112 / 369
8
貧血
しおりを挟む
結果から言うと、僕の症状はすべて貧血からくるものだった。
おそらく、最初に鼻血が出た時点から、血が足りていなかったのだろう。そこに、あの大量出血だ。血が足りなくなるのも頷ける。
「たいした病気じゃなくてよかった」
先生が安堵したように小さく息を吐いた。
「ご迷惑おかけしました」
ベットに横たわる僕は、腕につながれた点滴を気にしながら、小さく頭を下げた。
貧血で点滴なんて大げさかもしれないが、まあ、医者が必要だというで仕方がない。
「2人には私から伝えておくわ。入院する必要があるらしいから、テストには間に合わないかもしれないけど、それもなんとかするから」
本当に先生には頭が上がらない。
何度頭を下げても下げたりないくらいだ。
「ありがとうございます」
ベットから起き上がり、再び頭を下げた。
「いいから、横になっておきなさい」
先生は慌ててが起き上がるのを制止した。
「家族の方にご連絡したから、すぐにくるとは思うわ。だから、私はもう帰るわね?」
先生は立ち上がって身支度をする。
本当はもっと一緒にいてほしい、だけど、こんな時ばかり本音を口にできない自分が情けない。
「あの……」
僕の声に先生が振り向く。
「なに?」
「いえ……」
『もう少しいて下さい』という言葉が、喉の奥に詰まって口から出ない。
おそらく、最初に鼻血が出た時点から、血が足りていなかったのだろう。そこに、あの大量出血だ。血が足りなくなるのも頷ける。
「たいした病気じゃなくてよかった」
先生が安堵したように小さく息を吐いた。
「ご迷惑おかけしました」
ベットに横たわる僕は、腕につながれた点滴を気にしながら、小さく頭を下げた。
貧血で点滴なんて大げさかもしれないが、まあ、医者が必要だというで仕方がない。
「2人には私から伝えておくわ。入院する必要があるらしいから、テストには間に合わないかもしれないけど、それもなんとかするから」
本当に先生には頭が上がらない。
何度頭を下げても下げたりないくらいだ。
「ありがとうございます」
ベットから起き上がり、再び頭を下げた。
「いいから、横になっておきなさい」
先生は慌ててが起き上がるのを制止した。
「家族の方にご連絡したから、すぐにくるとは思うわ。だから、私はもう帰るわね?」
先生は立ち上がって身支度をする。
本当はもっと一緒にいてほしい、だけど、こんな時ばかり本音を口にできない自分が情けない。
「あの……」
僕の声に先生が振り向く。
「なに?」
「いえ……」
『もう少しいて下さい』という言葉が、喉の奥に詰まって口から出ない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
15
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる