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終章 魔の終末
26.不自由な選択
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「人の目に見える悪魔なんてものは存在しない。今のところはな……しかし、悪魔という概念はある。それはどうしてだと思う?」
ダンダリオンは意気揚々と尋ねる。
一体何がそんなに楽しいのかは、ルシフには知ることができない。もちろんこれからも。
「獣の刻印だろう?」
「そう、だが君が神から聞いた通り、獣の刻印なんてものは存在しない。獣の刻印とは聖なる力を持つ者の証なのだ。そして永劫回帰も存在しない。しかし、存在しないものが作り出せないわけではない。だったらどうやってそんな思想が生まれたのか……答えは簡単だ。すべて王が生み出した妄想。人々を弾圧するための虚言さ、僕と王が作り出した虚ろ……中身なんてまるでない」
「永劫回帰の黙示録……」
「そうだ。誰も見たことがない黙示録。一体誰が信じるだろうね? ありもしない神の言葉……ふっふっふ、すまない馬鹿らしくてつい笑ってしまった。君はどう思う? たとえば君は僕よりもはるかに弱い。そんな君が僕に対して思うことはなんだい。恐怖か? 妬みか? それとも怒りか? 大抵の人間はすべてを感じる。自分より優れた人間を羨み、恐れそして、貶めようと考える。だから簡単さ、そのための思想を作ってやればいい」
ダンダリオンは人間の愚かさを笑う。自身のことを余計なものがついた悪魔だと例えた彼は、本当の意味で悪魔より少しだけ悪魔じみた考え方をしている。
ルシフはそれが奇妙で恐ろしかった。
しかし、ダンダリオンという自分自身を悪魔と騙る人間にとって、恐ろしいものというのは、考えの及ばない人間自身であり、神という言い知れぬ存在を崇めることしかしない民衆だ。それらをすべて排除しなければ平穏な世界は訪れないと思い込んでいるのだ。
だが、ルシフは神などどうでもよかった。
だからこそ、彼は神も悪魔も否定する。
「俺は、神父だが、神も悪魔も信じていない」
悪魔はルシフの言葉に笑う。
「どっちにもあったことがある君がその存在を否定するのか?」
ルシフは悪魔の言葉に業を煮やしたかのように、大きな声で言った。
「俺はどっちも信用してないって言ってるんだ!!」
「ふふ、まあそれもいいだろう。いやそれでいい。悪魔も神も天使もみんな次の世界には必要ない。王さえもだ」
ダンダリオンは、ゆっくりとルシフから背を向けて歩みだす。
ルシフは、彼が何をしようとしているのかさえ理解できずに、それでいて、彼がしようとしているおぞましいことを止めようとした。
「やめろ!」
「なにをやめろというんだ? もういいだろう? 君の大切な仲間たちの命はおいていこうというのに、君はそれ以上何を望む?」
「何も望まない。ただ、世界が平和なら神の意志も、悪魔の思想も必要ない。ただ人間にゆだねてくれ!」
「馬鹿いえ、それじゃあ意味がないだろう……君が僕に唯一できることは、僕を止めるということだけ。懇願するなんてことができるはずもない。僕と君は敵なんだからね」
「さっきも言っただろう……僕はお前と戦う気はない」
「だったら、人類は絶滅するというだけのこと……君はどっちにしろ英雄になる以外の選択肢がない」
悪魔は笑う。人間の英雄が不自由な二択を迫られているということに。
ルシフははじめから、ダンダリオンを倒すという以外の選択肢がない。ダンダリオンを倒そうが、倒すまいが、自分が英雄になると決まっている時点で、ルシフは人を大勢救うためにダンダリオンを倒さざるおえないからだ。
悪魔ダンダリオンは、最初からそうなるようにすべてを仕組んでいた。もともと、神との約束を思い出したところで、彼はそれを破らざる負えないようにと導いてきた。すべては、自分が神よりも優れていることを示すために、創世記から考えてきた計画だった。
笑いが止まらない悪魔は、神への信仰心より、自分の知能が勝ったことを実感するといあまでよりも深く強く笑い声をあげた。
「何がおかしい」
