人生を斜交いに生きた男 実話

人生を斜交いに生きた男 実話 ５９

お色気作戦に負けて外交員と不倫に陥り、お互いの家庭が破綻し転落していった支店長もいたり、外交員の主人が会社に乗り込んで修羅場になったり。逆に石頭の支店長もいたり、中々公正な采配が出来る支店長は少ないのが現実だ。
　大方の新人はネタが切れたら辞めていくが、本気でこの業界に残る人は、まず他人からコツコツと地道に種蒔き活動をして、信頼を得て契約に結びつけたり、或いは大きな組織に加入したり
　［宗教、同窓会、婦人会、サークル等々』
　紹介を貰ったりと、強化月間とかでやも得ない場合は身内を頼るが、初めから安易な契約に走るとガス欠になりエンストを起こし潰れて辞めていくのだ。
　本気でこの業界で生き残る人の確率は５０人に１人居ればいい方だ。よって新人をどんどん入れては身内の縁故であれ契約を７～８件取れれば儲かるのだ。人を育成する能力もないのでこの方法で逃げているのだ。
　そういう私は身内とかの縁故が無いので自力でコツコツとそこそこの契約は取っていたが、余りにも現実のギャップが大きいのと会社のバックアップの脆弱にカチンと来てたので、朝礼の時に支店長に
　「何や、この対応は余りにもお粗末で講習と違いすぎるやないか」
　噛み付いたが、適当にあしらわれたので
　「オタクらは育成する能力が無いのだ」
　捨て台詞を言ってしまった。
　毎日、毎日がノルマとの闘いに将来の不安とか、それと幾ら優秀な功績を残しても幹部登用の道が閉ざされていると分かり一気にやる気を無くしたのだ。この件を朝礼の時に皆んなの前で優秀な人は幹部になれるんですか？」
　「その話は又後でと」
　交わされたので後日支店長に詰め寄ったら、外交員から幹部はあり得ないと冷たくあしらわれたので捨て台詞に
「合宿の講師は机上空論で全くの説得力が無い。実際に鞄を持って契約を取ってから話すのが筋道やろう。上がバカだと下まで疲れるし。この話支店長会議で発表し、生の声を届けるのも支店長の仕事だろう。何なら私が言ってもいいが、、、」
　今迄正面から噛み付いた人はいなかったようで驚いていた。私としては、どうせ使い捨てライターやし、長くいる訳でもないので、この話、先輩達が気になるのか？、又よく言ってくれたと結果の確認に来てたので
　「あんたら頑張ってゴマすっても何もなれへんで、使い捨てライターやし」
　力のある人を幹部に迎えると、今の幹部のレベルの低さを暴露して自分の身が危ないので馬鹿ばかりをハベらかせて威張っているのが銀行、保険会社、他の大手企業に多い。情けない。ゴマスリ人事が実情だ。　　続く