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少女と夏
4.たゆたう
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和気藹々と波打ち際から少し離れた場所に建てられている店舗へと入れば、ボードの他にも様々なサンプルが置かれていた。メインはボードであるようだが、ボールや浮き輪、免許不要の超小型自動操縦船のレンタルまでしているようだ。
数種類ずつのデザインは見ているだけでも楽しいものがあり、四人は次はボールを借りよう、浮き輪にしよう、と新たな盛り上がりを見せていた。
「楽しみだね!」
借りたボードを抱え、四人はきた道を引き返す。
軽く駆け足のホーリーは友人達へ振り返り、満面の笑みを見せた。
彼女が一つ、嘘をついていたことに気づく者はいない。
ホーリーは友人ができたから小説を読まなくなったわけではなかった。
紡がれる物語が楽しい、と思えなくなってしまったから、それらを手にしなくなったのだ。
幼いころは何もかも、どれもこれもが目新しく、自分の知らない世界を作り上げてくれる物語達が大好きだった。
しかし、彼女は気づいてしまう。紡がれる物語の世界は、全くの別物であるはずなのにどこか似通っており、代わり映えがしない。
同じ小説を読んでしまったのではないか、と錯覚し、タイトルや出版年を確認したことすらあった。
今の時代、物語を作るのは過去のデータを収集したAIの仕事だ。日夜新たな物語が生み出され、毎年どの物語が一番面白いものであったか、卓越していたか、などという賞まで存在している。
多様で高品質な物語を思う存分に享受することが許された時代だと人々は言う。
疑問を抱いたのはホーリーだけだ。少なくとも、彼女の周りにいる大人も子供も、皆、物語を楽しんでいる。
「楽しみって言えば、マリユスはあれ買ったか?」
「どれ?」
「少年ミライ」
「あぁ、買ったよ」
「今週もめちゃくちゃ面白かったよな!」
彼らが話しているのは人気のある週刊漫画雑誌のことだ。
十代の男子をメインターゲットに据えており、恋愛や冒険、わずかなエロスが含まれる漫画が生成、掲載されている。連載漫画は途中で打ち切られることはなく、予定通りに進み、予定通りに終わりを迎える。惜しむ声が上がる作品も少なくないのだが、AIが的確に判断した終わりに文句をつけることはできない。
おおよそ三百ページという読みごたえもあり、必ず数作品は好きな作品ができてしまうところも人気の秘訣だ。
「わかる。来週が楽しみだよ」
「どんな展開だったんだ?」
「お前買ってねぇのかよ!」
頷くマリユスにシオンが尋ねれば、エミリオは大げさに驚いてみせる。
男子向けの漫画雑誌とはいえ、女子が楽しめないのかと問われればそんなことはない。実際、少年ミライを愛読している十代女子も多く、兄妹のいる家庭では回し読みされるのが日常的な風景だ。
「私は月刊グラス派なもんでな」
こちらは少女向けの漫画雑誌。
苦しみを乗り越え、最後には主人公が報われる、というパターンの話ばかりだが、人気は高い。
「『ブラッシュ』って漫画がさ、ヒロインを救出した! ってところで背後から謎の影が出てきて、ってとこで終わってんだよ!」
「それは……気になるな」
身振り手振りを加えて説明するエミリオへシオンは深く頷く。瞳を見れば、彼女もその先の展開に興味を持っていることがわかるだろう。
彼らを横目に、ホーリーは胸中でひっそりとため息をつく。
その影は味方の影で、主人公とヒロインはほっと一息をつく。その途端、敵の味とが崩れ始め、彼らは共に脱出するべく走り出す。
きっと、先の展開はそんなところだろう。
いつも通りの王道。
王道が悪いわけではない。
多くを楽しませることができるからこそ、王を冠することができる。
しかしながら、この広い世界にそればかりが溢れているというのは、些か問題があるというもの。もう少し捻った作品があってもいいはずだ。
予想外、邪道というスパイスがあるからこそ、王道というものはより強い輝きを放つのだ。
