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10 伝説の魔法
124 才能の使い方19
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まあケントニスの言い方はちょっと侮蔑的ではあるが、まともな言葉に直すなら方法はいくらでもあるのだから少しは自分で考えろと言う意味なのだろう。全く持ってその通りだ。やったこともなく、経験則に基づく予測でもなく最初から単に否定するだけでは意味がない。
何事も実践して失敗して、そして人は成長していくものだろう。最初から答えを教えてもらおうだなんて考えが甘すぎると言われても仕方のないことだ。
こうなったら、頭をひねって無理やりにでも解答をひねり出してやろうと考えていた。
「もちろん、ケン君の言うとおり普通の獣人にそんなことは出来るはずがない……君の言うとおり喜怒哀楽を使い分けるという点においてはね」
クスクスと悪戯っぽい笑みを浮かべて、ケントニスは僕を混乱させる言葉を口にした。
思考を巡らせようとしたタイミングでこれだ。ようやく気が付いたが、彼女との会話では本気になってはいけない。おそらくだが、彼女は僕の感情をコントロールしようとしている。だから、僕を困惑させるようなことを何度も繰り返しているわけだ。
そのことが理解できたからといって、どうすることも出来ないわけであり、結局のところは彼女に翻弄される人形が僕なのだろう。
「つまりは、使い分ける必要はないという事ですか?」
「そうだね。そもそも、感情を使い分けるなんて不可能だ。怒りを抱いた後で喜びを抱ける状況なんて稀有だし、それを疑似的に作りだせたとしてもそれは『嘘』になるよね! もし仮に、自分の脳をその『嘘』で騙せたとしても……心まではだますことが出来ないよ!」
ようやくちゃんとした問答になった気がする。といっても、彼女の言葉を理解できたかというと、そこまではいってないけど。いいや、今思えば、彼女は最初から僕がまともな返答をしたときにはきちんと言葉で返してくれていた気がする。
単なる質問ではなく、自分の頭で考えたうえでの解答を彼女は求めているという事なのだろうか。
ケントニスは有意義な質問を待っている……と。
彼女の顔をまじまじと見つめてみるが、特に表情に変化はない。ただ彼女の瞳はしっかりと僕を捕らえているような気がする。気がするだけだけど。
「つまり、感情をコントロールするというのは、感情の強弱をコントロールするということなんですね?」
「ようやく正解に近づいた! ケン君は他の人よりかは幾分か理解力が高いようだね。と言っても、その分、不勉強でもあるけど……ちょっと恩恵に頼りすぎかな? こんなことあんまり大きな声では言えないけど、『神の使徒』としての恩恵はそれほど便利なものではないし、君が思っているほどチート的なものでもないんだよ! まあ、他の人と違って最初からきっかけが与えられているという点では、ある意味天才的ではあるけど、ただそれだけだ! それは単なる才能に過ぎないのだよ!」
予想外の言葉に、僕はほんの少しだけ条件的に反応してしまう。
どうして彼女、ケントニスが『使徒』という役職を知っているのだろう。いいや、彼女は最初から女神の存在を示唆していたり、僕の恩恵のこととか思わせぶりなことを口にしていた。だけどそれは何となく察することが出来る範疇のことであり、驚愕するようなことではない。だけど、『使徒』という言葉に関しては別だ。それを知っているのは、ウィークの姉妹である受付のお姉さんだけで、他には誰も知らないはずだ。お姉さんのあの様子から、誰かに話したという事もまずないと思っていた。それなのに彼女はその言葉を知っている。
何事も実践して失敗して、そして人は成長していくものだろう。最初から答えを教えてもらおうだなんて考えが甘すぎると言われても仕方のないことだ。
こうなったら、頭をひねって無理やりにでも解答をひねり出してやろうと考えていた。
「もちろん、ケン君の言うとおり普通の獣人にそんなことは出来るはずがない……君の言うとおり喜怒哀楽を使い分けるという点においてはね」
クスクスと悪戯っぽい笑みを浮かべて、ケントニスは僕を混乱させる言葉を口にした。
思考を巡らせようとしたタイミングでこれだ。ようやく気が付いたが、彼女との会話では本気になってはいけない。おそらくだが、彼女は僕の感情をコントロールしようとしている。だから、僕を困惑させるようなことを何度も繰り返しているわけだ。
そのことが理解できたからといって、どうすることも出来ないわけであり、結局のところは彼女に翻弄される人形が僕なのだろう。
「つまりは、使い分ける必要はないという事ですか?」
「そうだね。そもそも、感情を使い分けるなんて不可能だ。怒りを抱いた後で喜びを抱ける状況なんて稀有だし、それを疑似的に作りだせたとしてもそれは『嘘』になるよね! もし仮に、自分の脳をその『嘘』で騙せたとしても……心まではだますことが出来ないよ!」
ようやくちゃんとした問答になった気がする。といっても、彼女の言葉を理解できたかというと、そこまではいってないけど。いいや、今思えば、彼女は最初から僕がまともな返答をしたときにはきちんと言葉で返してくれていた気がする。
単なる質問ではなく、自分の頭で考えたうえでの解答を彼女は求めているという事なのだろうか。
ケントニスは有意義な質問を待っている……と。
彼女の顔をまじまじと見つめてみるが、特に表情に変化はない。ただ彼女の瞳はしっかりと僕を捕らえているような気がする。気がするだけだけど。
「つまり、感情をコントロールするというのは、感情の強弱をコントロールするということなんですね?」
「ようやく正解に近づいた! ケン君は他の人よりかは幾分か理解力が高いようだね。と言っても、その分、不勉強でもあるけど……ちょっと恩恵に頼りすぎかな? こんなことあんまり大きな声では言えないけど、『神の使徒』としての恩恵はそれほど便利なものではないし、君が思っているほどチート的なものでもないんだよ! まあ、他の人と違って最初からきっかけが与えられているという点では、ある意味天才的ではあるけど、ただそれだけだ! それは単なる才能に過ぎないのだよ!」
予想外の言葉に、僕はほんの少しだけ条件的に反応してしまう。
どうして彼女、ケントニスが『使徒』という役職を知っているのだろう。いいや、彼女は最初から女神の存在を示唆していたり、僕の恩恵のこととか思わせぶりなことを口にしていた。だけどそれは何となく察することが出来る範疇のことであり、驚愕するようなことではない。だけど、『使徒』という言葉に関しては別だ。それを知っているのは、ウィークの姉妹である受付のお姉さんだけで、他には誰も知らないはずだ。お姉さんのあの様子から、誰かに話したという事もまずないと思っていた。それなのに彼女はその言葉を知っている。
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