22 / 170
3 依頼を受ける
21 特別報酬
しおりを挟む
いまさらだが、帰ってきてからずっと不思議だったことがある。
今朝、僕が開けたはずの穴が消え去っていた。魔法というのは便利なものだ……なんて言葉が言えたのならば、魔力の扱いがうまい僕がこんなにも苦労することはありえない。
ファンタジックな、床を一瞬にして直してしまうような呪文は存在しない。だからこそずっと不思議だった。
だがしかし、今はそんなことを聞けるような状況ではないということは百も承知だ。
「アニー……」
「お姉ちゃん……」
先ほどからずっとあんな感じで、二人は手を握ったまま見つめあっている。
ここまでくれば、姉妹以上の何かを感じざるを得ないのだが、他の役人たちは「またいつものだよ……」みたいなことを口々にして、普通に仕事に戻っているのだから実際のところはよくわからない。
未だに報酬すらもらえていないのだから困っている。
「ああなると、1時間はずっとあのままですよ」
隣の受けつけに座っていた若い男が、僕にそう耳打ちした。いまさらではあるのだが、役所の人たちはどうやら犬種に差別的な思考を持っていないようだ。それは非常にありがたい、有難いのだけれど、男に耳打ちされても何もうれしくない。
だけど、面と向かってそんなことを言えるはずもなく、僕は適当に「はあ、そうなのですか」と返答した。
彼女たちがどれぐらいで正気に戻るか、なんてことを聞かされたところで、僕の口から出るのはそれくらいだ。まあ気にはなっていたので、ありがたくないかと言えばもちろんありがたい。
だけどせっかくなら、二人がなぜそうしているのかを知りたいというのが正直なところだ。
「なんでも、二人は両親を亡くされてから、二人で生きてきただとか……」
男が続けて僕に耳打ちする。
どうして、男が僕の知りたいことをこうもたやすく理解して、それを教えてくれたのかはよくわからない。ただ、他人のプライバシーに関することを簡単に教えるのは役人として、いいや1人の人間としてどうかと思う。――人間じゃなく、獣人だけど。
「シェルム!」
「はい、ボスっ!」
シェルムと呼ばれたおしゃべりな男が、『ボス』と呼んだのは、受付のお姉さんだ。一時間待たずに、あっちの世界から帰ってきたようで、シェルムが勝手に自分たちのことを話したことに関して怒っているようだ。
「普通、人の秘密を勝手に話す? 話さないよねぇ、あなたそれでいつも国民の方々からクレームが来ているのよ。わかっているの?」
「わかっていますよ。ボス……今度からは気御付けるんで、大目に見てください。このとおりです!」
シェルムは両手を頭の上で合わせて、ひたすらに頭を下げる。それを見て、再びお姉さんは一目もはばからず怒っている様子だ。
人様の秘密を話すシェルムという男もだが、それよりも客の前で部下を叱りつけるお姉さんもどうかと思う。まあ役所なんてどこもこんなもんか。――そんなこと考えたら、きちんと仕事している人に対して失礼かな。
「それで、どうして二人で手を握りあっていたんです?」
役人二人組で盛り上がっているようだし、お姉さんと同じように正気を取り戻したアニーに聞いてみた。
「たった二人の家族ですから、お互いの進歩は褒めあうべきです」
真剣な眼差しでアニーはそう言った。
はい、全然答えになっていません。むしろ意味不明さがよりましたぐらいです。
「えっと……それでどうして手を?」
「特に意味はない。ただ単にいつもの癖でそうしていただけ」
淡々と言うアニーだが、彼女の表情を見るに、何か深い理由がありそうだ。
僕もちょっと気になったという程度だし、言いたくないというならそれ以上聞かないのが吉だろう。
「そ、そうなんですね。それより、僕もアニーさんって呼んでいいですか?」
話のそらし方へたくそか、僕は……どうして今、呼び方の話なんてしてしまったのだろう。全然そんな話、一ミリ足りとも出てなかったというのに。
「全然かまわないよ。私はウィークでもアニーでもどっちでもいいし」
そんなへたくそな会話運びに関わらず、アニーは普通に対応してくれた。
「ありがとうございます」
二重の意味で感謝だ。普通だったら、こんな意味不明なタイミングで名字ではなく名前を呼んでもいいかと聞かれれば、『え、なに? 気持ち悪いんだけど……』みたいな反応されても仕方がないくらいだ。
実際、僕はそんな感じのことを言われた記憶が残っている。それも転生した後でも残っているというしつこい前世の記憶だ。それだけ嫌な記憶だったということだ。なんて冗談を頭の中で誰かに向けて言ってみる……転生者だから前世の記憶はほとんどそのまま残っている。――忘れたくても忘れられないぐらいだ。
そんなことはどうでもよくて、アニーとの会話が途切れてしまった。
お姉さんはシェルムを説教しているし、ほかの役人たちは自らの仕事をしている。
今度は1人で放置されているというわけではないが、仕事でもなく女の子と2人で放置されるは初めての体験だ。実はこっちの方がよっぽど気まずいらしい。心臓の鼓動が早まるのが耳にまで聞こえている。
「あ、あの……」
耐え切れなくなった僕は、何か話題を振るべく口を開く。
しかしすぐに緊張が勝り、僕は口を開いたまま下を向いた。
落ち着け、彼女は僕よりも社交的ではない女の子だ。少なくとも、僕よりも口下手なはずだし、僕が多少なりともよくわからない話題を振っても特に何とも思わないはずだ。
それにあれだ。女の人と2人で話すなんて、昔の仕事では日常茶飯事だった。――あああとアレ、彼女は僕の言うことも聞かずつっぱしるような人だ。別に彼女に変な人だって思われても僕は何とも思わないはず。彼女のことを好きなわけでもないし、むしろ若干苦手なぐらいだ。
よし、大丈夫そうだ。
僕は自身の両頬を叩き、アニーの方を見直す。
アニーはポカンとした表情で僕を見つめている。そりゃそうだ。僕の心情を知ることが出来ない彼女にとっては、自分に話しかけてきた男が、話しかけてきておきながら下を向いて自分を叩き始めたところしか見えないのだから。
いやいや、余計なことは考えるな。話してしまえば、緊張なんて飛んでいく。いつものことだ。
「それにしてもあれですね。床治ったんですね?」
……どうして僕は今『床』の話なんてし始めるんだ。もっと重要なことがあるだろう。依頼の話とか、これからの話とか……
「うん、そうみたい。お姉ちゃんが言うには、所長が『お客様が危険な目にあったら全部張り替えてあげるよ』って言ってたらしいから……たぶんそれで直したんじゃないかな」
アニーは僕のどうでもいい質問に、真剣に答えてくれる。
クラフトを持てば性格が『アレ』になるが、普通に話している限りはいい子なのかもしれない。
「へえ、そうなんですね。役所の人たちも大変ですね」
客が危険な目に合う前に直してほしい。そうすれば僕があんな醜態をさらすこともなかった。
「もっと早く直してくれていれば、ケンさんが傷つくこともなかったのに……その節は本当に申し訳ございませんでした」
いつの間にか説教が終わったらしく、お姉さんが再びこちらに戻ってきた。シェルムという人は、挨拶すらなくどこかへ行ってしまったみたいだ。
たぶん、お姉さんに出て行くように言われたのだろう。あれだけしゃべり放題だった男が、何も言わずに去っていくわけがない。
そんな僕の思考を察してか、お姉さんは咳払いをする。
「それより、今回の報酬についてですが……」
そのまま、お姉さんは報酬について色々教えてくれた。
今回の報酬はあまり多くない。たかだか、少量の薬草をとってきた程度なのだから、あまり多くても後ろめたいのだが、それにしても少なすぎる。
三日程度の食費にしかならないぐらいに少額だ。お姉さんはインセンティブがどうだとか、イニシアティブがどうだとかそんなことを説明した。
要約するとこうだ。パーティーリーダーはメンバーよりも報酬が多いとかなんとか、そんなことを口にしたのだ。つまり、パーティーリーダーである僕の報酬は通常よりも多いということらしい。だが、8時間近くかけて得られたのは、三日分の食費……家賃すら稼ぐことは出来なかったということだ。
そりゃ、誰もこんな仕事を受けたがらないに決まっている。
命を危険にさらして、通常よりも安い給金支払われないのであれば、誰が冒険者になんてなる。誰もなるはずがない。
お姉さんが言うには、ボアの角を持って帰っていれば給金は今の5倍にはなったらしく、全身を持って帰っていれば10倍は下らないとのことだ。
どうやら僕の選択が間違っていたらしい。やはり一番重要なのは、先行投資ということだ。明日からはもっと準備をしてから依頼を受けることにしよう。そうしないと、いつまでたっても貧乏生活を送ることになる。
「気を落とさないでください。今回は特別報酬もありますから……」
気落ちしていた僕に、お姉さんは気になる言葉を投げかけた。
「特別報酬ですか?」