わかりやすく、いつも通りが溢れてしまう物語ばかりではつまらない。わかりきった展開ばかりを読む時間があるのであれば、昨日見た夢でも思い返しているほうがずっと楽しくて有意義に思えた。
「あ、ほらほら海に入ろうよ!」
「よっしゃ! オレいっちばん!」
大きな星が一つ描かれたサーフボードを掲げ、エミリオは海へと突入していく。
彼の後へホーリーが続き、ザブザブと波を掻き分ける。
センサーが波を捕まえてくれるとはいえ、砂に足がつくような浅瀬で楽しむようなスポーツではない。沖までは自力でいかなければならないのがサーフィンの辛いところだ。
「どうせなら上に乗ってるだけで前に進んでくれるようなボードにしてくれたらいいのに」
「それだったら船でいいじゃん」
「船に乗って沖に行くよりも、ボードで行くほうが雰囲気はあるでしょ?」
大きさによっては免許を必要とされる船よりも、人一人しか運べぬとはいえ小回りが利き、最低限の働きをしてくれ、サーフィンの雰囲気まで存分に楽しませてくれる装置の方がいい。
ホーリーの提案はエミリオの心には刺さらなかったらしく、彼は後ろを振り返りながら小首を傾げている。
「ボクはホーリーの案に賛成するね」
二人の後方から、マリユスが声を割り込ませた。
見れば、彼は自身の後ろを指差している。
「そうであったならば、シオンがあれほど苦労することはなかっただろうし」
指の先をたどれば、顔を俯け、ボードに張り付くようにして脱力しているシオンの姿があった。地面に足が届く範囲はとうに抜けており、ボードの上から波を掻くような動作は彼女を消耗させるに充分なものであったらしい。
普段はマリユスよりも体力があるシオンだというのに、今は肩を激しく上下させ、体力の限界を示している。
「シ、シオンちゃん!」
慌ててホーリーが波を掻き、彼女へと近づいていく。
ボードがあるため、溺れる心配はないだろうけれど、流れに乗って遠くの彼方まで行ってしまいそうな気配はあった。
「こりゃ先は長そうだ」
「シオンが回復しなかったらボール遊びに切り替えよう」
「それがいいな」
男子二人は寄り添う女子を眺め、肩をすくめあう。
運動能力の高いシオンのことだ。コツさえ掴んでしまえばあっさりと乗りこなすだろうけれど、今の様子を見るに、そこへ至るよりも先に溺れるか沖に流されるかになりそうだ。
「慣れたら楽なんだけどね」
四人の中で最も体力がないのはマリユスであり、彼が平然としていられるというのにシオンがダウンする理由がよくわからない。経験の差というものがいかに重要か、ということだろうか。
結局、シオンの体力が回復するのを待った後、一度だけ波に乗ってその日のサーフィンは終わりとなった。
何も海で楽しめる遊びは一つではない。
ボードを返しに行ったついでに彼らはボールを借り、砂浜で遊び、また海へ入り、カキ氷を食べて楽しい夏のひと時を過ごす。
「楽しかったな」
「来年こそはサーフィンをマスターしたいものだ」
帰りの大型移動容器に乗り、今日と未来の話に興じた。
和気藹々と語り合う三人と違い、ホーリーだけは目をしばたかせ、首をかくりかくりと揺らす。泳ぎ、走り、食べることで消費した体力は底をついており、体は休息を求めて彼女を眠らせようとしていた。家につくまで、まだ友人達と話したいことがたくさんある。感情を体は考慮してくれない。
「ホーリー?」
顔が覗き込まれ、名を呼ばれている。
わかっている。聞こえている。だが、ホーリーは言葉を紡ぐために舌を動かすことができなかった。
思考には濃い靄がかかり、四肢の自由は奪われる。夢か現か、その狭間で揺れ、交じり合い、すとん、と意識は闇の中へと落ちて行く。
「大丈夫か?」
「息はしてるぞ」
エミリオがホーリーの肩を揺らし、シオンが呼吸を確認する。
何も知らなければ、すぐさま病院へ連絡していたことだろう。原因不明の事態だ。一介の中学生にできることなど何もない。
「これが眠るってやつかな」
「ひとまず目的地まではそっとしておいてあげようか」
「それでも起きなかったら?」
「病院に連絡かな……」
