先生と僕

真白 悟

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方法

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「それで、その出来た後輩ちゃんは何を教えてくれるんだ?」
 それがわかれば、これからの身の振り方も決められる。
「後輩ちゃん……また変態的な言い回しですね……まあいいでしょう。お姉ちゃんの前であまり汚い言葉を使うのは憚られるので、端的に説明しましょう」
 綾錦あかねは少しだけ僕から身を引いて、それでもゆっくりと話し始めた。

「やることは言うまでもありませんね?」

 やることと言われれば一つしかない。
「部活を復活させることだろう?」
 本来の目的がそれだ。だが、綾錦は甘いと人差し指を立てて横に振る。
「そうです。ですが、違います。根本的なことを言うならば部員を集めるなくちゃならないということです。直接的な廃部の原因がそれですからね」
 言いたいことはわかる。
「それは……わかっているけど、僕の記憶が正しければそれが無理だったから廃部したはずだが?」
「まあ、不可能に近いでしょうね。仮にできたとしても問題は山積みです。先生のこともありますからね……だがらこそそれを話し合おうってことですよ」
「……え!? 今更?」
 彼女に何かしらの解決策があると思った僕が甘かったらしい。
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