人生を斜交いに生きた男 実話

人生を斜交いに生きた男 実話 ６６

　３日後の晩此処で７時でよろしいでしょうか？」
　「そうか、３日後やな、分かった。今日は引き上げるが逃げるなよ。見張っているからな」
　「はい、あのう今日のお代は結構ですので」
　「あかん、きっちり払うで。無銭飲食でパクられたく無いしなぁー」
　次の日ママから山崎に電話があり、２人だけで会いたいと。然しタカシから強く注意されていたが、色気に負けて会ったのだ。
　山崎を陥落させたら逃げられるとしたたかな計算が、車の中で色香をフル回転させ、一物を口に咥えてあの男から手を引かそうと。
　「で、でも委任状書かされたし」　
　「エェー書いたのぉ　アカンもうあかんは、、、」
　色気作戦が使えないと分かると、さっさと身支度して車から降りた。
　その話を翌日会社で聞いたので、絶対タカシに言うなと。半殺しにあうどと釘を刺した。
　一方ママは最後の最後の手段としてタカシを口説く事に。電話を
　「何や！はぁ、あかんあかん。あんたの考えは見え見えやし。本性分かってていくアホはいないで」
　あーあ万事休すやは、いつかこの日が来るのではと内心ビクビクしていたが、、、

　一方タカシの女遍歴はまぁ極悪人に尽きる。まず、クラブやラウンジで働いている夜の世界の女性だけを狙うのでそこそこ美人が多い。将来自分の店を持ちたいと小金を貯めていそうな人を、、、それとパトロンや彼氏がいない空家の女性しか狙わないのだ。その前に軍資金を何かで工面して、神戸に住んでいるがわざわざ少し遠い車で３０分程の大阪の南の街を徘徊するのだ。
　地元神戸ではハッタリ、メッキが剥がれるので。
　適当な店を物色がてら下見をして、チェーン展開の店は避けて〈情報が共有されてバレやすいので〉一般的な店に当たりをつけて、まず外見から青年実業家に見せるので、スーツはアルマーニ、バッグはＧＵＣＣＩお洒落に纏めている。当たりの付けた店にふらりと入りカモになる女性がいるか探りを入れたり、マネージャーと仲良くなり、チップを握らせて空家の女性かを聞き出し、顔よりも要は小金を貯めているかを会話の中で上手く聞き出し、思惑が外れるとさっさと見切りをつけて第二候補に乗り換えるのだ。
　　　続く