jkって本当に素晴らしいんですか?

くるの

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出会い

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「なぜ?どうして?」
「どうした、西宮」
「東区は考えたことがある?」
「何をだ?」
「なぜ、私がここにいるのか?」
「それは、文芸部員だからだろ。文芸部員が文芸部の部室にいることは変ではないよ。」
「あ、そうか。私文芸部に入部したのだったわね。」
「何をいまさら・・」
「黙りなさい、西区!」
え?なに?俺今黙りなさいって言われた?一学年下の西宮に。しかも、名前間違えられてる、西区じゃなくて東区だし、なにあいつ俺のこと地名だと思ってたわけ?そのうち南区とか言ってきそうで怖いんだけど。
「ねえ、南区」
「東区だよ」
言っちゃったよあいつ、俺の思った通りのこと言われちゃったよ。ひょっとしたら俺の心読まれてんじゃないの?怖い、怖い、西宮さん怖い。
「・・・」
そして、何も話さないよ!余計に怖いよ。用があったから名前呼んだんじゃないのか。わざわざ名前間違えてまで呼んだから何かあるはずだろ、それとも呼んでみたかっただけ?もしくはツッコまれたかっただけなのか?西宮さんってそういう人だっけ?そうだとしたら次は北区って呼んでボケるんじゃないのか?
「・・・」
まだ、黙ったまんまだ。正直俺はお前のボケ待ちだったよ。ツッコミ準備はできてるんだよ。なんなんだよ、この時間は!放課後の部室でボケ待ちの俺って誰なんだよ。今日の朝この状況が予想出来たら俺登校してないよ!
「何でもない」
いや、遅いよ。西宮さん遅すぎるよ。何を言おうとしたのか気になるよ。この時間西宮が考えたことが気になるよ。そして、ボケ待ちだった俺が恥ずかしいよ。
「ねえ、中区」
「東だよ。東区だよ。なんなんだよ、さっきからお前はボケてんのか?それとも俺をいじめてんのか?わかんないよお前が、そして怖かったよこの時間が」
「人は飛べると思う?」
「ん?待て、どうした今日の西宮おかしいよ。頭でも打ったか?西宮さん大丈夫ですか?病院連れていきましょうか?CTスキャンしてもらったほうがいいですよ。」
「CTスキャンしたら、私は空を飛べると思う?」
「無理だと思うよ。でも頭の異常は見つかると思うよ」
「なら行かない、北区一人で病院行ってきなよ」
「ん?待ってみそ、西宮さんは空が飛びたいの?病院に俺一人行っても西宮がいないとどうにもなんないよ、お医者さんが困るだけだよ。空飛びたいんだったらオウム教に入りなよ!そして、東区だよ。」
ここで、北区なのかよ!できれば予想していた時に北区って言って欲しかった。完全にフェイントくらったみたいだよ。
「東区、今日はよくしゃべるね」
「お前のせいだかんな。お前が意味不明なこと言ったり、ボケるからツッコんでんだよ。あと、よくしゃべるねって地味に傷つくから覚えといて。」
「足立区、今日はもう帰ろうよ」
「ひ!が!し!俺の名前は東区だから、なんだよ足立区って、ここ東京じゃないから。あこがれんなよ西宮。」
「落ち着いて、葛飾区」
「東じゃボケー。このくだり長いんじゃ。葛飾区って俺の好きな漫画じゃないか。」
「戸締りよろしくね。ばいばい」
「まて、一緒に帰るんじゃなかったのか、もういないじゃん」
まじか、あいつ年下だよな。てか、あいつ手帳忘れてるし。さすがに人の手帳見たらいけないよな。届けてやるか。届けるためにはあいつの家を知らないといけないから、手帳に書いてある住所を確認するだけ。それだけだから見たくて見ているわけじゃない。
「はあ!」
なんで手帳の中に俺の写真が入ってんの?もしかしてあいつ俺のこと・・・。
「すみません、世田谷区。手帳なかったですか」
「ふぇ、、手帳?手帳ならほらここにあるよ」
「なんで持ってるんですか?もしかして中見ました?」
「見ておりません。そして東区です。」
「なんで敬語なんですか?怪しい!本当に中見てないんですね?」
「もちろんだよ。俺が人の手帳見るわけないだら」
「だら?語尾が変ですよ。まあ、見てないんだったらよかったです。大切な写真が入っていたから。中央区また明日です。」
「東区だ」
あぶねー、まじで危ない。大切な写真って言ってたな。あいつ、もしかして俺のこと好きなのか?今までそんな素振りなかったからびっくりした。今まで俺はあいつのおもちゃにしか思われてないと思った。
校内放送がコンクリートの校舎に響き渡った「校内に残っている生徒は速やかに下校してください」運動部が校庭の片づけをしだし、文化部が話しながら廊下を歩いている声が響き渡り校舎がだんだん騒がしくなり、静かになっていくのを感じた。ふと校庭を見ると西宮が歩いているのが見えた。
はぁ、先輩見てくれたかな?それにしても先輩動揺しすぎだよ。あんな反応されたら私が恥ずかしくなっちゃうよ。私変じゃなかったかな?顔赤くなってなかったかな?はぁ、どうしよう。ついに先輩にばらしちゃったよ。ちゃんと私の気持ちに気づいてくれたかな?もっと先輩と一緒にいたかった。あの時間が永遠に続いたらよかったのに、早く明日になって先輩に会いたいな。先輩好きだよ

翌朝
「荒川区おはよう」
「東区だ!お前わざとだろ」
「今頃気づいたのですか、わざと以外何でもないわよ。おーほほほほ」
「お前どうした、キャラ変わってるしむかつく」
「ム・・・先に行きます」
「おう、気を付けるんだぞ」
「死ね」
なんでだよ、俺何かしたか?なぞだ。
でも今日西宮の登校時間早いな、いつもは遅刻ギリギリなのに何かあったのか?あ!今日朝から小テストじゃないか、なんで西宮は教えてくれなかったんだよ。あの野郎!!!

