ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第46話 異世界人なのがバレちゃった……
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「うーんそうだな、こことは違ってドラゴンがいない平和な世界だったな。技術はもっと発達していて、飛行機っていう空を飛ぶ乗り物で自由にどこでも行けるんだ――って、あ……」
そこまで言って俺はハタと気が付いた。
なんでもないようにサラッと聞かれたから俺も普通に答えちゃったけど、今の質問は答えちゃダメな質問だろ!?
っていうか俺が異世界から来たことがリュスターナにバレてる!?
いやでもそんなはずは――
「やっぱり勇者様は異なる世界から来られた異邦人だったのですね」
リュスターナは納得したのか、大きく一度頷いた。
「え、いや、その……」
「勇者について書かれた古文書の中にもそういう記載があったんですよね。勇者は時に偉大なる女神によって異世界から召喚されることがある、と」
「えっと、いや、それはその、なんていうか……」
浮気がバレたカレシのごとくしどろもどろになる俺。
でも一つだけ言わせてもらえるなら、あの駄女神(本当は女神ですらないっぽい)はどこをどうみても偉大ではないと思うんだ。
それはさておき。
リュスターナは軽く微笑みながら言葉を続ける。
「ふふっ、別に隠していたことを責めているわけではないんです。ただ、命がけの最終決戦の前に、ずっと気になっていたことを確認しておきたかっただけで」
ああうん、これはもう完全にバレているな。
っていうかいつからバレてたんだろう?
俺が異世界から来たって、リュスターナに直接言ったことはなかったはずだけど。
(正確にはポロッと言っちゃったけど即座に訂正した)
「ごめんな、騙すつもりはなかったんだ。でも信じてもらえそうにないことだから言いづらくてさ。ちなみにいつから気付いてたんだ?」
「いつからと聞かれれば、かなり最初の頃からですね。それこそ出会った日からでしょうか?」
「出会った日から!?」
え、マジで?
いきなりバレてたのかよ?
「だっていくら修行に明け暮れていたといっても、この世界の人間が、人間とドラゴンが戦っていることを知らないなんてありえませんよ。もうこの時点ですごい違和感がありましたから」
「ぐっ、それは確かに……」
正論過ぎてぐぅの根も出なかった。
そりゃそうだよな。
ドラゴンとの戦争が長く続いていたこの世界に住んでいて、なのにドラゴンと戦っていることすら知らないなんて、天地が翻ってもありえないよな。
リュスターナがそのことを疑問に思うのは当然だ。
改めて冷静に考えればすぐに分かるはずなんだけど、あの時の俺はよっしゃ上手く誤魔化せたととか思ってたんだよなぁ。
ほんとに俺はアホすぎる。
「それと話していて時々不思議な感じがしたんです」
「不思議な感じって?」
「物の見方が少し違う感じがしたんです。言葉は悪いんですけど、平和ボケしているというか」
「平和ボケか……」
「あの、本当に言葉が悪くてすみません。決して馬鹿にしているわけではないんです。勇者様からは何をするにしても、穏やかというか優しいというか、そういう感じがしたんです」
リュスターナはそう言うと申し訳なさそうに頭を下げた。
「いいや、リュスターナがそう感じても仕方ないと思う。俺が前にいた日本って国はさ、その世界でも特に平和なことで有名だったんだ。戦争なんてほとんどの人間が経験したことすらなくてさ」
「そんな世界があるんですね……羨ましいです」
「だからずっとドラゴンと戦っているこの世界の住人から見たら、平和ボケしているように見えたんだと思う」
80年近く戦争とは無縁の国。
どころかテロも革命も軍事クーデターも起こらない。
それが俺のいた日本という世界一平和な国だったから。
「ですがそんな平和な国から戦乱が続くこの世界に来て、さらには勇者として命をかけて戦うのは、辛くはなかったんですか?」
「別に辛くはなかったよ。勇者と聖剣≪クラウソラス≫の力は最強だったし、みんな俺を勇者だって褒めたたえてくれるし。なによりこの世界に来てすぐに、リュスターナが付きっきりで面倒見てくれたからな」
「もう、勇者様ってば、今は冗談じゃなくて真面目に聞いているんですよ?」
リュスターナが唇を突き出して、わざとむくれて見せる。
もちろんぜんぜん怖くなくて、むしろ可愛くてしょうがなかったんだけど。
でも今のは冗談でもなんでもなくありのままの本心なんだよ。
そこまで言って俺はハタと気が付いた。
なんでもないようにサラッと聞かれたから俺も普通に答えちゃったけど、今の質問は答えちゃダメな質問だろ!?