「これは悪い。あまりにも人間たちが面白いものだから、つい高笑いをしてしまった。さあ、君が戦う意思を持とうが、持ってなかろうが、最後の戦いだ。どうせつまらないものになるだろうけど、すべてを終わらせようよ」
ダンダリオンは意気揚々と尋ねる。
一体何がそんなに楽しいのかは、ルシフには知ることができない。もちろんこれからも。
「獣の刻印だろう?」
「そう、だが君が神から聞いた通り、獣の刻印なんてものは存在しない。獣の刻印とは聖なる力を持つ者の証なのだ。そして永劫回帰も存在しない。しかし、存在しないものが作り出せないわけではない。だったらどうやってそんな思想が生まれたのか……答えは簡単だ。すべて王が生み出した妄想。人々を弾圧するための虚言さ、僕と王が作り出した虚ろ……中身なんてまるでない」
「永劫回帰の黙示録……」
「そうだ。誰も見たことがない黙示録。一体誰が信じるだろうね? ありもしない神の言葉……ふっふっふ、すまない馬鹿らしくてつい笑ってしまった。君はどう思う? たとえば君は僕よりもはるかに弱い。そんな君が僕に対して思うことはなんだい。恐怖か? 妬みか? それとも怒りか? 大抵の人間はすべてを感じる。自分より優れた人間を羨み、恐れそして、貶めようと考える。だから簡単さ、そのための思想を作ってやればいい」
ダンダリオンは人間の愚かさを笑う。自身のことを余計なものがついた悪魔だと例えた彼は、本当の意味で悪魔より少しだけ悪魔じみた考え方をしている。
ルシフはそれが奇妙で恐ろしかった。
しかし、ダンダリオンという自分自身を悪魔と騙る人間にとって、恐ろしいものというのは、考えの及ばない人間自身であり、神という言い知れぬ存在を崇めることしかしない民衆だ。それらをすべて排除しなければ平穏な世界は訪れないと思い込んでいるのだ。
だが、ルシフは神などどうでもよかった。
だからこそ、彼は神も悪魔も否定する。
「俺は、神父だが、神も悪魔も信じていない」
悪魔はルシフの言葉に笑う。
「どっちにもあったことがある君がその存在を否定するのか?」
ルシフは悪魔の言葉に業を煮やしたかのように、大きな声で言った。
「俺はどっちも信用してないって言ってるんだ!!」
「ふふ、まあそれもいいだろう。いやそれでいい。悪魔も神も天使もみんな次の世界には必要ない。王さえもだ」
ダンダリオンは、ゆっくりとルシフから背を向けて歩みだす。
ルシフは、彼が何をしようとしているのかさえ理解できずに、それでいて、彼がしようとしているおぞましいことを止めようとした。
「やめろ!」
「なにをやめろというんだ? もういいだろう? 君の大切な仲間たちの命はおいていこうというのに、君はそれ以上何を望む?」
「何も望まない。ただ、世界が平和なら神の意志も、悪魔の思想も必要ない。ただ人間にゆだねてくれ!」
「馬鹿いえ、それじゃあ意味がないだろう……君が僕に唯一できることは、僕を止めるということだけ。懇願するなんてことができるはずもない。僕と君は敵なんだからね」
「さっきも言っただろう……僕はお前と戦う気はない」
「だったら、人類は絶滅するというだけのこと……君はどっちにしろ英雄になる以外の選択肢がない」
悪魔は笑う。人間の英雄が不自由な二択を迫られているということに。
ルシフははじめから、ダンダリオンを倒すという以外の選択肢がない。ダンダリオンを倒そうが、倒すまいが、自分が英雄になると決まっている時点で、ルシフは人を大勢救うためにダンダリオンを倒さざるおえないからだ。
悪魔ダンダリオンは、最初からそうなるようにすべてを仕組んでいた。もともと、神との約束を思い出したところで、彼はそれを破らざる負えないようにと導いてきた。すべては、自分が神よりも優れていることを示すために、創世記から考えてきた計画だった。
笑いが止まらない悪魔は、神への信仰心より、自分の知能が勝ったことを実感するといあまでよりも深く強く笑い声をあげた。
「何がおかしい」
「これは悪い。あまりにも人間たちが面白いものだから、つい高笑いをしてしまった。さあ、君が戦う意思を持とうが、持ってなかろうが、最後の戦いだ。どうせつまらないものになるだろうけど、すべてを終わらせようよ」
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