ひきこもり娘は前世の記憶を使って転生した世界で気ままな錬金術士として生きてきます!

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「おーい」

 私は店の外からの呼び声で目を覚ました。目の前の棚やテーブルに約50本の虫よけ剤。錬金術士になってから初めてこんなに虫よけ剤を作ったかもしれない。
 隣でようにルーシーちゃんも静かに寝ていた。

 昨日は大変だった。あのあと2人で虫よけ剤を作るのに井戸から水を汲んできて、ランプの灯をたよりに畑からムシコナーイを探して引っこ抜いて、片手で持つにはちょっと重たい鏡晶石を倉庫から持ってきて、錬金釜に入れて調合する。というプロセスをずっとループしていた。虫よけ剤5~6本分の材料を持ってきて、ひたすら錬成して材料がなくなったらまた集めて。の繰り返し。最後は魔力マナ切れになってきて、ルーシーちゃんに「もう無理、マナがほとんどなくて、立ってられないよぉ~」と言いながら目を回してその場に倒れこんでしまったのが最後の記憶だ。

(工房からここまで運んできてくれたんだ…ルーシーちゃんも相当疲れてただろうに)

 私を運んできてくれて、その上作った虫よけ剤まで陳列されてる。しかもビンと口のコルクのところにリボンがついていて可愛い。ビンはフラスコ型で今回は錬成してみた。そこの面を平らにして自立できるようにして並べやすくて、保管もしやすくしたんだ。光に照らされてキラキラと光る虫よけ剤に見とれてしまったが、今は起こさないと!

「ルーシーちゃん、ルーシーちゃん」

 私はルーシーちゃんの体を軽くゆすって起こした。眠そうにしていたルーシーちゃんは数秒寝ぼけてポーっとしていたが急にスイッチが入った。

「お、おはようエリーちゃん!ごめん、昨日エリーちゃんが倒れちゃった後にいろいろひとりでやっちゃって…」

「ううん、謝らないでよ、私とっても嬉しい!それに虫よけ剤がなんかすっごく可愛いし、最初見た時に『ほわーーっ』て見とれて驚いちゃった!」

「ほ、ほんと?せっかく売るなら、虫よけ剤が瓶に入っただけじゃなくて少しでも可愛い方が喜んでもらえるかなって思って、家にあったリボンを持ってきて結んでみたんだけど、その、…よかった!喜んでもらえて!」

「ルーシーちゃん可愛い~!ありがとう!だいすきー!」

 むぎゅうっとルーシーちゃんに抱きついた。一生懸命考えてくれて、今あるもので少しでも工夫して喜んでもらいたい、っていう工夫をしてくれたり、私が倒れちゃってもお店のことをやってくれたりして感謝してる気持ちもあるけど、照れてるというか、好きな人を前にしてモジモジしているというか、仕草が可愛くて、最後に嬉しい!って笑顔を見たら自然と抱きついてしまった。

「私もエリーちゃん大好きー!…あ、そうそう!昨日急に倒れちゃったから驚いたんだよ?びっくりしちゃうし、心配かけないでよー!最初死んじゃうのかも!って思ったのよ?。息してたから、とりあえず寝かせようと思ってこっちに連れてきて、様子見てたんだけど限界来ちゃって私も寝ちゃって…。あーでも、大丈夫そうでよかったぁ」

 私は「うん、うん」とうなずきながら、ときどき「ごめん」と言いながらルーシーちゃんの話を聞いていた。今まで虫よけ剤をこんなに作ったことなかったから、自分のマナの限界に気が付かなかったのかもしれない。通常魔力は『よく食べて』、『よく遊んで』、『よく寝れば』回復するらしい。師匠が言ってた。ただ、錬金術や魔法を使えば使うほど魔力は減るし、回復するスピードが追い付かなければ最悪死亡。もしくは体がオーバーヒートして眠ってしまうらしい。今まで一回もなかったんだけど、ちょっと次からは気を付けないと…。なかにはマナ回復薬マジックポーションというちょっとお高いお薬もあるんだけど、これを飲めばマナが回復するらしい。回復量はポーションの質によるから何とも言えないけど。でも、今回は早く目が覚めてよかった。オーバーヒートしてしまうと不足した魔力の分に比例して長く寝てしまうらしく、数日、数年とかもあり得るらしいから注意しないと。

「うん、心配させちゃってごめんね。もう大丈夫だよ!」

「おーい、エリナー?いないのー?」

 私が立ち上がると、外から声がした。そうだ、さっき誰かに呼ばれた気がして起きたんだった。私は軽くルーシーちゃんに軽く手を振ると、

「あ、この声、ミーちゃんだ!」

 カランカランっ
 私が入口の鍵を開けてとドアを開けるとそこにはミーちゃんが立っていた。
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