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10 伝説の魔法
97 伝説の魔法使い 2
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『明日の朝、ケントニスをここへよこす』と言い残してリグダミスは店を去って行った。
展開が唐突すぎてついていくことすらままならない僕は、一応、話を理解しているであろうイチゴに話を聞く。
「それで、ケントニスさん……? って方は結局のところ何者なんですか?」
伝説の魔法使いだとか、英雄だとかは話には出たわけだから、おそらくものすごくすごい人物だという事は分かる。だが、リグダミスが言い残した人物像から考えてみると、やはりイマイチぴんと来ない。
「私の元仲間だ。天才……と呼べるほど秀でた人間ではなかったが、あいつはある意味では天才を超えた秀才だ。元私のパーティだった人間の中ではもっとも秀でた知恵者だったと言っても過言ではない」
彼女にそこまで言わせる人物となると、やはり相当素晴らしい獣人なのだろう。
だがしかし、やはりその人物個人のことはあまりわからない。
「どんな人なんです?」
「一言で言うなら……変人。まあいい意味でだが、それでも教鞭をとれるような性格ではないのは確かだ。一体、あいつをどうやって言いくるめるつもりなんだ。リグダミスのやつは……」
大きなため息をついてぶつくさとイチゴはつぶやく。
なるほど、やっぱり何一つわからない。変人と天才……そもそもその二つは紙一重であり、変人は天才であり、天才は変人であるというのが僕の結論だ。今回の一件でもその結論が覆るようなことはないだろう。つまり、情報はいまだにひとつしか得られていないという事だ。
「なるほど……」
肩を大きく落とす。
それでもまあ、リグダミスに修行をつけられるよりかははるかにマシなはずだ。
傲慢知己な人間から教わるというのは、はらわたが煮えくり返るのをひたすら耐え忍ぶのと同じで、ストレスがたまり効率は遥かに悪い。出来れば、自分と相性が良い人物に教わった方が早く覚えられるものだ。たぶん。
「もしあいつがお前に教える気になったとしても、あまり大きな期待はしない方がいい。リグダミスが教えるよりかははるかに楽だとは思うが、天才というのはいつも自分が理解できることを他人が理解できないことを理解できない」
イチゴは早口でよくわからないことを言う。
「え? なんです?」
まるで早口言葉みたいなことを言われた気がする。早口で言われすぎて、言葉の意味が理解できなかったのかもしれない。理解できるとか、出来ないとか言われた気がするが……結局どっちなのだろう。
「まあ、あえば嫌でもあいつのことが理解できる。理解できないってことがな」
「理解できるんですか? できないんですか?」
「どっちも同じだ。実力がけた違いに強い存在の力を理解できないように、知能がけた違いにすごい人間の頭の中を理解することは出来ないってことだ。その理不尽さを嫌ってほど思い知らされる」
なるほど、つまりあれか『IQが20離れていると会話が成立しない』というやつのことだ。
確かにそれは前世でも経験済みだ。前世では高IQの人と会話していた時に思ったことで、こっちでは村の人間たちと会話が成立しないことがあった。
だがしかし、頭のいい人間というのは、僕たちのような平凡な人間に対してわかるように言葉を選んでくれた利もする。だから話を全く理解できないという事はないはずだ。
「性格もあまりよくないってことですか?」
そうなると言葉が全く理解できないとなると、合わせる気が待ったくないという事になる。
「いいや……私はあいつほど良いやつに会ったことはないと断言できるよ……おそらくアルタよりも性格がいい」
「勇者を超える性格の良さ……」
それなのに話を理解できないって、それはもうIQ20差どころか、IQ100差ぐらいあるという事なのだろうか? いくら性格の良い獣人であったとしても、そんな人とは会いたくない気もするのだが……
「勘違いしないように言っておくが、あいつがお前に会ってくれるというなら会っておいた方がいい。魔力も腕力もないが、魔法使いとしてはお前より数段上だ。お前の力を底上げしてくれるだろう」
「会話が成立しなくてでもですか?」
「ああ。まあ、全く会話が成立しないというわけではなく、言っている意味がよくわからないってだけなんだがな」
終始、イチゴの言っている言葉の意味は理解できなかったが、ともかくケントニスという人物が僕よりも遥かに優れた獣人であるという事は理解できた。
展開が唐突すぎてついていくことすらままならない僕は、一応、話を理解しているであろうイチゴに話を聞く。
「それで、ケントニスさん……? って方は結局のところ何者なんですか?」
伝説の魔法使いだとか、英雄だとかは話には出たわけだから、おそらくものすごくすごい人物だという事は分かる。だが、リグダミスが言い残した人物像から考えてみると、やはりイマイチぴんと来ない。
「私の元仲間だ。天才……と呼べるほど秀でた人間ではなかったが、あいつはある意味では天才を超えた秀才だ。元私のパーティだった人間の中ではもっとも秀でた知恵者だったと言っても過言ではない」
彼女にそこまで言わせる人物となると、やはり相当素晴らしい獣人なのだろう。
だがしかし、やはりその人物個人のことはあまりわからない。
「どんな人なんです?」
「一言で言うなら……変人。まあいい意味でだが、それでも教鞭をとれるような性格ではないのは確かだ。一体、あいつをどうやって言いくるめるつもりなんだ。リグダミスのやつは……」
大きなため息をついてぶつくさとイチゴはつぶやく。
なるほど、やっぱり何一つわからない。変人と天才……そもそもその二つは紙一重であり、変人は天才であり、天才は変人であるというのが僕の結論だ。今回の一件でもその結論が覆るようなことはないだろう。つまり、情報はいまだにひとつしか得られていないという事だ。
「なるほど……」
肩を大きく落とす。
それでもまあ、リグダミスに修行をつけられるよりかははるかにマシなはずだ。
傲慢知己な人間から教わるというのは、はらわたが煮えくり返るのをひたすら耐え忍ぶのと同じで、ストレスがたまり効率は遥かに悪い。出来れば、自分と相性が良い人物に教わった方が早く覚えられるものだ。たぶん。
「もしあいつがお前に教える気になったとしても、あまり大きな期待はしない方がいい。リグダミスが教えるよりかははるかに楽だとは思うが、天才というのはいつも自分が理解できることを他人が理解できないことを理解できない」
イチゴは早口でよくわからないことを言う。
「え? なんです?」
まるで早口言葉みたいなことを言われた気がする。早口で言われすぎて、言葉の意味が理解できなかったのかもしれない。理解できるとか、出来ないとか言われた気がするが……結局どっちなのだろう。
「まあ、あえば嫌でもあいつのことが理解できる。理解できないってことがな」
「理解できるんですか? できないんですか?」
「どっちも同じだ。実力がけた違いに強い存在の力を理解できないように、知能がけた違いにすごい人間の頭の中を理解することは出来ないってことだ。その理不尽さを嫌ってほど思い知らされる」
なるほど、つまりあれか『IQが20離れていると会話が成立しない』というやつのことだ。
確かにそれは前世でも経験済みだ。前世では高IQの人と会話していた時に思ったことで、こっちでは村の人間たちと会話が成立しないことがあった。
だがしかし、頭のいい人間というのは、僕たちのような平凡な人間に対してわかるように言葉を選んでくれた利もする。だから話を全く理解できないという事はないはずだ。
「性格もあまりよくないってことですか?」
そうなると言葉が全く理解できないとなると、合わせる気が待ったくないという事になる。
「いいや……私はあいつほど良いやつに会ったことはないと断言できるよ……おそらくアルタよりも性格がいい」
「勇者を超える性格の良さ……」
それなのに話を理解できないって、それはもうIQ20差どころか、IQ100差ぐらいあるという事なのだろうか? いくら性格の良い獣人であったとしても、そんな人とは会いたくない気もするのだが……
「勘違いしないように言っておくが、あいつがお前に会ってくれるというなら会っておいた方がいい。魔力も腕力もないが、魔法使いとしてはお前より数段上だ。お前の力を底上げしてくれるだろう」
「会話が成立しなくてでもですか?」
「ああ。まあ、全く会話が成立しないというわけではなく、言っている意味がよくわからないってだけなんだがな」
終始、イチゴの言っている言葉の意味は理解できなかったが、ともかくケントニスという人物が僕よりも遥かに優れた獣人であるという事は理解できた。
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