「アニーを同行者として連れて行くというのも依頼です。その依頼を達成したからには、それ相応の報酬があるべきですよね?」
そう言われても、僕は全然彼女に対して何かしてやったような気がしない。むしろいてもいなくても、さほど変わらなかったとさえ思う。
「もらえませんよ。別に何もしていませんし」
「そうはいきません。神様のし……いいえ、私の妹を助けてくれたんですから、きちんと報酬は払います」
お姉さんは僕の手を無理やり開いて、特別報酬とやらを握らせた。
「……そういうことなので、明日以降もよろしくお願いします」
僕にお金を握らせると同時に、お姉さんは耳元でそんなことをつぶやいた。
釈然としないが、どうやら僕は賄賂を受け取ってしまったらしい。役所を出て行く僕に対して、姉妹二人で大手を振って見送ってくれるが、それがかえってあざとく感じる。
明日以降、どうなるかが心配だ。
今朝、僕が開けたはずの穴が消え去っていた。魔法というのは便利なものだ……なんて言葉が言えたのならば、魔力の扱いがうまい僕がこんなにも苦労することはありえない。
ファンタジックな、床を一瞬にして直してしまうような呪文は存在しない。だからこそずっと不思議だった。
だがしかし、今はそんなことを聞けるような状況ではないということは百も承知だ。
「アニー……」
「お姉ちゃん……」
先ほどからずっとあんな感じで、二人は手を握ったまま見つめあっている。
ここまでくれば、姉妹以上の何かを感じざるを得ないのだが、他の役人たちは「またいつものだよ……」みたいなことを口々にして、普通に仕事に戻っているのだから実際のところはよくわからない。
未だに報酬すらもらえていないのだから困っている。
「ああなると、1時間はずっとあのままですよ」
隣の受けつけに座っていた若い男が、僕にそう耳打ちした。いまさらではあるのだが、役所の人たちはどうやら犬種に差別的な思考を持っていないようだ。それは非常にありがたい、有難いのだけれど、男に耳打ちされても何もうれしくない。
だけど、面と向かってそんなことを言えるはずもなく、僕は適当に「はあ、そうなのですか」と返答した。
彼女たちがどれぐらいで正気に戻るか、なんてことを聞かされたところで、僕の口から出るのはそれくらいだ。まあ気にはなっていたので、ありがたくないかと言えばもちろんありがたい。
だけどせっかくなら、二人がなぜそうしているのかを知りたいというのが正直なところだ。
「なんでも、二人は両親を亡くされてから、二人で生きてきただとか……」
男が続けて僕に耳打ちする。
どうして、男が僕の知りたいことをこうもたやすく理解して、それを教えてくれたのかはよくわからない。ただ、他人のプライバシーに関することを簡単に教えるのは役人として、いいや1人の人間としてどうかと思う。――人間じゃなく、獣人だけど。
「シェルム!」
「はい、ボスっ!」
シェルムと呼ばれたおしゃべりな男が、『ボス』と呼んだのは、受付のお姉さんだ。一時間待たずに、あっちの世界から帰ってきたようで、シェルムが勝手に自分たちのことを話したことに関して怒っているようだ。
「普通、人の秘密を勝手に話す? 話さないよねぇ、あなたそれでいつも国民の方々からクレームが来ているのよ。わかっているの?」
「わかっていますよ。ボス……今度からは気御付けるんで、大目に見てください。このとおりです!」
シェルムは両手を頭の上で合わせて、ひたすらに頭を下げる。それを見て、再びお姉さんは一目もはばからず怒っている様子だ。
人様の秘密を話すシェルムという男もだが、それよりも客の前で部下を叱りつけるお姉さんもどうかと思う。まあ役所なんてどこもこんなもんか。――そんなこと考えたら、きちんと仕事している人に対して失礼かな。
「それで、どうして二人で手を握りあっていたんです?」
役人二人組で盛り上がっているようだし、お姉さんと同じように正気を取り戻したアニーに聞いてみた。
「たった二人の家族ですから、お互いの進歩は褒めあうべきです」
真剣な眼差しでアニーはそう言った。
はい、全然答えになっていません。むしろ意味不明さがよりましたぐらいです。
「えっと……それでどうして手を?」
「特に意味はない。ただ単にいつもの癖でそうしていただけ」
淡々と言うアニーだが、彼女の表情を見るに、何か深い理由がありそうだ。
僕もちょっと気になったという程度だし、言いたくないというならそれ以上聞かないのが吉だろう。
「そ、そうなんですね。それより、僕もアニーさんって呼んでいいですか?」
話のそらし方へたくそか、僕は……どうして今、呼び方の話なんてしてしまったのだろう。全然そんな話、一ミリ足りとも出てなかったというのに。
「全然かまわないよ。私はウィークでもアニーでもどっちでもいいし」
そんなへたくそな会話運びに関わらず、アニーは普通に対応してくれた。
「ありがとうございます」
二重の意味で感謝だ。普通だったら、こんな意味不明なタイミングで名字ではなく名前を呼んでもいいかと聞かれれば、『え、なに? 気持ち悪いんだけど……』みたいな反応されても仕方がないくらいだ。
実際、僕はそんな感じのことを言われた記憶が残っている。それも転生した後でも残っているというしつこい前世の記憶だ。それだけ嫌な記憶だったということだ。なんて冗談を頭の中で誰かに向けて言ってみる……転生者だから前世の記憶はほとんどそのまま残っている。――忘れたくても忘れられないぐらいだ。
そんなことはどうでもよくて、アニーとの会話が途切れてしまった。
お姉さんはシェルムを説教しているし、ほかの役人たちは自らの仕事をしている。
今度は1人で放置されているというわけではないが、仕事でもなく女の子と2人で放置されるは初めての体験だ。実はこっちの方がよっぽど気まずいらしい。心臓の鼓動が早まるのが耳にまで聞こえている。
「あ、あの……」
耐え切れなくなった僕は、何か話題を振るべく口を開く。
しかしすぐに緊張が勝り、僕は口を開いたまま下を向いた。
落ち着け、彼女は僕よりも社交的ではない女の子だ。少なくとも、僕よりも口下手なはずだし、僕が多少なりともよくわからない話題を振っても特に何とも思わないはずだ。
それにあれだ。女の人と2人で話すなんて、昔の仕事では日常茶飯事だった。――あああとアレ、彼女は僕の言うことも聞かずつっぱしるような人だ。別に彼女に変な人だって思われても僕は何とも思わないはず。彼女のことを好きなわけでもないし、むしろ若干苦手なぐらいだ。
よし、大丈夫そうだ。
僕は自身の両頬を叩き、アニーの方を見直す。
アニーはポカンとした表情で僕を見つめている。そりゃそうだ。僕の心情を知ることが出来ない彼女にとっては、自分に話しかけてきた男が、話しかけてきておきながら下を向いて自分を叩き始めたところしか見えないのだから。
いやいや、余計なことは考えるな。話してしまえば、緊張なんて飛んでいく。いつものことだ。
「それにしてもあれですね。床治ったんですね?」
……どうして僕は今『床』の話なんてし始めるんだ。もっと重要なことがあるだろう。依頼の話とか、これからの話とか……
「うん、そうみたい。お姉ちゃんが言うには、所長が『お客様が危険な目にあったら全部張り替えてあげるよ』って言ってたらしいから……たぶんそれで直したんじゃないかな」
アニーは僕のどうでもいい質問に、真剣に答えてくれる。
クラフトを持てば性格が『アレ』になるが、普通に話している限りはいい子なのかもしれない。
「へえ、そうなんですね。役所の人たちも大変ですね」
客が危険な目に合う前に直してほしい。そうすれば僕があんな醜態をさらすこともなかった。
「もっと早く直してくれていれば、ケンさんが傷つくこともなかったのに……その節は本当に申し訳ございませんでした」
いつの間にか説教が終わったらしく、お姉さんが再びこちらに戻ってきた。シェルムという人は、挨拶すらなくどこかへ行ってしまったみたいだ。
たぶん、お姉さんに出て行くように言われたのだろう。あれだけしゃべり放題だった男が、何も言わずに去っていくわけがない。
そんな僕の思考を察してか、お姉さんは咳払いをする。
「それより、今回の報酬についてですが……」
そのまま、お姉さんは報酬について色々教えてくれた。
今回の報酬はあまり多くない。たかだか、少量の薬草をとってきた程度なのだから、あまり多くても後ろめたいのだが、それにしても少なすぎる。
三日程度の食費にしかならないぐらいに少額だ。お姉さんはインセンティブがどうだとか、イニシアティブがどうだとかそんなことを説明した。
要約するとこうだ。パーティーリーダーはメンバーよりも報酬が多いとかなんとか、そんなことを口にしたのだ。つまり、パーティーリーダーである僕の報酬は通常よりも多いということらしい。だが、8時間近くかけて得られたのは、三日分の食費……家賃すら稼ぐことは出来なかったということだ。
そりゃ、誰もこんな仕事を受けたがらないに決まっている。
命を危険にさらして、通常よりも安い給金支払われないのであれば、誰が冒険者になんてなる。誰もなるはずがない。
お姉さんが言うには、ボアの角を持って帰っていれば給金は今の5倍にはなったらしく、全身を持って帰っていれば10倍は下らないとのことだ。
どうやら僕の選択が間違っていたらしい。やはり一番重要なのは、先行投資ということだ。明日からはもっと準備をしてから依頼を受けることにしよう。そうしないと、いつまでたっても貧乏生活を送ることになる。
「気を落とさないでください。今回は特別報酬もありますから……」
気落ちしていた僕に、お姉さんは気になる言葉を投げかけた。
「特別報酬ですか?」
「アニーを同行者として連れて行くというのも依頼です。その依頼を達成したからには、それ相応の報酬があるべきですよね?」
そう言われても、僕は全然彼女に対して何かしてやったような気がしない。むしろいてもいなくても、さほど変わらなかったとさえ思う。
「もらえませんよ。別に何もしていませんし」
「そうはいきません。神様のし……いいえ、私の妹を助けてくれたんですから、きちんと報酬は払います」
お姉さんは僕の手を無理やり開いて、特別報酬とやらを握らせた。
「……そういうことなので、明日以降もよろしくお願いします」
僕にお金を握らせると同時に、お姉さんは耳元でそんなことをつぶやいた。
釈然としないが、どうやら僕は賄賂を受け取ってしまったらしい。役所を出て行く僕に対して、姉妹二人で大手を振って見送ってくれるが、それがかえってあざとく感じる。
明日以降、どうなるかが心配だ。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる
初
ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。
レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。
これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
『5階にトラック突撃!?ポンコツ女神の使役権と地球通販を得た医学生、辺境の村でワスプ薙刀と現代医療を駆使し最強防衛ライフを始める』
月神世一
ファンタジー
マンションの5階でカレーを作っていたら、なぜかトラックが突っ込んできた件。
外科医を目指す医学生・中村優太(24)は、特製の絶品バターチキンカレーを食べる寸前、マンションの「5階」に突撃してきた理不尽なトラックによって命を落としてしまう。
目を覚ますと、そこはコタツでカップ麺を啜るジャージ姿の駄女神・ルチアナの部屋だった。
「飲み会があるから定時で帰りたい」と適当な理由で異世界転移をさせられそうになる優太だったが、怒りのガラポン抽選でユニークスキル【地球ショッピング】と【女神ルチアナこき使い権】を引き当てる!
かくして、ポンコツ女神を強制連行して剣と魔法の世界『アナステシア』に降り立った優太。
しかし、彼にはただのチートスキルだけではない、元SEALs直伝の「CQB(近接戦闘術)」、有段者の「薙刀術」、そして何より「現代医療の知識」があった――!
降り立った辺境のポポロ村で彼を待っていたのは、クセが強すぎる住人たち。
キャルル: マッハの飛び蹴りを放つ、ファミレス大好きなウサ耳村長。
リーザ: タダ飯とポイ活に命を懸ける、図太すぎる地下アイドル人魚。
ルナ: 善意で市場や生態系を破壊する、歩く大災害の天然エルフ。
ルチアナ: 優太のポイントでソシャゲ課金と酒を目論む、労働拒否の駄女神。
優太は【地球ショッピング】で召喚した現代物資と、自身のサバイバル能力&薙刀術で野盗や魔物を無双! さらには特製のスパイスカレーで異世界人の胃袋を完全に掌握していく。
そして、村人に危機が迫った時。
優太の「絶対に命を救う」という善意の心が、奇跡の黄金ガチャを引き起こす……!
「俺は医者だ。この村の命も、平和な日常も、俺の戦術(スキル)で全部守り抜く!」
現代の【医療・戦術・料理】×【理不尽ギャグ】×【異世界サバイバル】!
凶悪な「ワスプ薙刀」を振るい、ヤバすぎる仲間たちと送る、最強医学生のドタバタ辺境防衛ライフが今始まる!
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる