怒ってもいいですよね?

腐りんご

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ため息が止まらない

パートナーの思い出し笑い

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 私は工場で組付け作業に従事している。

□□□

 今日の作業工程は『部品入荷待ち』になってしまい替わりにいつもと違うパートナーと組んで別の作業をすることとなった。

 作業中、パートナーの【愛さん】がクスクス笑いだした。彼女の笑い顔はいつ見ても実に癒される実に愛らしく笑うのだ。沈んでいた気分が晴れてきた。

「どうしたの?ナニか面白い事でも思い出したの?」

「さっきの『笑い事じゃない』を思い出したら可笑しくてクスクス・・・」

「あれねぇ?」
 
 私は苦笑いを浮かべた。

「あれさー私の笑って誤魔化そうとしたのが悪いのかな?」

「いやぁー【M子さん】だけ通じないんじゃあないんですか?」


「ハ、ハハハァー」
 私は乾いた笑いをもらしていた。そして、少し前の事を思い出していた。




★★★



    「「カシャンー」」
      
    「「カシャンー」」

    「「カシャンー」」

 規則正しい機械音が辺りに響いていた。
 そこへ機械音とは違う音が響いてきた。


「・・・・カッツ、カッツ、カッツ」

「カッツ」

 ピッタと私の後で足音が止まった。そーと振り返ると【M子さん】が立っていた。
 えーとナニか失敗した?
 最近、彼女が接近してくると恐ろしくて仕方ないのだ。
 こんな若い子が恐いなんて情けないが仕方がない。
 彼女は手書きのメモ用紙を出して私に見せた。
 昨日渡した部品の品番のメモだ。


「ここ番号足りないんじゃないですかー?」

 ヤバイやってしまった。
 写し間違いだ。
 私はとっさに笑って誤魔化そうとした。


「ハッハッハッーごめん数字抜けてたね」



 その瞬間彼女の目が吊り上がり私を睨んだ。

「ヒッ」
 
 私の喉から声が洩れた。


「笑い事じゃない」


【M子さん】が低いドスの聞いた声で呟いた。

 あわわコエ〰️・・・・・
 恐いよ・・・・・
 
 
【M子さん】は私をギロと睨み。
 足音を響かせて去っていった。


「カッツ、カッツ、カッツ・・・・」


 私が固まっていると横にいた【愛さん】が・・・


「コワー」

「ナンですか今の?」

「メッチャー恐い言い方でしたよ!」


「うん恐いね」
 

 ヤッパリ私以外も恐いんだね。


「「はぁー」」

 
 ため息がでてきた。


「ため息出すと幸せも出て行くっていいますよ」


「ありがとう【愛さん】」


「「はぁー」」


 私はため息が止まらなかった。





        ★
        ★
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#御覧になって頂きありがとうございます。
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