人生を斜交いに生きた男 実話

人生を斜交いに生きた男 実話 ４９

子分の社員でも同行するのかと気を揉んでいたが、それと部長の酒好きは調べていたので、日本酒を頼み
　「乾杯、、、」
　「然し小田みたいなんは今迄は居なかったで」
　「はぁー」
　大方の人は部長の小指が根元から欠損してるのを見ると黙ってしまうのだ。そこを見込まれて部長の椅子に座っているのだ。
　私は別にこういうのは全く動じないしヤクザであれホワイトカラーであれ悪は悪、善は善。弁護士、医師でも悪はいる。
　それと正義漢も強いのと、親も兄弟も不明なので誰に気兼ねも要らない一匹狼なので怖い物は無しである。
　部長に本音を
　＝売られた喧嘩は買うで＝
　方法の内容はボカして近々本社に乗り込むが、社長のいる曜日と時間を聞き出し、本社に乗り込んだ時は一応部長の顔を立てる段取りとして部長の阻止を無視して強引に社長室に突入する事にした。
　部長もいつかこんな日が来るのではと危機感があり改善する良い機会になるのではと陰ながら応援すると握手をして別れた。
　次の日、新事業所には休むと一言入れといた。無断欠勤で首にならない為に。
　昼頃に文房具屋に行きＢ４のコピー用紙１束買込み、百均で墨汁、筆を買い足して家に帰り要望書の下書き、手直しをしたりで。
　　　　　《　内部告発書　》
　この度の件は不合理で断じて承服しかねる。社員を酷使し、不当な搾取の金で会長は愛人４人も囲い、、、
　次に昼勤の人を強制的に深夜勤務に就かせ居眠り運転により死亡事故を２件発生させ、その補償も些少でまるで犬死扱い、、云々。

　話し合いがこじれた時は世間に公にして判断を仰ぐのでと締めくくり、一枚だけ墨で手書きして５枚程コピーをした。準備完了だ。
　後は私の芝居力とハッタリにかかってくる。
　さて明日はいざ本番。ワクワクしてきた。吉か凶か⁉️一抹の不安は、私はどうなってもいいが彼女に危害が及ばないかと、ましてや元ヤクザが６人も雇われているので、この人達がどう出てくるか？
　彼女も半ば面白がって
　「さて、どう出てくるかね⁈」
　彼女には私の生い立ちを全て話しているので同情からか⁈良き理解者であり協力者で感謝している。　　続く