よろしい、ならば電柱だ。

てんつぶ

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番外編:電柱BLとこももさん

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 そうして柱上変圧器が僕にしがみ付いた。いつも固い彼だけど、股間の変圧器がいつもよりドクドクと脈打っているのが分かる。これは……確実に……。
「あの……?柱上変圧器さん?その……当たってますよ?」
「当ててんだよ。お前、気付かないのな?俺の気持ちに。毎日こうやってお前に抱きついてんのによ」
「抱きついてるって……だって電柱(ぼく)に変圧器さんがくっついてるのは当たり前だし……ひゃ、どこ触ってるんですかあっ」
 僕の耳元で柱上変圧器さんの良い声が響く。や、だめ……そこは弱いからぁ。
 ぐりぐりと押し付けられる彼自身からとろとろとした絶縁油がこすりつけられる。
「ん……っ、や……こんなとこで……!電線さんがぁ……見てるう」
「見せつけてやろうぜ?あいつらいつもお前にくっついてて気に入らねえんだよ。……お前が誰のもんなのか、わからせてやるよ」
「ひゃあ……っ、あ、あん……っ」
 
・・・・・・・
 
「でーきた!今度の新刊!あとは表紙を作って終わりっ!」
「……こももさん……お疲れ様……」
 
 ボクのおでこにキスを落としてくれるのは、可愛い年下の恋人だ。
 以前コミケに参加した時に面識があったという彼は、当時まだ高校生だった。あの会場では珍しく学ランの集団がいたのでよく覚えている。しかもその中で一際背の高い彼は「電柱」と呼ばれて周りの少年たちに虐められてたっけ。電柱は電柱本買えよって、僕の同人誌を売っているスペースに連れてこられていた。手の込んだ虐めをさせるやつらだと、僕の愛情をこめてつくった本を出汁にされるのも腹が立ったし……覚えていないけど確かゲイが作ったBL電柱本を馬鹿にするならケツ穴掘るぞとかなんとか……多分何か言った気がする。
 売っている僕に文句を言われるなんて思っていなかったのか、そのいじめっ子らしき子たちはさっさと逃げる中でその「電柱」くんだけは静かに僕の本を買って行ってくれたっけ。
 
「トリノくん、その、こももさんってペンネームだからね?もう一緒に暮らしてるんだし、そろそろ本名で読んで欲しいなあ、なんて」
「……俺、こももって名前好きなんです……。可愛くて……こももさんにぴったり……」
 
 もう三十路も中盤のボクに、まさかこんなに愛してくれる恋人ができるとは思わなかった。すだれみたいな前髪を上げればビックリするほどカッコよかったし、虐められていた体験から少し自分に自信がないのが玉に瑕だけど、僕にはもったいない恋人だ。
 
「も、もう……っ。スッピンだし、服も適当だから……あんまりそういう事いわないで」
 
 東京に行くときには女装を楽しむけど、地元では普段通りの恰好をしている。それなのにトリノくんはそんな僕を可愛いと言ってはばからないのだから、ほんとうに恋は盲目なのかもしれない。
 
 年下の可愛い恋人はまた飽きずに僕を可愛いと言って、恥ずかしい程のキスの雨を降らせた。



――――――

『追記』

※ここまで読んでくださってありがとうございます。
このお話は、Twitterで「もらったセリフでSSを書こう」というお遊びタグを使ったものです。
以下、出して貰ったセリフです。

「……まさか、あの乳首はお前のか?」
「それ、俺のだよね?」
「どうも、あの時の電柱です」
「電柱のくせに!電柱のくせに!!」
「へえ。そういう趣味だったんだ」
「鼻血が出てるんじゃない。出してるんだ」
「そんなところで感じるの?」
「みかんが滲みただけだ」
「電柱を舐めまわした」
「感電……したいだろ?」
「今日のおやつなに?」
「チビじゃない! お前がデカいんだ!!」
「電柱の直径をご存知ですか?約30cmですよ」
「電柱って抱き心地が良いですよね~」
「電柱にも色々な種類があってだな」
「電柱に触っていいのは俺だけだ」
「嘘つくなよ~それホントにお前のもんなの?」
「お前でスケベしたい」
「だから、言ったじゃないか」

途中からなぜか電柱の流れになってこのようなお話になりました……。
 なんで電柱……。でもなかなか楽しかったです、ありがとうございました。
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