幸いにして、彼らは眠るという事象を知っている。どのような状態に陥るか、という話もホーリーから聞かされていたため、様子を見るという選択肢を取ることができた。
疲れて眠る身に、緊急搬送用サイレンは少々耳障りだ。
数種類ずつのデザインは見ているだけでも楽しいものがあり、四人は次はボールを借りよう、浮き輪にしよう、と新たな盛り上がりを見せていた。
「楽しみだね!」
借りたボードを抱え、四人はきた道を引き返す。
軽く駆け足のホーリーは友人達へ振り返り、満面の笑みを見せた。
彼女が一つ、嘘をついていたことに気づく者はいない。
ホーリーは友人ができたから小説を読まなくなったわけではなかった。
紡がれる物語が楽しい、と思えなくなってしまったから、それらを手にしなくなったのだ。
幼いころは何もかも、どれもこれもが目新しく、自分の知らない世界を作り上げてくれる物語達が大好きだった。
しかし、彼女は気づいてしまう。紡がれる物語の世界は、全くの別物であるはずなのにどこか似通っており、代わり映えがしない。
同じ小説を読んでしまったのではないか、と錯覚し、タイトルや出版年を確認したことすらあった。
今の時代、物語を作るのは過去のデータを収集したAIの仕事だ。日夜新たな物語が生み出され、毎年どの物語が一番面白いものであったか、卓越していたか、などという賞まで存在している。
多様で高品質な物語を思う存分に享受することが許された時代だと人々は言う。
疑問を抱いたのはホーリーだけだ。少なくとも、彼女の周りにいる大人も子供も、皆、物語を楽しんでいる。
「楽しみって言えば、マリユスはあれ買ったか?」
「どれ?」
「少年ミライ」
「あぁ、買ったよ」
「今週もめちゃくちゃ面白かったよな!」
彼らが話しているのは人気のある週刊漫画雑誌のことだ。
十代の男子をメインターゲットに据えており、恋愛や冒険、わずかなエロスが含まれる漫画が生成、掲載されている。連載漫画は途中で打ち切られることはなく、予定通りに進み、予定通りに終わりを迎える。惜しむ声が上がる作品も少なくないのだが、AIが的確に判断した終わりに文句をつけることはできない。
おおよそ三百ページという読みごたえもあり、必ず数作品は好きな作品ができてしまうところも人気の秘訣だ。
「わかる。来週が楽しみだよ」
「どんな展開だったんだ?」
「お前買ってねぇのかよ!」
頷くマリユスにシオンが尋ねれば、エミリオは大げさに驚いてみせる。
男子向けの漫画雑誌とはいえ、女子が楽しめないのかと問われればそんなことはない。実際、少年ミライを愛読している十代女子も多く、兄妹のいる家庭では回し読みされるのが日常的な風景だ。
「私は月刊グラス派なもんでな」
こちらは少女向けの漫画雑誌。
苦しみを乗り越え、最後には主人公が報われる、というパターンの話ばかりだが、人気は高い。
「『ブラッシュ』って漫画がさ、ヒロインを救出した! ってところで背後から謎の影が出てきて、ってとこで終わってんだよ!」
「それは……気になるな」
身振り手振りを加えて説明するエミリオへシオンは深く頷く。瞳を見れば、彼女もその先の展開に興味を持っていることがわかるだろう。
彼らを横目に、ホーリーは胸中でひっそりとため息をつく。
その影は味方の影で、主人公とヒロインはほっと一息をつく。その途端、敵の味とが崩れ始め、彼らは共に脱出するべく走り出す。
きっと、先の展開はそんなところだろう。
いつも通りの王道。
王道が悪いわけではない。
多くを楽しませることができるからこそ、王を冠することができる。
しかしながら、この広い世界にそればかりが溢れているというのは、些か問題があるというもの。もう少し捻った作品があってもいいはずだ。
予想外、邪道というスパイスがあるからこそ、王道というものはより強い輝きを放つのだ。
わかりやすく、いつも通りが溢れてしまう物語ばかりではつまらない。わかりきった展開ばかりを読む時間があるのであれば、昨日見た夢でも思い返しているほうがずっと楽しくて有意義に思えた。
「あ、ほらほら海に入ろうよ!」
「よっしゃ! オレいっちばん!」
大きな星が一つ描かれたサーフボードを掲げ、エミリオは海へと突入していく。
彼の後へホーリーが続き、ザブザブと波を掻き分ける。
センサーが波を捕まえてくれるとはいえ、砂に足がつくような浅瀬で楽しむようなスポーツではない。沖までは自力でいかなければならないのがサーフィンの辛いところだ。
「どうせなら上に乗ってるだけで前に進んでくれるようなボードにしてくれたらいいのに」
「それだったら船でいいじゃん」
「船に乗って沖に行くよりも、ボードで行くほうが雰囲気はあるでしょ?」
大きさによっては免許を必要とされる船よりも、人一人しか運べぬとはいえ小回りが利き、最低限の働きをしてくれ、サーフィンの雰囲気まで存分に楽しませてくれる装置の方がいい。
ホーリーの提案はエミリオの心には刺さらなかったらしく、彼は後ろを振り返りながら小首を傾げている。
「ボクはホーリーの案に賛成するね」
二人の後方から、マリユスが声を割り込ませた。
見れば、彼は自身の後ろを指差している。
「そうであったならば、シオンがあれほど苦労することはなかっただろうし」
指の先をたどれば、顔を俯け、ボードに張り付くようにして脱力しているシオンの姿があった。地面に足が届く範囲はとうに抜けており、ボードの上から波を掻くような動作は彼女を消耗させるに充分なものであったらしい。
普段はマリユスよりも体力があるシオンだというのに、今は肩を激しく上下させ、体力の限界を示している。
「シ、シオンちゃん!」
慌ててホーリーが波を掻き、彼女へと近づいていく。
ボードがあるため、溺れる心配はないだろうけれど、流れに乗って遠くの彼方まで行ってしまいそうな気配はあった。
「こりゃ先は長そうだ」
「シオンが回復しなかったらボール遊びに切り替えよう」
「それがいいな」
男子二人は寄り添う女子を眺め、肩をすくめあう。
運動能力の高いシオンのことだ。コツさえ掴んでしまえばあっさりと乗りこなすだろうけれど、今の様子を見るに、そこへ至るよりも先に溺れるか沖に流されるかになりそうだ。
「慣れたら楽なんだけどね」
四人の中で最も体力がないのはマリユスであり、彼が平然としていられるというのにシオンがダウンする理由がよくわからない。経験の差というものがいかに重要か、ということだろうか。
結局、シオンの体力が回復するのを待った後、一度だけ波に乗ってその日のサーフィンは終わりとなった。
何も海で楽しめる遊びは一つではない。
ボードを返しに行ったついでに彼らはボールを借り、砂浜で遊び、また海へ入り、カキ氷を食べて楽しい夏のひと時を過ごす。
「楽しかったな」
「来年こそはサーフィンをマスターしたいものだ」
帰りの大型移動容器に乗り、今日と未来の話に興じた。
和気藹々と語り合う三人と違い、ホーリーだけは目をしばたかせ、首をかくりかくりと揺らす。泳ぎ、走り、食べることで消費した体力は底をついており、体は休息を求めて彼女を眠らせようとしていた。家につくまで、まだ友人達と話したいことがたくさんある。感情を体は考慮してくれない。
「ホーリー?」
顔が覗き込まれ、名を呼ばれている。
わかっている。聞こえている。だが、ホーリーは言葉を紡ぐために舌を動かすことができなかった。
思考には濃い靄がかかり、四肢の自由は奪われる。夢か現か、その狭間で揺れ、交じり合い、すとん、と意識は闇の中へと落ちて行く。
「大丈夫か?」
「息はしてるぞ」
エミリオがホーリーの肩を揺らし、シオンが呼吸を確認する。
何も知らなければ、すぐさま病院へ連絡していたことだろう。原因不明の事態だ。一介の中学生にできることなど何もない。
「これが眠るってやつかな」
「ひとまず目的地まではそっとしておいてあげようか」
「それでも起きなかったら?」
「病院に連絡かな……」
幸いにして、彼らは眠るという事象を知っている。どのような状態に陥るか、という話もホーリーから聞かされていたため、様子を見るという選択肢を取ることができた。
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