っていうか俺が異世界から来たことがリュスターナにバレてる!?
いやでもそんなはずは――
「やっぱり勇者様は異なる世界から来られた異邦人だったのですね」
リュスターナは納得したのか、大きく一度頷いた。
「え、いや、その……」
「勇者について書かれた古文書の中にもそういう記載があったんですよね。勇者は時に偉大なる女神によって異世界から召喚されることがある、と」
「えっと、いや、それはその、なんていうか……」
浮気がバレたカレシのごとくしどろもどろになる俺。
でも一つだけ言わせてもらえるなら、あの駄女神(本当は女神ですらないっぽい)はどこをどうみても偉大ではないと思うんだ。
それはさておき。
リュスターナは軽く微笑みながら言葉を続ける。
「ふふっ、別に隠していたことを責めているわけではないんです。ただ、命がけの最終決戦の前に、ずっと気になっていたことを確認しておきたかっただけで」
ああうん、これはもう完全にバレているな。
っていうかいつからバレてたんだろう?
俺が異世界から来たって、リュスターナに直接言ったことはなかったはずだけど。
(正確にはポロッと言っちゃったけど即座に訂正した)
「ごめんな、騙すつもりはなかったんだ。でも信じてもらえそうにないことだから言いづらくてさ。ちなみにいつから気付いてたんだ?」
「いつからと聞かれれば、かなり最初の頃からですね。それこそ出会った日からでしょうか?」
「出会った日から!?」
え、マジで?
いきなりバレてたのかよ?
「だっていくら修行に明け暮れていたといっても、この世界の人間が、人間とドラゴンが戦っていることを知らないなんてありえませんよ。もうこの時点ですごい違和感がありましたから」
「ぐっ、それは確かに……」
正論過ぎてぐぅの根も出なかった。
そりゃそうだよな。
ドラゴンとの戦争が長く続いていたこの世界に住んでいて、なのにドラゴンと戦っていることすら知らないなんて、天地が翻ってもありえないよな。
リュスターナがそのことを疑問に思うのは当然だ。
改めて冷静に考えればすぐに分かるはずなんだけど、あの時の俺はよっしゃ上手く誤魔化せたととか思ってたんだよなぁ。
ほんとに俺はアホすぎる。
「それと話していて時々不思議な感じがしたんです」
「不思議な感じって?」
「物の見方が少し違う感じがしたんです。言葉は悪いんですけど、平和ボケしているというか」
「平和ボケか……」
「あの、本当に言葉が悪くてすみません。決して馬鹿にしているわけではないんです。勇者様からは何をするにしても、穏やかというか優しいというか、そういう感じがしたんです」
リュスターナはそう言うと申し訳なさそうに頭を下げた。
「いいや、リュスターナがそう感じても仕方ないと思う。俺が前にいた日本って国はさ、その世界でも特に平和なことで有名だったんだ。戦争なんてほとんどの人間が経験したことすらなくてさ」
「そんな世界があるんですね……羨ましいです」
「だからずっとドラゴンと戦っているこの世界の住人から見たら、平和ボケしているように見えたんだと思う」
80年近く戦争とは無縁の国。
どころかテロも革命も軍事クーデターも起こらない。
それが俺のいた日本という世界一平和な国だったから。
「ですがそんな平和な国から戦乱が続くこの世界に来て、さらには勇者として命をかけて戦うのは、辛くはなかったんですか?」
「別に辛くはなかったよ。勇者と聖剣≪クラウソラス≫の力は最強だったし、みんな俺を勇者だって褒めたたえてくれるし。なによりこの世界に来てすぐに、リュスターナが付きっきりで面倒見てくれたからな」
「もう、勇者様ってば、今は冗談じゃなくて真面目に聞いているんですよ?」
リュスターナが唇を突き出して、わざとむくれて見せる。
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でも今のは冗談でもなんでもなくありのままの本心なんだよ。
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