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愚かな国王5
しおりを挟むあのクソ女、実の妹に手を出したのか・・
「なぜ、そにようなことを?」
平然と振る舞いたいが、声がかすれた。たぶん顔色も悪いだろう。
「あれは少々甘やかしすぎた。しかも、み・・」
「み?み、何ですか?」
国王は恩人とはいえ仮面の男に喋りすぎたと気づく。宰相に目で合図をして話すべきかどうか問うが顔を逸らして回答を拒否した。
これは自分で決めろという意味だが、国王は迷って決められない。
「そ、それは・・言えぬ。とにかくあやつは妹に呪いをかけ親書を持って逃亡したらしい」
「えっ!逃亡・・?」
「そうだ・・・」
え、ちょっと待て!逃亡ってなんだ?王女は親善大使で来たんじゃないのか?
「・・・逃亡先はご存知なんですか?」
「それはわからぬ。だが、相手先には多大な迷惑をかけていると思う」
え、まだ把握してないのか。遅すぎるだろうがっ!この人本当に国王か?
あいつならこんな失態はしないぞ!
「陛下、その話は・・」
宰相に止まられハッとするがもう遅い。仮面の男に極秘情報を自ら漏らしてしまったのだから。
「少し、しゃべり過ぎたようだ。貴殿にはここにとどまっておらう」
「えっ!・・・」
おいおいおい!自分で勝手に話しておいて監禁かっ!
「え、ちょっと・・・」
ああーっ!マジかよ!余計なことに首を突っ込むんじゃなかった!
だが、待てよ!ここにいれば王女の情報がわかるんじゃ?て、何の情報だよ?ああっクソ、こうなりゃやけくそだ。
「・・はあ~いいでしょう。その代わり客人として扱ってください」
「・・・いいだろう。こちらに非があるしな。」
よし!
「では、私のことはルートとでも呼んでください。仮面の男では何かと不便でしょうから」
「うむ、ではルート殿を客室に案内せよ」
「はっ!」
しかし、王女のいた王宮にオレがとどまることになるなんて予想外だった。
「ルート殿、申し訳ない。貴殿はサラ王女の恩人だというのに、だが安心してください。危害を加えるようなことはいたしませんので、ですが監視はつけさせてもらいます」
「・・・わかりました。」
まあ、監禁っていってもすぐに逃げ出せるしな。別にどうってことはない。
案内された部屋は客室というだけあって豪華できらびやかな部屋だった。下手すりゃオレの実家の部屋よりも格上かもしれない。
「では、昼食はお部屋にお持ちいたしますので」
そう言って宰相も出ていった。
カギをかけて・・
「さて、どうするかな?」
ここでゆっくりするのもいいけど、王女が無断で親書を持ち出したとなるとそうもいかない。
「探りをいれるか・・・」
「探知・・・」
気づかれないように周りを探索してみたらドアの前に二つを察知した。宰相が言った通り監視がいるらしい。
「召喚・・」
小さな虫を召喚してドアの隙間から放つ。
「千里眼・・」
頭の中から召喚した虫を操って宰相の後をつけた。
国王と何やら話をしているようだ。
「陛下ルート殿をどうさなるおつもりですか?」
「・・・何もするつもりはない」
「ですが、彼は極秘事項を知られたんですよ」
「それは余の失態だ・・」
「陛下っ!」
「とにかくルート殿の件は保留だ」
「・・・・わかりました。陛下がそうおっしゃるなら」
引き下がる宰相だが明らかに不満そうだ。そりゃあそうだよね、どこの誰かもわからない奴に極秘事項を知られて処分せずに客人として扱ってんだからな・・・でも、これで正解だよ。もしオレを処分なんかしたら戦争に発展だもんな。
しかし、さっきのあの陛下の態度が気になる。
もしかして、オレの正体に気付いてる?
「いや、まさかな。まあ、とりあえず身の安全は保障されたんだしこのまま居座るとするか」
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