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「だから、世界樹の精霊は、己が愛した人間の血に最後の力を流し込んだのさ。いつか黒精霊が解き放たれた時、今度こそ精霊とともに邪悪なる精霊を撃退するという誓いの証にして、力の源泉。世界樹の紋章を持った人間と共に世界を救うための呪いをね」
「世界樹の紋章……」
零れ落ちんばかりに目を見開いたフィナンが、ちらちらとわたしを見る。
そんな彼女に言葉をかける余裕はなく、わたしはただ、茫然とハンナを見つめていた。
ハンナは、わたしのことを知っている。
わたしが王子妃クローディアであるということを。
わたし、建国の伝説として語られるという「世界樹の紋章」と手に負っているということを。
聞いたことのない話。けれど、その話を嘘だと断ずることはできなかった。
嘘だと言ってしまいたくても、なぜだかひどく熱を持った右手の甲が、それを阻んだ。
まるで傷がうずくように、ハンナの語りに世界樹の紋章が反応しているようだった。
精霊のいたずらと誤解して、隠してきた傷。今だって、街を歩くために手袋で隠している模様。
わたしを傷物令嬢に仕立て上げた原因。
これはわたしに、魔物を生み出した黒精霊を倒すためのもの?
ははっ、そんな御大層なものであるはずがない。これはわたしを苦しめるだけの役立たず。わたしを王子妃という棺桶に閉じ込めるに至った悪辣な罠――
そう、思えればよかった。
どれだけ信じ込ませようとしても、やっぱり、ハンナの言葉は途切れることなくわたしの中をめぐる。
ふっと、王子殿下の顔が脳裏をよぎった。どうしてかも、わからずに。
「……どう、して」
わななく唇で問うことができたのはそれだけだった。
自分でも驚くほどにかすれた声は、不安に、困惑に、恐怖に揺れていた。
心もまた、ひどく波立っていた。
まるで嵐の真っただ中に放り出されたような気持ちだった。
「クローディア、貴女からは彼女と同じ気配を感じるんだよ。魔法が好きで仕方なくて、精霊に愛されていて、精霊信仰というよりも精霊と共に生きることを選んだ、スヴェルトヴィナ王女殿下のよう……」
知っている。その名前は、確かにわたしの記憶の中にある。
スヴェルトヴィナ・ルクセント。彼女は、わたしに言わせれば悪であり、わたしの苦しみの元凶の一人。
何しろ彼女こそ、隣国に嫁いでそこで魔法を暴発させた、狂気の女性。ルクセント王国において嫁ぐ可能性のある王族女性の魔法の使用が禁止されるようになった原因。
スヴェルトヴィナは、わたしの祖父母の世代の人。ハンナと同世代。
――ああ、そうか。ハンナが仕えていた貴族の主人というのは、スヴェルトヴィナのことだったのか。
グラグラと揺れる心を静めるべく、目を閉じて深呼吸を繰り返す。
気持ちが少し落ち着いたところで、まっすぐにハンナを見つめる。
老いた彼女は、けれど今だけは途方もない生命力をその身の内に宿しているように見えた。まるで、自分は今日この時のために生きながらえてきたのだとでもいうように。
聞きたいことは山ほどある。ただ、今わたしが問うべきは一つだった。
「……今の、黒精霊の話は事実ですか?」
「スヴェルトヴィナ王女殿下が殺戮の果てに、いさめた精霊に見せられた『夢』だというね。その話を聞いた彼女は、ワタシにすべてを託して自決したよ。だから、事実かどうか、ワタシには答えられない。けれど、今この時、話すべきだと感じたんだよ。きっと、精霊がワタシにそれを求めていたんだろうね」
今この時。
それはきっと、黒精霊が引きこもって魔物を生み出していた土地――精霊に見放された土地の奥で、あの魔物が動き出したから。
おそらくは黒精霊のなれの果てであろうそれは、精霊の封印から解放され、今、再び世界に襲い掛かろうとしているのだろうか。
