人生を斜交いに生きた男 実話

人生を斜交いに生きた男 実話 ５３

１か月後、この金で西日本一周を思い立ち、それも原付バイクで彼女に相談したら意外にもあっさり承諾してくれた。
　色々準備に、何しろ原付なので荷物も最小限に絞り、携帯用のガソリンタンクも用意して、田舎の山中でガス欠にならない為にも。
　３月１５日いざ出発。
　まだまだ肌寒い中、高速道路は走行出来ないので国道１号、２号線を舐めるように走った。エンジンが焼けないように休み休み、、、街中みたいにガソリンスタンドが都合よく見つからないので一回やり過ごすと全く無かったりと。夜は田舎の軒下で野宿したり、当時はユースホテルもあったり安価な宿を選んだりしたが、有名な観光地ではそうもいかず高いとこを渋々泊まり、大雨の時は連泊したり４６日間掛けて小豆島から神戸に帰宅した。総額約５２万円使っていた。
　人生ガツガツ働くばかりで無く、たまには息抜き、充電もしないと、、、
　旅行から帰って暫くはブラブラしていたがここで事件が起きたのだ。
　彼女の元不倫相手の店長がある朝、朝の挨拶の声が小さいと怒り社員２人に手を出してしまったのだ。余程前夜嫌な事が有ったのか！女に振られたのか、二日酔いも重なったのか軽く殴ったつもりが空手の段持ちが災いをしたのか、思ったよりも重症に。１人は網膜剥離、１人はアゴの骨にヒビが入り、それを聞いた俺は
　～こいつは一発、活を入れたろか～
　過去に彼女が貢いだ分もあるし、密かに案を練った。但し彼女に内緒でやる事にした。
　相手がビッグな程、世間体を気にするので料理がしやすい。
　俺は時間があるので２日程考え、自分なりにシュミレーションを組んだ。
　翌朝１１時過ぎに○○デパートに電話を
　「もしもし、おはようございます○○神戸店です」
　「ああ、おはようさんです。少し込み入った話なので分かる人には変わってくれるか！」
　「はい、どう言った内容でしょうか？」
　「だからクレーム担当とかいるやろう」
　少し声を荒げた。
　「ですから内容によりますので」
　ははぁここである程度ふるいにかけるつもりやな
　「お宅のテナントの店長が社員に傷害事件を起こしているんやヮ」
　「はぁ⁈少しお待ちください」
　定番のオルゴール音が、、、３０秒程経って　　　続く
　「