ひきこもり娘は前世の記憶を使って転生した世界で気ままな錬金術士として生きてきます!

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 ドンドンドン

「ん~…んにゃんにゃ…」

 ドンドンドン!!

 錬金術士は朝寝坊である。…いや、嘘です。昨日家の中の掃除を終わらせてちゃおう!と思って疲れながらも結構遅くまでお掃除をしていたせいで朝起きれないだけです。そもそも学生でもなくなったし、なにかやらないといけないことがあるわけでもないのでなんとなくグータラとしたくなってしまうのはひきこもり生活の影響だろうか…。なんか師匠に似てきちゃったなぁ。こーゆーグータラしてるとことか…。

「えーりーなーちゃーん!!」

 扉をノック、とは言い難く叩いている音がやむと、今度はなにやら私を呼ぶ声、叫び声が聞こえてきた。

(あの声って、ルーシーちゃん?)

 私は布団から眠い目をこすりながらのそのそっと出ると、パジャマのままふらつきながら、のらりくらりとゆっくり1階に降りた。

「・・・」

「・・・」

 様子がおかしいのに気が付いたのは1階に降りた時だった。人の気配がする。それはルーシーちゃんがいるから当然なんだけど、そうじゃなくても、ザワザワというか、ルーシーちゃん一人じゃなくて数人、他にもいそうな感じ。異変に気が付いておそるおそる窓のカーテンを少しあけて外の様子を見るとびっくり!

「えぇぇぇええぇ!?な、なに?なにこれ!」

「あ、エリーちゃん!いるの?ごめんちょっと話があるの!でてこれるー?」

 驚いて叫んでしまった。自分で叫んだ後に口をふさぐもすでに手遅れ。ルーシーちゃんはなにかとにかく急いでいる感じでドアの向こうから私の事を呼んでいる。

(10人、…ううん。15人?え、なに?どうしてこんなに人がいるの?私何か悪いことしちゃったのかなぁ)

「う、ううんと、少しだけまっててくれる?今用意するから」

「わかった!みんな待ってるからなるべく早くお願いね!」

(なんで待ってるの?みんなもって…なにか悪いことしちゃったかなぁ)と思いながらも、私はとりあえず2階に戻って着替えて身支度を整えると、もう一度1階に戻ってそっと窓の外をカーテンの隙間からのぞいてみる。

「あわわわ…さっきよりも人が増えてるよ。なんで?どうして?こわいよぉ」

 全身がブルっと震えて鳥肌がたった。これはヤバい。

(護身用に爆弾一つは作っておいた方が良かったかな…)

 なんか人が集まってきてる。心臓がドキドキと音を立てているのが耳の奥で聞こえてくる。足も震えて玄関のドアが遠くにも近くにも感じて、私は震える声で

「い、今開けるね。」

 というと震える手で鍵をあけてゆっくりとドアノブを回した。ガチャ、っと音がするとほぼ同時に扉は全開放されて、ちょっと怒りながらも満面の笑顔で迎えてくれたルーシーちゃんがいた。

「う、うわぁあ!」

 私は勢いよくドアがあけられたはずみで前に転んでしまった。「いててて」、と顔をあげるとルーシーちゃんとその他大勢の村人の皆様がいる。

「おそいよーエリーちゃん。みんなエリーちゃんにお願いがあってきてるのに!」

「お、おねがい??わたしに?」

「そうだよ!昨日の虫よけ!あれすっごく大評判でさ!私が朝からエリーちゃんのお店で売ってますよー!錬金術士さんのお店ですよーって宣伝したらみんな欲しがっちゃってさぁ!ほら、なんせ効果抜群でお値段銀貨1枚でしょ。変な安物を買うよりよっぽどいいって!」

「は、はぁ。虫よけ…。って、えぇぇえええ?!」

 寝起きに大勢の人に押しかけられて、みんなが虫よけ剤なんか欲しがってるの?いやいや、そもそも

「ルーシーちゃん、昨日の虫よけ剤、宣伝してきてくれたの!?」

「あったりまえじゃん!昨日言ったじゃん、これはみんな欲しがる!って!畑作業してる人たち捕まえて『ちょっとこれ使って見てよ、』って使ってもらったらみんなすぐ買いたい!って言いだしちゃってさぁ!」

 昨日話の流れで作った虫よけ剤をもって村の中で宣伝してくれるなんて。確かにどこの誰かわからない私が宣伝して歩くよりも、村でただ一つの道具屋さんの娘が宣伝した方が信ぴょう性もあるし、みんなも安心して買える。それに製品に対しての安心感が違う。私からしたら草むしりのお礼じゃあ足りないほどの成果なんだけど…。
 ただ、昨日の夜は『みんなが欲しがる』じゃなくて『金儲け』って言ってたような気がするけど…そこは黙っておこうかな。
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