ならば。
だとして、どうして。
わたしが、戦わないといけないのか。
どうしてわたしが、世界樹の紋章なんていうものを背負わされているのか。
叫び出したい気持ちはあって、けれど、脳裏に浮かぶ大切な人たちの姿を思い出せば、自然と覚悟は決まった。
「……精霊が、わたしに求めているんですよね」
「だから、クローディアの手にそれが現れたんだろうね」
そっと手袋を外して露わにした右手の甲。そこに刻まれた世界樹の紋章は、まるでわたしの言葉にこたえるように、小さく光を放った。
ように見えた。
手の甲を左手でなでる。熱の一つも、うずきも、今は感じられない。
けれど、その時は確かに近づいているのだと、体内をめぐる血潮が、そう告げていた。
チリンと鈴の音らしきものが鳴った気がして、ハンナは顔を窓の外へと向ける。黒々とした闇を映すガラス窓の先に、何かを見出すように目を細くする。
腰が痛まないように気を付けながらハンナは上体を持ち上げた。
すでにクローディアたちが退席して久しい椅子からはもはや熱は失われており、冬の冷たい空気が布団の中にまで迫ってくる。
「……スヴェルトヴィナ殿下、ワタシは確かに、託したよ」
闇の先に語るように告げる。
スヴェルトヴィナ・ルクセント。
ハンナが仕えた主。
引っ込み思案で自分のことを言えない女性だった。妾腹の子であり、立場の低かったスヴェルトヴィナは、自分のことを話さない女性として育った。
だから、彼女は最後の最後まで語らなかった。己の肩にある日現れた、「世界樹の紋章」のことを。
すでに決まっていた隣国との婚約を破棄しないために、関係を悪化させないために、彼女は口を閉ざした。
そうして、世界樹の紋章を背負った少女は、己の手を引く契約の相手と巡り合うことなく、精霊のために戦い、精霊のために狂い、精霊のために殉じた。
目を閉じれば、瞼の裏に血濡れたスヴェルトヴィナの姿が浮かび上がる。破れた肩の布の奥、そこに確かに、伝承に語られる紋章をハンナは見た。
『お願い、ハンナ。きっとまた、紋章を背負った子が生まれるから。今度こそ、その子を支えてあげて。その子を、守ってあげて。ワタシのように、血濡れた道を歩まないように』
そう微笑んで、スヴェルトヴィナは自らの命を刈り取った。
スヴェルトヴィナは、生まれつきの狂人ではなかった。
ただ、環境の彼女の在り方が、スヴェルトヴィナを破滅に導いた。
世界樹の紋章を背負うがゆえに精霊と近しい在り方をしていたスヴェルトヴィナは、精霊をないがしろにする国の者に憤る精霊たちの激情を感じ取り、飲まれ、凶行に走った。
その末に、こんな自分は世界を救うには相応しくないからと、次に託した。
「……これで、よかったんだろう?」
一国の滅亡を知る生き字引。
ハンナは、そっと目を閉じて、記憶の中にいるスヴェルトヴィナに尋ねる。
――瞼の裏、彼女は、笑ってうなずいた。
「世界樹の紋章……」
零れ落ちんばかりに目を見開いたフィナンが、ちらちらとわたしを見る。
そんな彼女に言葉をかける余裕はなく、わたしはただ、茫然とハンナを見つめていた。
ハンナは、わたしのことを知っている。
わたしが王子妃クローディアであるということを。
わたし、建国の伝説として語られるという「世界樹の紋章」と手に負っているということを。
聞いたことのない話。けれど、その話を嘘だと断ずることはできなかった。
嘘だと言ってしまいたくても、なぜだかひどく熱を持った右手の甲が、それを阻んだ。
まるで傷がうずくように、ハンナの語りに世界樹の紋章が反応しているようだった。
精霊のいたずらと誤解して、隠してきた傷。今だって、街を歩くために手袋で隠している模様。
わたしを傷物令嬢に仕立て上げた原因。
これはわたしに、魔物を生み出した黒精霊を倒すためのもの?
