戦国食堂はじめます〜玄米にお湯をかけるだけの戦国料理…私がもっと美味しいもの作ります〜

好葉

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梅のつまみ

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店に戻るとよしさんが起きていた。

「おはようございます。」

「おはよう。今日は随分早く起きたのねぇ。」

「目が覚めちゃって。さっき時次さんの友人に出会って注文を頂きました。おにぎりと甘酒とこの持参した梅干しでの料理だそうです。」

今日の朝の出来事を話した。
よしさんは少し困っている様子だ。

「材料がないんじゃない?甘酒は無理なんじゃ…。」

その事について話そうと口を開いた時、外から時次さんの声がした。

「すいませーん。」

急いで外に向かう。
外には時次さんが立っていた。

「時次さん、おはようございます。材料の件ですよね。」

持って来るの早すぎるような気がするけど…。

「おはようございます。こちらが米麹です。私の友人も甘酒をとても気に入っていました。本当にありがとうございます。」

お辞儀をしたあと、米麹が入った袋を渡された。

「いえいえ、気に入ってくれて良かったです。確かに米麹受け取りました。ご注文の方ですがおにぎりと甘酒、後梅干しを使った料理でよろしいでしょうか。」

袋の中に米麹が入っている事を確認し、注文の内容の方も一応確認しておく。

「…梅干しの料理…ですか…。それは…初耳ですね。」

時次さんの眉間にしわが寄っている。
あれ…知らなかったのかな…。

「先程時次さんのご友人さんに会いまして、その時に梅干しを頂いたんです。その梅干しで料理をして欲しいと言われたんですが…。」

時次さんの眉間のしわが深くなり、頭を抱えている。

「えっと、時次さん大丈夫ですか?」

ため息をついて時次さんはこちらを見た。

「はぁ…、聞いてなかったものですから。ではそちらもお願いします。いつも急ですいません。」

やっぱり、知らなかったんだ。
時次さんも大変なんだなと思い苦笑いしてしまう。

「大丈夫ですよ、仕事ですから。ご友人から先に頂いた代金ですがこれだと少し…いや、かなり多くて。もしかしたら手持ちが無かったのかと思いましてこちらお釣りです。」

本当は作ってからお釣りを渡そうと思ったけど、代金が大きいのでなるべく早く解決したかった。
時次さんは一向にお釣りを受け取ろうとしない。
やっぱり…作ってからの方が良かったかな…。

「いえ、こちらはお釣りではなく、お礼分だと思いますので、貰っても大丈夫だと思いますよ。」

チップみたいな物だろうか。
だとしても多すぎる、一日の売り上げの何倍もある。
やっぱり受け取れない。
時次さんの手を取りその手に代金をのせる。

「これは受け取れません。」

時次さんは驚いた様子だった。

「受け取れない理由を聞いてもよろしいですか。」

代金が多すぎると理由もあるけど…。

「このお釣りがお礼という事なら私の料理を食べてからでお願いします。今回の料理もお気に召すかわからないのに代金以上の金額は受け取れません。そしてできれば、お礼と思うのでしたら代金を多くするよりも一品多くお料理を頼んでくれる方が嬉しいです。」

時次さんは私の話を聞いて頷いてくれた。
良かった、納得してくれたみたいだ。

「わかりました。このお釣りは受け取ります。」

代金の件はこれで大丈夫かな。
そろそろ山に行かないと店の開店時間になってしまう。

「私そろそろ山に行かないといけないのでこれで…。」

時次さんに背を向けた時、声を掛けられた。

「あの、私も一緒に行ってもよろしいでしょうか。」

特に一緒に行ってはいけない理由がないので承諾することにした。

「いいですよ。ちょっと待っててください。今準備してきます。」

急いで山に行く準備をして、時次さんと山に向かった。
私はいつもどおり山菜を採り、時次さんも手伝ってくれた。

その時にきゅうりっぽいものを見つけた。
気になり籠の中に何個か入れる。
何かに使えればいいなぁ。

そろそろ帰ろうと立ち上がろうとした時に時次さんが口に一指し指をおき、草むらを指さした。
指さした方向を目を細めて見てみるが何がいるか私にはわからない。

おもむろに時次さんが下に落ちていた石を拾う。
狙いを定めて草むらに石を投げると、バサッと何かが倒れる音がした。

「少し待っていてください。」

時次さんは石を投げた方向に歩いて行くと何か手に持つ。
それを持って私の方に近づくにつれて持っているのが鳥だというのがわかった。

私はポカーンとしながらその光景を見て、拍手をした。
やすさんが言っていた事をこの目で見る事が出来るとは思わなかった。

「私はあまり料理しないので貰って頂けると嬉しいです。今簡単にさばいときますね。」

そう言ってその場でさばき始めた。
料理しない割に刃物の扱いにに慣れている気がする…。
鳥はありがたく貰うことにした。

「ありがとうございます…。」

山での採取の手伝いといい、鳥といい時次さんなりのお礼なのかなと考える。
さばいている間私は少しだけ山菜の採取を続行した。
その後山を下りて時次さんと別れて店に戻った。

店が開店してからよしさんと交代しながら甘酒を作る。
今日も早めに売り切れたので店を閉めた。

やっぱり、少しづつだけどお客さん増えてるような気がする。
毎日作る量を増やしているが近頃は毎日売り切れである。
繁盛することは嬉しいからいいけど、明日も作る量増やさなくては。

店は閉めたがまだ注文は残っている。
ひとまず、昨日と同じおにぎりを作った後に梅のつまみを用意する。

今日作ろうと思ったのは現代でもお馴染みの鳥ときゅうりの梅和えだ。
居酒屋とかにたまにある。
さっぱりしていて美味しいんだよね。

作り方も簡単だ。
問題はこのきゅうりもどきだ。
きゅうりぽいって理由だけで取って来たので、きゅうりという保証はない。
きゅうりもどきを切ってみるけど中は私が知っているきゅうりと同じ。
匂いもきゅうりの匂いがする。

味噌を用意してきゅうりもどきに付けて食べてみた。
うん、味も私が知っているきゅうりだ。

きゅうりが使える事を確認して料理を開始。
蒸した鳥肉ときゅうりと種を取り除いた梅、塩少々を混ぜ合わせれば完成。
一息ついていた時、外からやすさんの声が聞こえた。

「菜ちゃん~。さば持って来たぞ~。」

外に出るとやすさんがさばを持ってよしさんと話していた。
桶の中にはさばが入っていた。
やすさんが私の顔をキラキラした目つきで見て来る。
あぁ…、これは私に料理してくれってことかな…。
やすさんの顔を見てよしさんと私はあきれながら笑った。
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