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第一章
35ーパーティー
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「グフッ!!」
え? またレオン様が吹き出したのかって? 違うわよ。私の呻き声よ!
今日は、第2王子の誕生日パーティー当日です。ドレスを着るので、リアンカにコルセットを締められてます。キッツイ!!
「リアンカ、もういいわよ!」
「ダメです、ルル様! こんなのまだユルユルですよ! さぁ、息を吐いてー。いきますよー!!」
「うっ……!」
「はい、ルル様、出来ました! ドレスはこちらですよ」
「このドレス、どうしたの?」
お祖母様達に着せ替えさせられた時はなかったわよ。
「ティシュトリア領のお邸から、持ってきました。綺麗ですよね」
なんと言うか……うん、お嬢様ね。でもね。じゃあ、あの着せ替えされている時間はなんだったの?
スカイブルーの生地に青紫で、一面に刺繍が施されてる豪華な逸品ですね。おいくらかしら? いや、知らない方がいいわね。
「スカイブルーて、レオン殿下の瞳の色ですよね。素敵です」
ほぉーん……
「ルル様、アクセサリーはこちらです」
ほほおぉーん……
「ルル様、お顔がしらけてますよ」
だってねぇ、婚約者の色を見に着ける……て、なんか照れ臭いじゃない?
「さ、着てしまいましょう!」
「はーい」
着替えて下に降りて行くとお父様が飛んで来ました。
「ルルー!! 綺麗だー!!」
お父様、暑苦しいわ。
「まぁまぁ、本当によく似合ってるわ!」
「お祖母様、有難うございます。お祖母様も素敵ですわ」
お祖母様は萌黄色のふんわりしたドレスです。
「まぁ、ルルったら」
「態々、領地のお邸から持ってきた甲斐があったわね。さあ、レオン殿下がお待ちよ。行きましょう」
お母様は瑠璃色のドレスですね。お父様の瞳の色かしら。
「ルル……! 綺麗だ!!」
「レオン様、有難うございます」
「今日は俺がエスコート出来ないのが残念だよ」
「まぁ、ラウ兄様ったら。エレイン様がいらっしゃるじゃないですか」
「ルル、似合ってるよ。綺麗だ」
「ジュード兄様、有難うございます」
「さ、行きますよ」
お兄様達とレオン様も一緒に馬車へと乗り込みます。お父様達は別の馬車です。
今日のレオン様は、威厳も気品もあってザ・王子様!! て、感じです。黒の正装が良く似合ってます。
「……なんだよ?」
「レオン様も皇子様だったんだなぁ、て感心しているところです」
「え、ルル。俺の印象て、そんな感じ?」
まぁね。とは、言うものの。イケメン3人を前にすると、なんか凄いな。キラキラしてるわ。
「そろそろユリウスとケイは邸に忍び込んでる頃かな」
大丈夫かしら。1番危険な役目だからね。
「大丈夫さ。ケイは強いし、機転もきくからな」
「他も上手くいってるみたいだよ。王宮で振る舞った紅茶とバウムは大好評だったらしいぞ。アッと言う間に無くなって追加を配ったんだってな」
そうなのよ。予備を作っておいて良かったわ。
「昨日、王家の皆様にもブレスレットをお渡しして着けて頂いたらしい。残念ながら第2王子はレジストできなかったそうだ」
「やはり、長い間何度もかかっているんでしょうね」
「そうだな。だが、ディアナが作った魅了の解呪薬も父上は持って入るぞ」
「はい、ラウ兄様」
準備は沢山してきた。段取りも確認した。大丈夫だ。後は本番に臨むのみよ。馬車は進み、王宮に到着しました。
「さぁ、ルルーシュア嬢参りましょう」
「はい、レオン様」
流石、皇子様。堂々とエスコートしてパーティー会場へと入って行きます。きっと見られる事に慣れているのね。私も公爵令嬢の微笑みを張り付けて、ついて行きます。
――まぁ、ティシュトリア公爵家の方々よ?
――ラウアース様、いつ見ても麗しいわ!
――ジュード様、カッコいい!
――ルルーシュア様をエスコートなさっているのは、どなたかしら?
――いつもラウアース様がエスコートなさっているのに。
――もしや、ルルーシュア様の婚約者とか!
――どなたでもいいわ。あの方も素敵!
ふふん! お兄様達、相変わらずの人気ね。レオン様もなかなかじゃない。
「ラウアース様」
「エレイン嬢、今日のドレスよく似合っているね。ここからは私がエスコートしても?」
「ラウアース殿、娘を頼みます」
「侯爵、お任せ下さい」
「エレイン様、ジュノー様はどちらに?」
お姿がみえないわ。
「侯爵様と来られているはずですわ」
まだ第2王子、出てきてないわね。その時、音楽が鳴り響き中央の階段から、王様と王妃様、それに第1王子のディーユ殿下が降りてこられました。
「レオン様、あちらが第1王子のディーユ殿下です」
「ああ」
「あ、出て来られましたよ。あれが第2王子のバッカス殿下です」
「皆、今日は第2王子バッカスの為によく集まってくれた! 今日の日を無事に迎えた事を祝って!」
さぁ、王様の言葉でパーティーの始まりです。まず順に王族の方々へご挨拶します。爵位の高い者からなので、お祖父様達が1番最初です。我が家は2番目。お父様は前王弟殿下の息子ですからね。
お祖父様達の後ろで、一緒に頭を下げます。
「モーガン叔祖父上、ティシュトリア家の皆、揃って来てくれたのか。有難う」
「陛下、第2王子殿下にお祝い申し上げます」
お祖父様がご挨拶なさいます。
「有難うございます」
バッカス王子、やっぱり全然覚えがないわ。
「そちらは、見ないお方ですね」
陛下がレオン様を見られました。
「陛下、お初にお目に掛かります。帝国第3皇子のレオン・ド・ペンドラゴンと申します。第2王子殿下、お祝い申し上げます」
「陛下、レオン殿下は孫娘ルルーシュアの婚約者に御座います」
「おぉ、そうか、そうか! 其方が」
ホントに第2王子て、同じ学園だったのに全然覚えてないわ。第1王子のディーユ・ オーベロン殿下はブロンド髪に金色の眼のピカピカなザ・王子様、て感じの方。今日はザ・王子様が二人もいるわ。第2王子のバッカス・ オーベロン殿下はアッシュブロンドの髪に金色の眼。まだやんちゃそうな雰囲気が抜けていないわね。
「陛下、では私共はこれで」
「ああ、有難う」
下がって移動します。こっそりラウ兄様が教えて下さいます。
「ほら、見てごらん。向こうに第2王子の取り巻き達と一緒に、例の男爵令嬢がいるよ」
男爵令嬢、今日も頭のリボンから靴の先までどピンクなのね。目が痛いわ。
「あれが……?」
レオン様、ガン見しすぎ。あれ? なんか男爵令嬢こっち見てない?
「レオン様、男爵令嬢見てますよ」
ロックオンされてますよ。
「あぁ、見ているな」
「もしや、隠しキャラのレオン様目当てじゃないですか?」
「まさか」
「レオン殿下推しだったりして」
「やめてくれ……ゾッとする。てか、本当にどピンクだな。ビックリして思わずガン見したわ」
「スッゴイ見てるわ。いや、睨んでる?」
「じゃあ、見せつけてやろう」
レオン殿下、腰に手を回してきましたよ。
「ハハ、ルルは可愛いな」
耳元で囁くな! もう、ホントやめて。
パーティーはまだ始まったばかりです。
え? またレオン様が吹き出したのかって? 違うわよ。私の呻き声よ!
今日は、第2王子の誕生日パーティー当日です。ドレスを着るので、リアンカにコルセットを締められてます。キッツイ!!
「リアンカ、もういいわよ!」
「ダメです、ルル様! こんなのまだユルユルですよ! さぁ、息を吐いてー。いきますよー!!」
「うっ……!」
「はい、ルル様、出来ました! ドレスはこちらですよ」
「このドレス、どうしたの?」
お祖母様達に着せ替えさせられた時はなかったわよ。
「ティシュトリア領のお邸から、持ってきました。綺麗ですよね」
なんと言うか……うん、お嬢様ね。でもね。じゃあ、あの着せ替えされている時間はなんだったの?
スカイブルーの生地に青紫で、一面に刺繍が施されてる豪華な逸品ですね。おいくらかしら? いや、知らない方がいいわね。
「スカイブルーて、レオン殿下の瞳の色ですよね。素敵です」
ほぉーん……
「ルル様、アクセサリーはこちらです」
ほほおぉーん……
「ルル様、お顔がしらけてますよ」
だってねぇ、婚約者の色を見に着ける……て、なんか照れ臭いじゃない?
「さ、着てしまいましょう!」
「はーい」
着替えて下に降りて行くとお父様が飛んで来ました。
「ルルー!! 綺麗だー!!」
お父様、暑苦しいわ。
「まぁまぁ、本当によく似合ってるわ!」
「お祖母様、有難うございます。お祖母様も素敵ですわ」
お祖母様は萌黄色のふんわりしたドレスです。
「まぁ、ルルったら」
「態々、領地のお邸から持ってきた甲斐があったわね。さあ、レオン殿下がお待ちよ。行きましょう」
お母様は瑠璃色のドレスですね。お父様の瞳の色かしら。
「ルル……! 綺麗だ!!」
「レオン様、有難うございます」
「今日は俺がエスコート出来ないのが残念だよ」
「まぁ、ラウ兄様ったら。エレイン様がいらっしゃるじゃないですか」
「ルル、似合ってるよ。綺麗だ」
「ジュード兄様、有難うございます」
「さ、行きますよ」
お兄様達とレオン様も一緒に馬車へと乗り込みます。お父様達は別の馬車です。
今日のレオン様は、威厳も気品もあってザ・王子様!! て、感じです。黒の正装が良く似合ってます。
「……なんだよ?」
「レオン様も皇子様だったんだなぁ、て感心しているところです」
「え、ルル。俺の印象て、そんな感じ?」
まぁね。とは、言うものの。イケメン3人を前にすると、なんか凄いな。キラキラしてるわ。
「そろそろユリウスとケイは邸に忍び込んでる頃かな」
大丈夫かしら。1番危険な役目だからね。
「大丈夫さ。ケイは強いし、機転もきくからな」
「他も上手くいってるみたいだよ。王宮で振る舞った紅茶とバウムは大好評だったらしいぞ。アッと言う間に無くなって追加を配ったんだってな」
そうなのよ。予備を作っておいて良かったわ。
「昨日、王家の皆様にもブレスレットをお渡しして着けて頂いたらしい。残念ながら第2王子はレジストできなかったそうだ」
「やはり、長い間何度もかかっているんでしょうね」
「そうだな。だが、ディアナが作った魅了の解呪薬も父上は持って入るぞ」
「はい、ラウ兄様」
準備は沢山してきた。段取りも確認した。大丈夫だ。後は本番に臨むのみよ。馬車は進み、王宮に到着しました。
「さぁ、ルルーシュア嬢参りましょう」
「はい、レオン様」
流石、皇子様。堂々とエスコートしてパーティー会場へと入って行きます。きっと見られる事に慣れているのね。私も公爵令嬢の微笑みを張り付けて、ついて行きます。
――まぁ、ティシュトリア公爵家の方々よ?
――ラウアース様、いつ見ても麗しいわ!
――ジュード様、カッコいい!
――ルルーシュア様をエスコートなさっているのは、どなたかしら?
――いつもラウアース様がエスコートなさっているのに。
――もしや、ルルーシュア様の婚約者とか!
――どなたでもいいわ。あの方も素敵!
ふふん! お兄様達、相変わらずの人気ね。レオン様もなかなかじゃない。
「ラウアース様」
「エレイン嬢、今日のドレスよく似合っているね。ここからは私がエスコートしても?」
「ラウアース殿、娘を頼みます」
「侯爵、お任せ下さい」
「エレイン様、ジュノー様はどちらに?」
お姿がみえないわ。
「侯爵様と来られているはずですわ」
まだ第2王子、出てきてないわね。その時、音楽が鳴り響き中央の階段から、王様と王妃様、それに第1王子のディーユ殿下が降りてこられました。
「レオン様、あちらが第1王子のディーユ殿下です」
「ああ」
「あ、出て来られましたよ。あれが第2王子のバッカス殿下です」
「皆、今日は第2王子バッカスの為によく集まってくれた! 今日の日を無事に迎えた事を祝って!」
さぁ、王様の言葉でパーティーの始まりです。まず順に王族の方々へご挨拶します。爵位の高い者からなので、お祖父様達が1番最初です。我が家は2番目。お父様は前王弟殿下の息子ですからね。
お祖父様達の後ろで、一緒に頭を下げます。
「モーガン叔祖父上、ティシュトリア家の皆、揃って来てくれたのか。有難う」
「陛下、第2王子殿下にお祝い申し上げます」
お祖父様がご挨拶なさいます。
「有難うございます」
バッカス王子、やっぱり全然覚えがないわ。
「そちらは、見ないお方ですね」
陛下がレオン様を見られました。
「陛下、お初にお目に掛かります。帝国第3皇子のレオン・ド・ペンドラゴンと申します。第2王子殿下、お祝い申し上げます」
「陛下、レオン殿下は孫娘ルルーシュアの婚約者に御座います」
「おぉ、そうか、そうか! 其方が」
ホントに第2王子て、同じ学園だったのに全然覚えてないわ。第1王子のディーユ・ オーベロン殿下はブロンド髪に金色の眼のピカピカなザ・王子様、て感じの方。今日はザ・王子様が二人もいるわ。第2王子のバッカス・ オーベロン殿下はアッシュブロンドの髪に金色の眼。まだやんちゃそうな雰囲気が抜けていないわね。
「陛下、では私共はこれで」
「ああ、有難う」
下がって移動します。こっそりラウ兄様が教えて下さいます。
「ほら、見てごらん。向こうに第2王子の取り巻き達と一緒に、例の男爵令嬢がいるよ」
男爵令嬢、今日も頭のリボンから靴の先までどピンクなのね。目が痛いわ。
「あれが……?」
レオン様、ガン見しすぎ。あれ? なんか男爵令嬢こっち見てない?
「レオン様、男爵令嬢見てますよ」
ロックオンされてますよ。
「あぁ、見ているな」
「もしや、隠しキャラのレオン様目当てじゃないですか?」
「まさか」
「レオン殿下推しだったりして」
「やめてくれ……ゾッとする。てか、本当にどピンクだな。ビックリして思わずガン見したわ」
「スッゴイ見てるわ。いや、睨んでる?」
「じゃあ、見せつけてやろう」
レオン殿下、腰に手を回してきましたよ。
「ハハ、ルルは可愛いな」
耳元で囁くな! もう、ホントやめて。
パーティーはまだ始まったばかりです。
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