ははっ、そんな御大層なものであるはずがない。これはわたしを苦しめるだけの役立たず。わたしを王子妃という棺桶に閉じ込めるに至った悪辣な罠――
そう、思えればよかった。
どれだけ信じ込ませようとしても、やっぱり、ハンナの言葉は途切れることなくわたしの中をめぐる。
ふっと、王子殿下の顔が脳裏をよぎった。どうしてかも、わからずに。
「……どう、して」
わななく唇で問うことができたのはそれだけだった。
自分でも驚くほどにかすれた声は、不安に、困惑に、恐怖に揺れていた。
心もまた、ひどく波立っていた。
まるで嵐の真っただ中に放り出されたような気持ちだった。
「クローディア、貴女からは彼女と同じ気配を感じるんだよ。魔法が好きで仕方なくて、精霊に愛されていて、精霊信仰というよりも精霊と共に生きることを選んだ、スヴェルトヴィナ王女殿下のよう……」
知っている。その名前は、確かにわたしの記憶の中にある。
スヴェルトヴィナ・ルクセント。彼女は、わたしに言わせれば悪であり、わたしの苦しみの元凶の一人。
何しろ彼女こそ、隣国に嫁いでそこで魔法を暴発させた、狂気の女性。ルクセント王国において嫁ぐ可能性のある王族女性の魔法の使用が禁止されるようになった原因。
スヴェルトヴィナは、わたしの祖父母の世代の人。ハンナと同世代。
――ああ、そうか。ハンナが仕えていた貴族の主人というのは、スヴェルトヴィナのことだったのか。
グラグラと揺れる心を静めるべく、目を閉じて深呼吸を繰り返す。
気持ちが少し落ち着いたところで、まっすぐにハンナを見つめる。
老いた彼女は、けれど今だけは途方もない生命力をその身の内に宿しているように見えた。まるで、自分は今日この時のために生きながらえてきたのだとでもいうように。
聞きたいことは山ほどある。ただ、今わたしが問うべきは一つだった。
「……今の、黒精霊の話は事実ですか?」
「スヴェルトヴィナ王女殿下が殺戮の果てに、いさめた精霊に見せられた『夢』だというね。その話を聞いた彼女は、ワタシにすべてを託して自決したよ。だから、事実かどうか、ワタシには答えられない。けれど、今この時、話すべきだと感じたんだよ。きっと、精霊がワタシにそれを求めていたんだろうね」
今この時。
それはきっと、黒精霊が引きこもって魔物を生み出していた土地――精霊に見放された土地の奥で、あの魔物が動き出したから。
おそらくは黒精霊のなれの果てであろうそれは、精霊の封印から解放され、今、再び世界に襲い掛かろうとしているのだろうか。
ならば。
だとして、どうして。
わたしが、戦わないといけないのか。
どうしてわたしが、世界樹の紋章なんていうものを背負わされているのか。
叫び出したい気持ちはあって、けれど、脳裏に浮かぶ大切な人たちの姿を思い出せば、自然と覚悟は決まった。
「……精霊が、わたしに求めているんですよね」
「だから、クローディアの手にそれが現れたんだろうね」
そっと手袋を外して露わにした右手の甲。そこに刻まれた世界樹の紋章は、まるでわたしの言葉にこたえるように、小さく光を放った。
ように見えた。
手の甲を左手でなでる。熱の一つも、うずきも、今は感じられない。
けれど、その時は確かに近づいているのだと、体内をめぐる血潮が、そう告げていた。
チリンと鈴の音らしきものが鳴った気がして、ハンナは顔を窓の外へと向ける。黒々とした闇を映すガラス窓の先に、何かを見出すように目を細くする。
腰が痛まないように気を付けながらハンナは上体を持ち上げた。
すでにクローディアたちが退席して久しい椅子からはもはや熱は失われており、冬の冷たい空気が布団の中にまで迫ってくる。
「……スヴェルトヴィナ殿下、ワタシは確かに、託したよ」
闇の先に語るように告げる。
スヴェルトヴィナ・ルクセント。
ハンナが仕えた主。
引っ込み思案で自分のことを言えない女性だった。妾腹の子であり、立場の低かったスヴェルトヴィナは、自分のことを話さない女性として育った。
だから、彼女は最後の最後まで語らなかった。己の肩にある日現れた、「世界樹の紋章」のことを。
すでに決まっていた隣国との婚約を破棄しないために、関係を悪化させないために、彼女は口を閉ざした。
そうして、世界樹の紋章を背負った少女は、己の手を引く契約の相手と巡り合うことなく、精霊のために戦い、精霊のために狂い、精霊のために殉じた。
目を閉じれば、瞼の裏に血濡れたスヴェルトヴィナの姿が浮かび上がる。破れた肩の布の奥、そこに確かに、伝承に語られる紋章をハンナは見た。
『お願い、ハンナ。きっとまた、紋章を背負った子が生まれるから。今度こそ、その子を支えてあげて。その子を、守ってあげて。ワタシのように、血濡れた道を歩まないように』
そう微笑んで、スヴェルトヴィナは自らの命を刈り取った。
スヴェルトヴィナは、生まれつきの狂人ではなかった。
ただ、環境の彼女の在り方が、スヴェルトヴィナを破滅に導いた。
世界樹の紋章を背負うがゆえに精霊と近しい在り方をしていたスヴェルトヴィナは、精霊をないがしろにする国の者に憤る精霊たちの激情を感じ取り、飲まれ、凶行に走った。
その末に、こんな自分は世界を救うには相応しくないからと、次に託した。
「……これで、よかったんだろう?」
一国の滅亡を知る生き字引。
ハンナは、そっと目を閉じて、記憶の中にいるスヴェルトヴィナに尋ねる。
――瞼の裏、彼女は、笑ってうなずいた。
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