朝から東区と話すために早起きしてしまった。昨日のこと覚えてるかな?私の気持ちがちゃんと伝わってなかったのかな?さっきも普通の反応だったな、早く放課後になってくれないかな。

「おりゃああああああ、西宮」
「うひぇ、、、何///」
「待てぇー、お前」
「何ですか?東区」
「東区だ!え、いいのか。そんなことよりお前今日小テストあるのなんで教えてくれなかったんだよ!」
「え?今日小テスト?嘘!!でも先輩と私学年が違いますよね」
「あ、そうだった。つい、お前に後輩感がなかったから、タメかと思って、」
「思ってなんですか?先輩は謝るってことを知らないんですか?よくそれで、平和な人間関係を築けてきましたねw」
「こ、こいつ。俺の勘違いでした、ごめんなさい」
「よく聞こえません」
「この野郎、絶対に埋めてやる。大変申し訳ございませんでした。俺が悪かったです。これでいいですか」
「まあ、よくできました。えらいですね。せ・ん・ぱ・い」
「早く行っちまえ。この野郎」
くそ朝から嫌な思いさせやがって、絶対あいつ俺のこと嫌いだよな。昨日の写真も俺のことを殺すために日々憎悪を掻き立てるために携帯しているだけに違いない。
「ああーーー、遅刻する。あああ!小テストがああ」
あの野郎!!放課後に文句言ってやる。
8時45分、東区は15分の遅刻のため生徒指導室に連行され、反省文を書くこととなった。そして、小テストは受けることができず放課後まで西宮を殺す計画を企てているのである。
「西宮死す」
「東区、またお前西宮に負けたのかよ。仲がいいカップルですね」
「カップルじゃねーよ!!お前も西宮暗殺計画のターゲットに加えるぞ!」
「おー、こわ。そんなの考えても時間の無駄だって。お前と西宮では脳みその出来が違うんだって」
「ああん?」
「西宮の前回の中間テストの結果見たか?」
「あー、掲示板に貼りだされていたやつか、確かに西宮は頭がいいけど、こういうのは頭が良い悪いで決まらないの!ひらめきが大切なんだよ。いくら学年トップでも俺のひらめきにはかなわないんだよ!わかったか」
「あーそうですか。わかりましたよ!では頑張ってひらめいててください。俺は食堂で優雅にお昼にしますから」
「まて、俺も一緒に食いに行くから、あと5分待って」
「3分間まってやる」
「パクリだな」
「うるせー、もういくかんな」
「二連続パクリだ」
「死ね」
「あははははは、照れてる。顔赤くなってる!かわいいなお前は、あー待ってってば」

食堂につくと本日の日替わりメニューを注文して席に着いた。
「ピ」
「なぁ、東区お前本当は西宮のことどう思ってるんだよ!」
「どうも思ってないよ」
「嘘だー、本当はどう思ってるんだよ。西宮は頭良くて、顔もよくて、体の発育もいい!最高じゃないか」
「なあ、思ったんだが、ひょっとしたらお前が西宮のこと好きなんじゃないか?俺は何とも思ってないから頑張れよ」
「そりゃあんな完璧な人と付き合えればいいけど、西宮は俺のことなんか眼中にないから、西宮はおまえが好きだから応援してるんじゃないか」
すると食堂に西宮の声が響いた。
「はああああああ!好きじゃないし!私は先輩なんて好きじゃないし、嫌いだから!勘違いしないでよね」
「に、西宮!おい西宮どうした。急に叫び出して、俺のことが嫌いってどんだけ嫌いなんだよ!え?てかなんで俺らの話の内容知っているの?」西宮はイヤホンを外して携帯を隠した。
「ほほおーん。なるほどお前その携帯で俺たちの会話盗み聞きしてたのか。なるほどね!さて、通話相手は誰ですかね。ねぇ、木下!!お前もグルなのかよ!」
「お、俺は何も知らないよ。何も知らないし何もしてない。」
「嘘つけー!この野郎!西宮もどういうつもりなんだよ」
「わ、私は偶然聞こえちゃって、偶然木下君と電話がつながっただけよ。」
「ば、西宮それはいうな」
「さあ、どういうことなんだ西宮さんと木下君。さてはさっきのピって音は携帯操作の音か!」
西宮は木下を置いて逃げた。
「西宮さあああああん、あなたちょっと卑怯ですよ、全部ばれちゃいましたよ」
食堂で注目の的になって、恥ずかしい!なんの罰ゲームだよ。俺なにかしたかよ!もういい教室に戻って次の授業準備するわ。
東区は食べかけの日替わり定食コロッケの盛り合わせを食べかけのまま、食堂を出て教室に向かった。
「おい、東区どこ行くんだよ。コロッケもらっていいのかよ」
「うるさい。誰のせいだと思ってるんだよ。食って片してくれ」

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