、何人かのクラスメイト達との朝のおしゃべりを終えた加恋が、オレたちのところ――つまりはオレの隣の加恋の自席だ――までやってきて、「うんしょっ」と鞄を置きながら言った。
「なになに~? オナ中同士で朝から盛り上がってるねぇ♪ アタシも混ぜてよぉ♪」
「駅の改札を出たら加恋が待っていたんだ。声をかけられて、後は流れでさ。わざわざ断る理由もなかったし」
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「どうだろうな?」
「絶対そうだって!」
夏美が両手の拳をグッと握りながら力説する。
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入学してからのことを少し思い出していたオレに、夏美がおずおずと言った。
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「それはない。それこそ思い当たる節がないからな」
即答で断言したオレに、しかし夏美が妙に食い下がってくる。
「そうかなぁ? 昨日だって放課後にクレープ屋さんに行って、いい雰囲気だったじゃん」
「いい雰囲気ってなんだよ? まるで見てきたみたいに言うじゃないか」
「え”え”っ!? あ、いや、その……」
「なんだよ?」
「だから、その……」
オレは特に他意はなく思ったことを尋ねただけなんだが、 さっきまでの威勢の良さはどこへやら、夏美は急にもごもごとし始めた。
「その? なんだ?」
「えっと、だから……い、いわゆる……」
「いわゆる?」
「だから、その……い、イメージって言うか? ほ、ほら! 教室で誘った時にいい雰囲気だったなって思って! そういうことだから! だから別に見て言ったわけじゃないからね!」
「そんなに力説しなくても、夏美が実際には見てはいないのは知っているよ」
「う、うん。ご、ごめんなさい……」
夏美がどこかバツが悪そうな感じで視線を逸らした。
その態度を少し不思議に思いながら、オレは昨日の放課後のことを夏美に教えた。
「一応言っておくと、そんな想像しているようなもんじゃあなかったんだぞ? 普通にクレープを食べて、適当にブラブラ店を見て回っただけだし」
「ふ、普通ぅ……????」
夏美が口を小さくとがらせながら、わずかに眉を寄せた。
夏美が納得がいかない時に時々見せる仕草だ――
懐かしさとともに、心の中でわずかに昂った『俺』を、オレはそっと押しとどめると、言った。
「ああ、普通に友だちと放課後に遊んだだけだよ」
「……そ、そうだよね。普通だったよね。でも良かったじゃん? 明るくていい子だし、みんなから好かれてるし、可愛いし」
「席も隣だしな。世話になることもあるだろうし、お隣さんとは良好でいたい」
「そうだけど、そういうんじゃなくて……」
夏美とそんな話をしていると、何人かのクラスメイト達との朝のおしゃべりを終えた加恋が、オレたちのところ――つまりはオレの隣の加恋の自席だ――までやってきて、「うんしょっ」と鞄を置きながら言った。
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