オレが受けなんてありえねえ!

相沢京

文字の大きさ
49 / 225

8-2

しおりを挟む





チっ!

勇人の魅力に他の奴らが気づいたことがおもしろくない。

ただでさえ、生徒会の奴らが絡んでいるのだ。これ以上誰も近づけさせたくないと思うのは嫉妬だろうか?

こんな気持ちになるのは初めてのことで戸惑う。

だけど、目を放した隙に他の奴らにかっさらわれるのは許せなかった。


「相良・・・勇人って呼んでも・・いいか?」


ちょっとでも他の奴らよりリードしたい。それに早瀬も五十嵐もそう呼んでいるしオレもそう呼びたい。

じーっと見つめながら迫るよ戸惑いながらも頷いてくれた。それが嬉しい。


「いいですよ・・」


高坂さんに名前呼びされるなんて嬉しい。

胸がポカポカする。


「よかった・・」


嬉しそうにほほ笑む高坂さんにオレは顔が赤くなるのがわかった。

あれ、なんで赤くなってんだ?

握られている手が熱をもってオレの心に入り込んでくる。

今まで感じたことのないこの気持ちは・・何だろう?

この気持ちが何なのか理解できない勇人は只々ただ俯くことしかできなかった。



真赤になっている勇人を見て高坂は脈ありとみた。

しかも、勇人は押しに弱い。

このままグイグイ押して行けば受け入れてくれそうな気がした。

でも、今日はそれはしない。

実は今日はデートだけが目的ではない。

幸村の周りで不穏な動きがあるとみたからだ。

勇人のは悪いがこれも風紀委員の仕事。本当はこのままデートを楽しみたいけど・・


幸村の隣には噂になっている佐川の姿がある。

デートは佐川の希望だったが、幸村は最初渋ったと聞いた。

恐らく、あいつも何かあると察したのかもしれない。

兎に角、後をつけて様子を見るしかないな。

親衛隊の動きも気になるし、それは松本に任せるしかないが・・

さっき松本から水族館に着いたと連絡があった。

デートの誘いがなかったのは松本だけだ。

まあ、あっても本人が拒否するだろうけど・・

大野は実家に帰ってるし、残りは警備にあたっている。

何かあれば連絡がくるようになっているから大丈夫だろう。



到着まであと一時間ある。

その間は勇人との時間を楽しむとするか・・。


「勇人・・」

そう思っていたのに、随分時間が経っていたようで・・・


肝心の勇人はオレの肩に頭を乗せてスヤスヤと眠っていた。



せっかくの時間なのにとがっかりしたが、寝顔もまたかわいい思う高坂であった。



しおりを挟む
感想 66

あなたにおすすめの小説

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

お兄ちゃん大好きな弟の日常

ミクリ21
BL
僕の朝は早い。 お兄ちゃんを愛するために、早起きは絶対だ。 睡眠時間?ナニソレ美味しいの?

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...