人違いの婚約破棄って・・バカなのか?

相沢京

文字の大きさ
45 / 87

愚かな国王5

しおりを挟む

あのクソ女、実の妹に手を出したのか・・


「なぜ、そにようなことを?」

平然と振る舞いたいが、声がかすれた。たぶん顔色も悪いだろう。



「あれは少々甘やかしすぎた。しかも、み・・」
「み?み、何ですか?」


国王は恩人とはいえ仮面の男に喋りすぎたと気づく。宰相に目で合図をして話すべきかどうか問うが顔を逸らして回答を拒否した。
これは自分で決めろという意味だが、国王は迷って決められない。

「そ、それは・・言えぬ。とにかくあやつは妹に呪いをかけ親書を持って逃亡したらしい」

「えっ!逃亡・・?」

「そうだ・・・」


え、ちょっと待て!逃亡ってなんだ?王女は親善大使で来たんじゃないのか?


「・・・逃亡先はご存知なんですか?」
「それはわからぬ。だが、相手先には多大な迷惑をかけていると思う」

え、まだ把握してないのか。遅すぎるだろうがっ!この人本当に国王か?
あいつならこんな失態はしないぞ!

「陛下、その話は・・」

宰相に止まられハッとするがもう遅い。仮面の男に極秘情報を自ら漏らしてしまったのだから。

「少し、しゃべり過ぎたようだ。貴殿にはここにとどまっておらう」
「えっ!・・・」

おいおいおい!自分で勝手に話しておいて監禁かっ!

「え、ちょっと・・・」

ああーっ!マジかよ!余計なことに首を突っ込むんじゃなかった!
だが、待てよ!ここにいれば王女の情報がわかるんじゃ?て、何の情報だよ?ああっクソ、こうなりゃやけくそだ。

「・・はあ~いいでしょう。その代わり客人として扱ってください」
「・・・いいだろう。こちらに非があるしな。」

よし!

「では、私のことはルートとでも呼んでください。仮面の男では何かと不便でしょうから」
「うむ、ではルート殿を客室に案内せよ」
「はっ!」



しかし、王女のいた王宮にオレがとどまることになるなんて予想外だった。

「ルート殿、申し訳ない。貴殿はサラ王女の恩人だというのに、だが安心してください。危害を加えるようなことはいたしませんので、ですが監視はつけさせてもらいます」
「・・・わかりました。」


まあ、監禁っていってもすぐに逃げ出せるしな。別にどうってことはない。



案内された部屋は客室というだけあって豪華できらびやかな部屋だった。下手すりゃオレの実家の部屋よりも格上かもしれない。

「では、昼食はお部屋にお持ちいたしますので」


そう言って宰相も出ていった。

カギをかけて・・


「さて、どうするかな?」

ここでゆっくりするのもいいけど、王女が無断で親書を持ち出したとなるとそうもいかない。

「探りをいれるか・・・」

「探知・・・」


気づかれないように周りを探索してみたらドアの前に二つを察知した。宰相が言った通り監視がいるらしい。

「召喚・・」

小さな虫を召喚してドアの隙間から放つ。

「千里眼・・」

頭の中から召喚した虫を操って宰相の後をつけた。

国王と何やら話をしているようだ。


「陛下ルート殿をどうさなるおつもりですか?」
「・・・何もするつもりはない」
「ですが、彼は極秘事項を知られたんですよ」
「それは余の失態だ・・」
「陛下っ!」
「とにかくルート殿の件は保留だ」
「・・・・わかりました。陛下がそうおっしゃるなら」

引き下がる宰相だが明らかに不満そうだ。そりゃあそうだよね、どこの誰かもわからない奴に極秘事項を知られて処分せずに客人として扱ってんだからな・・・でも、これで正解だよ。もしオレを処分なんかしたら戦争に発展だもんな。
しかし、さっきのあの陛下の態度が気になる。
もしかして、オレの正体に気付いてる?



「いや、まさかな。まあ、とりあえず身の安全は保障されたんだしこのまま居座るとするか」



しおりを挟む
感想 205

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?

麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。

もう一度、その腕に

結衣可
BL
もう一度、その腕に

悪役令息の死ぬ前に

やぬい
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」  ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。  彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。  さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。  青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。 「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」  男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。

秘匿された第十王子は悪態をつく

なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。 第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。 第十王子の姿を知る者はほとんどいない。 後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。 秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。 ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。 少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。 ノアが秘匿される理由。 十人の妃。 ユリウスを知る渡り人のマホ。 二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。

虐げられた令息の第二の人生はスローライフ

りまり
BL
 僕の生まれたこの世界は魔法があり魔物が出没する。  僕は由緒正しい公爵家に生まれながらも魔法の才能はなく剣術も全くダメで頭も下から数えたほうがいい方だと思う。  だから僕は家族にも公爵家の使用人にも馬鹿にされ食事もまともにもらえない。  救いだったのは僕を不憫に思った王妃様が僕を殿下の従者に指名してくれたことで、少しはまともな食事ができるようになった事だ。  お家に帰る事なくお城にいていいと言うので僕は頑張ってみたいです。        

処理中です...