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個性
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「ってそれって、今までさんざん話し合ったことじゃないですか!?」
彩錦があからさまに大きな声で言う。
確かに可愛げのない後輩の言うとおり、友達に幽霊部員として部活に参加してもらうという話はしたし、何らならクラスメートであるリーダーにそういった趣旨の提案をしてもらって断ったばかりでもある。
「そうだ。廃部になる前も何度も話し合ったことだ……でももはやそれしかないだろう?」
「それしかないって……それも無理だったじゃないですか!?」
「彩錦……もう少し声のトーンを下げてくれないか? こんな狭い部屋じゃ耳が痛い。梓を見習って見たらどうだ? いつも静かだぞ、ドジを踏む時以外はだけどな」
彩錦はあまりにもうるさすぎる。
いつもはそこまでテンションが高くないのに、今日は無駄に騒がしい。
「次、あたしを出しにしたら怒りますからね……」
忘れていたが、梓は自分のことをドジだと言われることを嫌う。
最近は真剣な話ばかりだったから忘れていたけど、やっぱりこの『恋愛部』は個性的ではいけない。ストーカーな彩錦、ドジっ子な梓……そして僕も含めて。だから僕の個性であるところの、『頭のネジが外れている』部分を存分に使わせてもらおう。
彩錦があからさまに大きな声で言う。
確かに可愛げのない後輩の言うとおり、友達に幽霊部員として部活に参加してもらうという話はしたし、何らならクラスメートであるリーダーにそういった趣旨の提案をしてもらって断ったばかりでもある。
「そうだ。廃部になる前も何度も話し合ったことだ……でももはやそれしかないだろう?」
「それしかないって……それも無理だったじゃないですか!?」
「彩錦……もう少し声のトーンを下げてくれないか? こんな狭い部屋じゃ耳が痛い。梓を見習って見たらどうだ? いつも静かだぞ、ドジを踏む時以外はだけどな」
彩錦はあまりにもうるさすぎる。
いつもはそこまでテンションが高くないのに、今日は無駄に騒がしい。
「次、あたしを出しにしたら怒りますからね……」
忘れていたが、梓は自分のことをドジだと言われることを嫌う。
最近は真剣な話ばかりだったから忘れていたけど、やっぱりこの『恋愛部』は個性的ではいけない。ストーカーな彩錦、ドジっ子な梓……そして僕も含めて。だから僕の個性であるところの、『頭のネジが外れている』部分を存分に使わせてもらおう。
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