先生と僕

真白 悟

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「大変でしたね……?」
 姉妹が去ったあと、部屋に残っているのは僕と先生だけだ。
 ともかく、本当に騒がしい妹だった。あんな妹が家族だったら楽しい家庭になるんだろうが……毎日は気疲れしそうだ。

「いつものことよ」

 先生は面倒くさそうにつぶやいた。

「いつもって、まさか……担任なんですか?」
 あんなのがクラスにいたら、クラスの風紀が乱れてしまうことだろう。
「そうね……それだったらなのは当たり前でしょうね……」
「てことは、違うんですか?」
「私はクラスを受け持ってないからね」
 大きなため息とともに、先生の顔からは疲れが見られた。
 毎日職員室に来るってことなのだろう。何とも変な生徒だ。教師という職業も大変だな。いや、まてよ――

「――先生、僕も毎日会いに行ってもいいですか!」

 そんな手があったとは、盲点だった。
「はぁ、本当に教師って大変なのよね。教師になんてなるんじゃなかった」
 先生は疲れているようで、顔を机に伏せる。
 僕も先生の意見には半分同意だ。
「先生が教師じゃなかったら、正式にお付き合いできますもんね!」
「あのね……」
 なんて怒りをあらわにする先生だが、そこまで嫌そうな顔していないのが意外だった。
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