永劫回帰の黙示録(レヴェレーション)

真白 悟

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終章 魔の終末

9.謎

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 なんとかアリサの記憶を元に、レヴィアとアリサがさらわれた地点である王都の中央通りへとやってきた。ここまでの道のりには、悪魔の配下であろう小悪魔や魔物があまりおらず、比較的時間をかけずやってきたが、その通りは被害が他よりもひどく小悪魔らしい人物が多い。
 しかし不思議なことに、小悪魔たちはルシフにもアリサにも見向きもしない。それどころか一般人を保護しているようにも見える。
ルシフたちがそのことを疑問に思うまでに対して時間はかからなかった。
 
「これは……一体?」
 アリサがしきりに首をかしげ、つぶやいた。ルシフだってその光景には同じことをつぶやきたい気持ちがいっぱいだったが、それよりも気になることがある。
「お前たちはこんな人通りが多いところで捕まったのか?」
 中央通り沿いの家や店舗が倒壊してるとはいえ、これほどまでに人が多いところで悪魔が出たとなれば、すぐに増援が駆けつけるだろう。しかし、そうならなかったとするなら何か異変があったのかもしれないとルシフは考えた。
 だがいくら彼があたりを見渡せど、王国騎士団直属の騎士達は愚か、国の兵士一人すらそこにはいないことにすぐに気がつく。
 
「まあ見ての通り、人がさらわれようが殺されようが、気にかけている暇なんてなかったんだおろうね……。特に僕たちは聖者だ。自意識過剰ってわけじゃないけど、僕達が勝てない相手となるとかなりの人数を割くことになるだろうね」
 なんてことをこぼしながらも、彼女は道端に倒れている女性の介抱を手伝う。彼女は自分達にそれほど猶予がないとわかっていても、自分の責任で巻き込まれた人たちをそのままには出来なかった。
 ルシフだってそれを見て呆然としているほど愚かではない。内心面倒くさいとは思ってはいたものの、アリサが見ていた被害者の女性を安全な位置まで移動させる。
「すまないが俺たちに出来るはこれぐらいだ……ここには医者もいるだろう。しばらくはここでじっとしているといい」
 アリサもルシフと同じで回復魔法など使えない。だから女性に特別なことなど何もできなかった。
「ごめんね……ごめんね……」
 
 女性は動かない体でも、なんとかニッコリ笑って「ありがとうございます聖者様……」と呟いた。
 
 その後も死体に祈りを捧げるなど、少しの時間を費やしつつも悪魔の情報を探った。レヴィアに近づくためには、まずここに現れた悪魔のことを聞くのが一番だと二人は考えたのだ。
だがそう簡単に有益な情報が出るはずもなく、時間は残酷にも過ぎていった。
 
「残念だがここにいてもレヴィアがどこに行ったのか分かりそうにもないぞ?」
 しびれを切らしルシフはこぼした。そんなことはアリサもわかっていた。
「うん。でもどうするの?」
「いやまず騎士団本部にいくとか……」
 ルシフはそこまで言って、魂の聖者のことを思い出す。
(もしあいつに仲間がいたとするなら、騎士団の内部にもいる可能性があるな……それに、ここでの聞き取りでなんの情報もえられなかったのもなんだか変だ。それにどうして一番被害が多そうなここにも、俺達が歩いて来た道の中でも騎士団関係者がいなかったことが気になるな)
 突然だまりこんだルシフに対して、アリサは不安そうに問いかける。
「どうしたの?」
 そんなアリサを見て、情報を共有するべきかしないべきか悩んだルシフだが、仲間と言ったからには共有しないわけにもいかず、魂の聖者について話す。
「実は――」
 
 衝撃の事実を知らされた少女は、地べたにしゃがみ込み頭を抱える。
「まさかじいさんが悪魔側につくなんて……! 信じられない」
 ルシフにとっては伝説上の悪魔としてのメフィストでしかなく、アリサがその男にそこまで信頼を置いていた理由が分からない。
「信じられないだろうが、現実だ。だがどうしてメフィストがダンダリオンと組んだんだ?」
「ううん、あのじいさんなら悪魔と組むこと自体はありえるよ。国を良くするためならどんな手段でも使うだろうし……ただ、ダンダリオンのような粗暴者と組むとは思えないんだ」
 粗暴者という言葉がダンダリオンに当てはまるとは思えないルシフだが、彼が国を良くするために動いているとも思えなかった。
「あいつはなんのために……」
 ルシフは考える。ダンダリオンが一体何を考えてこのようなことを行っているのだろう……それにメフィストも街を破壊する男と一緒にいる理由も分からない。
 
「そんなに唸ってても仕方ないよ。とにかくルシフさんが言ったとおり、騎士団本部にいくしか無いんじゃないかな?」
 
 彼女はそう言うと、騎士団本部の方が国あるき出そうとした。ルシフはそれを慌てて止める。
「ちょっと待て……! 今話しただろう!?」
 ルシフの問に首をかしげるアリサ。
「何が?」
「だから……いやいい。こうなったら誰が敵だろうが関係ないしな」
 彼女があまりにも純粋だったため、ルシフはそれ以上止めることはせず、成り行きに任せることにした。
「どういうこと?」
 そんな風に全く状況を理解していない彼女をよそに、ルシフは彼女を追い越してあるきだす。 

「こっちの話だ」
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