戦国食堂はじめます〜玄米にお湯をかけるだけの戦国料理…私がもっと美味しいもの作ります〜

好葉

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さば料理

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今日の夜ご飯はさばに決定だね。
久々の魚に心が躍る。
よしさんがやすさんに質問していた。

「どうしたんだい。このさば?」

「弟から大量に貰ったんだよ。家で食っても良かったんだが、どうせなら美味しく食べたいだろう。」

だからこの店に来たんですよね。
最後まで言わなくてもやすさんの目がそう語っていた。
よしさんはやれやれと首を振っている。
魚は近頃食べてないし私も食べたいのでやすさんの思いに答えよう。

「わかりました。作ります、座って待っててください。残りのさばって貰ってもいいですか?」

持って来てくれたということは貰ってもいいという事だろうけど、一応確認する。

「んなもん。当ったり前だろ。その為に持って来たんだからよ。」

やすさんの許可を貰い、料理に取り掛かる。
さばといえば味噌煮が真っ先に浮かんだ。
もう一つはさばの梅味噌煮も作ってみようかな、食べ比べも面白いだろうし。
よし、今日は二種類作ってみよう。

まずはさばを捌いていくがその時に骨も抜いていく。
圧力鍋とか時間があれば骨まで柔らかく食べれるけど今日は時間もないので骨を抜き食べやすくする。

鍋を二つ用意して両方に水、甘酒、味噌を入れる。
片方には追加で梅干しの種と崩した梅の身も入れる。

さっき使った梅干しの種を取っておいて良かった。
何かに使えるかもと思って取っておいたのだ。
両方の鍋を火にかけてぐつぐつになるまで待つ。

その待っている間にさばの表、裏に熱湯をかけて下処理する。
そろそろ、鍋が沸騰してきたので味をみる。

梅煮の方はいい感じだが、味噌煮の方が少し味が薄い気がしたので少し塩をたす。
煮込むと味が濃くなるのでここでしっかり味をみておく。

時々煮汁をさばにかけながら煮込む。
しばらくすると煮汁がトロトロになってきた。
これで、サバの味噌煮とさばの梅味噌煮が完成。
早く食べたい!!

私はシンプルなさばの味噌煮の方が好きなんだけど、おばあちゃん家ではよく梅味噌煮の方が出てたっけ。
みんなはどの味が好きかなと考えながら器に盛りつける。

さばの味噌煮といえばやっぱりご飯でしょ。
そのままでも美味しいけどご飯があれば無敵。
炊いてある玄米も盛り付けて外にいる二人に持って行く。

「出来ましたよ~。さばの味噌煮とさばの梅味噌煮です。」

やすさんとよしさんそれからいつ来たのかわからないが時次さんもいた。
やすさんは目を輝かせて拍手までしている。

「待ってました!ん~、いい匂いじゃねぇか。」

やすさんの座る長椅子に二種類のさば味噌とご飯を置く。

「時次さんも食べていきませんか?梅の料理、頼まれていたものとは別にもう一つ作ってみたので味をみていってください。やすさんからの貰い物で作ってみたんです。」

梅味噌煮が気に入ったらこっちも持ってて貰おう。
時次さんはやすさんの長椅子に置いた料理を見て頷いた。

「美味しそうですね。では私の分もお願いします。」

急いで時次さんの分も準備しようと台所に向かったけど、よしさんが時次さんの分を用意していた。
まるで、時次さんが食べる事を予測していたみたいだ。

皆が椅子に座ったところで一緒にご飯を食べる。
やっぱり最初はさば味噌からかなぁ。
さば味噌を一つ小皿に取り、一口食べる。

久々の魚…美味しすぎる。
さばがホロホロ…とろけていく。
そこに玄米を口の中に放り込む。

味噌味が飽きてきたと何度思っても、食べてしまえば味噌の偉大さにいつも感動してしまう。

ご飯何杯でもいけちゃう。
一人、幸せの味に浸る。

チラリと横を見ると皆それぞれ違う味のものを食べていた。
時次さんは梅、よしさんとやすさんは味噌の方を食べていた。

やすさんは頭を抱えていたまま止まっているが口元だけがモグモグと動いている。
美術館で見る考える人のポーズみたい。
よしさんは口元に手を当てたままやすさんと同じく口だけが動いていた。

時次さんはというと小皿の梅味噌のさばを見つめながら咀嚼に合わせて何度も頷いている。
皆さんをひとまず現実世界に戻す。

「味の方どうですか?」

私の問いかけに最初に答えてくれたのは時次さんだった。

「梅の味噌煮は初めて食べたんですがさっぱりしていて美味しいですね。こういう味もありかもしれないです。」

私はあんまり好きな味ではないけど美味しいと感じてくれたのなら良かった。
時次さんが美味しいと感じたのなら帰りに注文していたものと一緒に渡そう。
味噌煮の方も時次さんにすすめているとよしさんもさっきの私の問いに答えてくれた。

「私はどちらかといったら梅煮の方が好きだねぇ。さっぱりしていて食べやすくて。」

へぇ~、よしさんって梅煮の方が好きなんだ、少し意外かもなぁ。

現代でも梅煮って好きな人はさば味噌より好きっていう人もいたからね、好き嫌いも別れたりするし二種類作ってみて良かったな。
皆の好みもわかるしね。

「さば味噌も美味しいです。私はさば味噌の方が好みですね。後、食べても食べても骨の姿が見当たらないのですが…。」

時次さんさんは先ほど私が勧めたさば味噌の方を食べていた。
味噌の方が好きなんだ、覚えておこう。
時次さんの質問に答えた。

「骨は下処理の時にある程度取りました。」

私の答えに時次さんはまだ納得していないようだ。
少し考えてからもう一度質問してくる。

「確かに骨が無いので随分食べやすくなってますが、理由はそれだけでしょうか?」

さすが時次さん、でも理由っていうほどの理由ではないけど。

「食べやすさもそうですが、私が食べてきたさば味噌って骨も柔らかくて一緒に食べれるんです。時間がもう少しあれば骨も柔らかく出来たんですけど…。後、骨が口の中に入った時って食べることに集中できなくて骨に意識がいってしまうのが嫌なんですよね。」

さば味噌を食べてガッカリする時って味はいいのに骨が柔らかくない時なんだよね。
この骨さえなければ…って思う時が時々あった。

だから、私が作る時は骨を気にしない程柔らかくするか、抜くかどちらかにする。
決して骨が嫌いって訳じゃない、小さい頃はさば味噌の身の部分じゃなくて柔らかい骨の部分が好きだったぐらい。

理由というよりは食に対しての私のわがままかな。
私の答えにもなっていないような答えで時次さんは納得してくれたみたい。
なるほど…って小声が聞こえた。

「菜ちゃんの優しさだな…。はぁ…、骨も食えるようになるのかこの料理。ちなみに俺は味噌の方が好きだ。」

やすさんはまだ考える人のポーズのままでさばを食べ続けている。
一応こちらの話は聞いてたみたいで、好みまで教えてくれた。
やすさんは予想どおりで味噌が好きみたい。

まぁ、普通は骨を残すのが当たり前だよね。
この時代、骨を食べるってこと自体ないみたい。

横を見ると皆それぞれ自分の好きな味付けのものをご飯と一緒に食べていた。
やすさんはご飯にさば味噌をワンクッションおいてから食べる技を習得していた。

確かに、それやるとご飯も美味しく食べれるけど…。
自然にその技を習得しているやすさんに苦笑いしてしまう。
いっぱい食べてくれるのってやっぱり嬉しい。
頬が自然にゆるんでいた。

さば味噌煮も梅味噌煮も両方大成功かな。
この時やすさんが何か決心している事を誰も知らずにいたのだった。




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