先生と僕

真白 悟

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なんのため

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「なにを驚いているの?」

 彩錦あかねは不思議そうに僕を見つめている。
 むしろ、この状況で驚かない奴なんて存在しないだろう。突然、人が目の前に現れたのだから。

「いつからいた?」
「最初から」

 最初からというのは、職員室を出た時からということだろい。恐るべし、ロリっ子。ロリじゃないけど。
「小さくて見えなかった」
「ぶっ飛ばすぞ、変態野郎!」
 思いっきり、左頬を殴り飛ばされて、僕は後ろに吹き飛んだ。
 吹き飛ばされてからそんなことを言われてもなぁ。

「痛え……なにするんだよ! 彩錦あかね!?」

 僕じゃなかったら死んでいたぞ。たぶん。

「ダメですよ、小さい子に小さいなんて言っては」
 あずさよ、それは一文で矛盾しているよ。
「お姉ちゃん! 怒るよ!」
 彩錦あかねは涙目ながらにあずさに詰め寄る。
 仲の良い姉妹でも、『小さい』という言葉は禁句らしい。
 なんだか、殴られ損な気もするけど、まあいいとしよう。
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