12 / 13
(11) 談話
しおりを挟む
私は、その秘密を聞いた後も変わらず彼と付き合った。もちろん彼と会っている時は楽しくて彼が口にした秘密について深く考えることはなかった。しかし、デートが終わり一人になると毎回心の中にモヤがかかったような感じだった。そして、この考え事は日常生活にも及んだ。その感情を読み取ったのか私の友達や両親は私が彼と付き合っていることについてあまり突っ込んでこなかった。
しかし、ある日ー。
私の母親は思い切って切り出した。
「何かあったの?」
私は最初黙りを決め込もうと思った。しかし、心では聞いてほしかったのかポツリポツリ話し始めた。
「彼氏についてなんだけ...ジ.ツ.ハ」
口が縫い付けられているように言葉がでなかった。初めての彼氏。悪く言いたくない。言わないって約束した。そう心で葛藤した。
「..ジツハサ....彼の年齢2...5....才上なんだよね...]
私の母は黙って聞いていた。私は母親の顔が見えなかった。まるで、私が悪いことをしているような感じだった。勇気を持って母の表情を見ると鋭い眼差しがナイフのように突き刺した。恐怖の無言。私の心を見透かそうとしている。その恐怖の無言を壊すために何故か私は2つ目の秘密もつぶやいていた。
「あとさ....彼、私の年齢と近い...”子供”がいるんだって..」
また、私は俯いた。母からはすすり声が聞こえた。そして、しばらくして私の前から静かに立ち去った。私の目にも静かに雨が流れていた。この時初めて自分の気持ちに気付いた。彼のことを愛しているんだ。それと同時に自分の本当の気持ちを隠していたんだと。
次の日、この日は休日だった。
母は昼ご飯を食べた後、私に冷静に聞いた。
「あなたは、彼の人生を背負っていけるの?」
私の心はグチャグチャで何も言えなかった。それに対して、母は追いうちをかけるように言った。
「彼と別れる気はないの...」
私は静かに首を縦に振った。私の母はその動作を見て、私よりも声をあげて泣いて耳に残るくらい大きな声で私にまくしたてた。
「もし、彼と..これからも.....付き合い続け.るなら、どこへでも.勝手に行き..なさい。あなた..と絶縁します。向こうの家に...でも住めばいいじゃない。あなた、彼と..付き合ってい..る事が異常なの分からないの...」
母はそう言うと我に返ったか嵐が去ったように静かになった。私は顔をあげられなかった。
しばらくして、母は先ほどとは対照的に猫を撫でるような声で私に語りかけた。
「今日に今日決断ださなくてもいいからね。友達にも相談してみな。でも、もしこれからも付き合うなら将来についても考えるんだよ。さっき言ったことは私の本心でもあるのだから。」
そういうと、母は重い腰をあげ、TVをつけた。
しかし、ある日ー。
私の母親は思い切って切り出した。
「何かあったの?」
私は最初黙りを決め込もうと思った。しかし、心では聞いてほしかったのかポツリポツリ話し始めた。
「彼氏についてなんだけ...ジ.ツ.ハ」
口が縫い付けられているように言葉がでなかった。初めての彼氏。悪く言いたくない。言わないって約束した。そう心で葛藤した。
「..ジツハサ....彼の年齢2...5....才上なんだよね...]
私の母は黙って聞いていた。私は母親の顔が見えなかった。まるで、私が悪いことをしているような感じだった。勇気を持って母の表情を見ると鋭い眼差しがナイフのように突き刺した。恐怖の無言。私の心を見透かそうとしている。その恐怖の無言を壊すために何故か私は2つ目の秘密もつぶやいていた。
「あとさ....彼、私の年齢と近い...”子供”がいるんだって..」
また、私は俯いた。母からはすすり声が聞こえた。そして、しばらくして私の前から静かに立ち去った。私の目にも静かに雨が流れていた。この時初めて自分の気持ちに気付いた。彼のことを愛しているんだ。それと同時に自分の本当の気持ちを隠していたんだと。
次の日、この日は休日だった。
母は昼ご飯を食べた後、私に冷静に聞いた。
「あなたは、彼の人生を背負っていけるの?」
私の心はグチャグチャで何も言えなかった。それに対して、母は追いうちをかけるように言った。
「彼と別れる気はないの...」
私は静かに首を縦に振った。私の母はその動作を見て、私よりも声をあげて泣いて耳に残るくらい大きな声で私にまくしたてた。
「もし、彼と..これからも.....付き合い続け.るなら、どこへでも.勝手に行き..なさい。あなた..と絶縁します。向こうの家に...でも住めばいいじゃない。あなた、彼と..付き合ってい..る事が異常なの分からないの...」
母はそう言うと我に返ったか嵐が去ったように静かになった。私は顔をあげられなかった。
しばらくして、母は先ほどとは対照的に猫を撫でるような声で私に語りかけた。
「今日に今日決断ださなくてもいいからね。友達にも相談してみな。でも、もしこれからも付き合うなら将来についても考えるんだよ。さっき言ったことは私の本心でもあるのだから。」
そういうと、母は重い腰をあげ、TVをつけた。
0
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
嘘をつく唇に優しいキスを
松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。
桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。
だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。
麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。
そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる