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天ぷらとうどん(実食)
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そこに立っていたいたのはりゅうさんだった。
時次さんは呆れている。
「はぁ…、とにかくこの梅も半分…いや、菜さんがいらない分はこちらで引き取ります。」
「そうしてもらうと助かります。」
籠の梅の実は三分の二と明日届く梅の実全部を引き取って貰う事にした。
りゅうさんは一人考え込んでぽそりと呟く。
「…量多かった?」
「「はい!!すっごっく!!」」
時次さんと私は満面の笑みで答えた。
「今度からは買う量は菜に相談するように心掛けるよ。」
「そうして欲しいです。お願いします。」
今日のようなことがあると凄く困るので力を込めて言った。
後この人さりげなく私の名前で呼んでる。
別にいいんだけど…少し気になってしまった。
というか今度っていう事はまた買いに行くんですね…。
店中に二人を入れる時、時次さんに壺いっぱいの蜂蜜を貰った。
その場でお金を払うと言ったのだが、時次さん自ら採って来たので代金はいらないと言う。
それでも払うと言おうと思ったのだが、ニコリと微笑んで頭をなでられている間に言うタイミングを逃してしまった。
恐ろしいイケメンマジック!
壺を抱えながら台所に向かい、うどんの準備を開始。
梅の実に蜂蜜を入れるのは後にして、まずはうどんを茹でる。
茹でたうどんを井戸水で冷やしておき、冷やしている間に油で天ぷらを揚げていく。
天ぷら粉を具材にまんべんなく付けて油の中に入れる。
油に入れる際に具材に付けた天ぷら粉が落ちてしまうので油に入れてから少し天ぷら粉をたらして衣をまとわせる。
そうすると衣もいい厚さにになりより天ぷらを楽しむことが出来るのだ。
次々と天ぷらが揚がっていき、ゴクリと生唾を飲む。
山菜の小さな欠片があったので味見で塩をかけて食べてみた。
これは…これは…、二人の反応が楽しみだ。
ふふふっ…と不敵な笑みを浮かべながら天ぷら器にのせ、小皿には塩をのせた。
つゆはうどんとは別々の器に入れ、二人の元に持って行く。
流石に一人で二人分は持っていけないのでよしさんと一緒に運んだ。
「お待たせいたしました。うどんと天ぷらのセットです。」
お二人の前に料理を置いた。
りゅうさんと時次さんは料理を真剣に見ていて、特に天ぷらをじーっと見ていた。
「冷めないうちにどうぞ。」
私が勧めない限り食べないんじゃないかと思うほど見ているので一声かけた。
りゅうさんは私の手元を見てから頭を傾げた。
何か足りないものでもあっただろうか。
「菜はここで食べないの?」
「…えっ…。」
まさかそんなことを言うと思っていなくてポカンと口を開けてしまった。
今日の昼も同じ事を言われたな…と考えていると時次さんと目が合った。
時次さんはコクリと一回頷いた。
きっとこれは一緒に食べてくれと言ってるに違いないと判断し、私も時次さんにコクリと頷いて見せた。
「えーっと。では、ご一緒させていただきます。」
急いで自分のうどんと天ぷらを用意し、一緒の場所で頂く。
「食べる前に菜に質問していい?」
「はい、私がわかる範囲でなら。」
「これは…うどんだという事はわかるけど、これは何?」
りゅうさんは天ぷらを指さして質問した。
確か江戸時代じゃないと天ぷらって無いから不思議に思うよね。
「こちらは天ぷらと言って饂飩粉と卵、水を混ぜたものを具材にまとわせて油で揚げたものです。食べる際は小皿にのっている塩かこっちのつゆを付けて食べてください。」
簡単に料理方法を教えて一応食べ方も教えた。
時次さんも疑問を思ったことがあったらしくりゅうさんに続いて質問された。
「これが天ぷらのつゆだとすると…うどんはこのまま食べるのですか?」
「あっ、このつゆは天ぷら用のつゆって訳ではなくてうどんも付けて食べていいんですよ。」
口だけの説明って難しいな…上手く伝わったか不安だ。
「じゃぁ、先に君が食べて見せてよ。」
話を聞いていたりゅうさんが提案してくれた。
説明するよりも見本を見せた方が早いと思い実践することに。
「では、先に食べて見せますね。では、先に頂きます。」
うどんがのっている皿から一口分箸で取りつゆに付けて食べて見せた。
うん!モチモチしている、初めて作った割には弾力のあるうどんに仕上がったと思う。
次に天ぷらをつゆに付けて食べる。
一口かじるとサクっといい音がした。
この音は人々の口内妄想と誘惑を掻き立てる歌である。
つゆに天ぷらの油が浮いた所にまたうどんを付けて食べた。
この油が浮いた所でまたうどんを食べるのが私的に最高に美味しい。
後もう一口食べたい気持ちを抑えて二人の顔を見た。
じーっとこちらを見ていた。
食べる姿を見せるのは少し恥ずかしい。
「…こんな感じで食べます…。」
りゅうさんがこちらを見たまま話す。
「菜って…美味しそうに食べるよね…。」
「ええ。見惚れてしまうほどに。」
「みほれ…って…。」
りゅうさんだけではなく時次さんまでもが私を褒めるがそんなの嬉しくない、ただただ恥ずかしいだけ…。
次に食べる見本を見せてくれと言われたら今日の事を思い出してきっとやらないと思う、いや出来ない。
「とにかく!食べて見てください!!」
恥ずかしくて耳が少し熱くなっているのを感じた。
二人は私を見てクスリと笑いうどんを食べ始める。
「「…ズズズっ…、サクサク…、ズズ…。」」
食べ始めた二人を見て静かに笑った。
うどんをすする音と天ぷらの音だけが部屋に響いていた。
二人を少し観察してから私も止めていた箸を進める。
しばらくしてりゅうさんと時次さんは共に八杯ずつうどんと天ぷらをおかわりした。
そんなに食べても大丈夫かなと私の不安をよそに、八杯食べ終わるまで二人とも喋らなかった。
お腹が落ち着いた頃にりゅうさんがうどんと天ぷらの感想を話してくれた。
「普通は温かい汁にうどんが入っているものだけど、これはうどん自体が冷たくて驚いた。こういう暑い日は食欲がわかないからいいね。この天ぷらというのは初めて食べたけど…この歯ごたえといい味と言い実に美味しい。」
昔は冷たいうどんを食べなかったらしい、どうやらお腹を壊すとか何とかで甘酒も温かいものが主流だったみたい。
でも、暑い日にはアイスしかり冷たいものが食べたくなるものだ。
うどんが冷たいのでつゆは少し温かめにした。
これで本当にお腹を壊されたら怖いからね。
時次さんは考え込みゆっくり話し始めた。
「このうどんは甲斐のほうとうに似ていますね…。姿形は違いますが…。」
「たぶん…同じ小麦こ…じゃなくて饂飩粉が材料だからだと思います。多分…。」
郷土料理ぐらいの知識しかなかったので戦国時代からある事に驚いた。
でも、ほうとうもうどんも小麦粉があれば何とかなる。
「この天ぷらには感動しましたね。このつゆが実に美味しく、実に天ぷらに合いますね。」
「あぁこのつゆは…。」
つゆの作り方を時次さんに教えようとした時、よしさんに襖の外から声を掛けられた。
少し失礼してよしさんの元に向かった。
よしさんは困った顔をしている一体何があったのだろうか。
「大変だよ。一人の客が、さっきあんたが作った同じ料理を食べたいって言うんだよ。」
「えっ、誰にも見られてないはずなのに…。どうして…。」
運ぶときすれ違うお客さんはいなかったのにどこで見られたのだろう。
思い出してみるが心当たりが全くない。
そもそも、閉店まじかだったので店内にお客さんはいなかったはずだ。
頭の中でぐるぐる考えても埒が明かない、まずお客さんの元に向かい話してみることにした。
天ぷらには余裕があるし、うどんもちょうど一人前ぐらいならあるからいけるかもしれない。
お客さんの元に向かうとあの小麦粉を売っていた虎と言う男がいた。
「やぁ~、お嬢さん朝ぶりだね。さっきの料理をお願いしたい。」
たしかにまた今度とは言ってはいたが今日の今日来るか普通…。
「えーっと、さっき作った料理ですね。一人前でよろしいでしょうか。」
虎という男は意味深に微笑んだ。
「いや、この後連れがくる。二人前欲しい。」
待って、それだとうどんが足りない、どうしよう…。
時次さんは呆れている。
「はぁ…、とにかくこの梅も半分…いや、菜さんがいらない分はこちらで引き取ります。」
「そうしてもらうと助かります。」
籠の梅の実は三分の二と明日届く梅の実全部を引き取って貰う事にした。
りゅうさんは一人考え込んでぽそりと呟く。
「…量多かった?」
「「はい!!すっごっく!!」」
時次さんと私は満面の笑みで答えた。
「今度からは買う量は菜に相談するように心掛けるよ。」
「そうして欲しいです。お願いします。」
今日のようなことがあると凄く困るので力を込めて言った。
後この人さりげなく私の名前で呼んでる。
別にいいんだけど…少し気になってしまった。
というか今度っていう事はまた買いに行くんですね…。
店中に二人を入れる時、時次さんに壺いっぱいの蜂蜜を貰った。
その場でお金を払うと言ったのだが、時次さん自ら採って来たので代金はいらないと言う。
それでも払うと言おうと思ったのだが、ニコリと微笑んで頭をなでられている間に言うタイミングを逃してしまった。
恐ろしいイケメンマジック!
壺を抱えながら台所に向かい、うどんの準備を開始。
梅の実に蜂蜜を入れるのは後にして、まずはうどんを茹でる。
茹でたうどんを井戸水で冷やしておき、冷やしている間に油で天ぷらを揚げていく。
天ぷら粉を具材にまんべんなく付けて油の中に入れる。
油に入れる際に具材に付けた天ぷら粉が落ちてしまうので油に入れてから少し天ぷら粉をたらして衣をまとわせる。
そうすると衣もいい厚さにになりより天ぷらを楽しむことが出来るのだ。
次々と天ぷらが揚がっていき、ゴクリと生唾を飲む。
山菜の小さな欠片があったので味見で塩をかけて食べてみた。
これは…これは…、二人の反応が楽しみだ。
ふふふっ…と不敵な笑みを浮かべながら天ぷら器にのせ、小皿には塩をのせた。
つゆはうどんとは別々の器に入れ、二人の元に持って行く。
流石に一人で二人分は持っていけないのでよしさんと一緒に運んだ。
「お待たせいたしました。うどんと天ぷらのセットです。」
お二人の前に料理を置いた。
りゅうさんと時次さんは料理を真剣に見ていて、特に天ぷらをじーっと見ていた。
「冷めないうちにどうぞ。」
私が勧めない限り食べないんじゃないかと思うほど見ているので一声かけた。
りゅうさんは私の手元を見てから頭を傾げた。
何か足りないものでもあっただろうか。
「菜はここで食べないの?」
「…えっ…。」
まさかそんなことを言うと思っていなくてポカンと口を開けてしまった。
今日の昼も同じ事を言われたな…と考えていると時次さんと目が合った。
時次さんはコクリと一回頷いた。
きっとこれは一緒に食べてくれと言ってるに違いないと判断し、私も時次さんにコクリと頷いて見せた。
「えーっと。では、ご一緒させていただきます。」
急いで自分のうどんと天ぷらを用意し、一緒の場所で頂く。
「食べる前に菜に質問していい?」
「はい、私がわかる範囲でなら。」
「これは…うどんだという事はわかるけど、これは何?」
りゅうさんは天ぷらを指さして質問した。
確か江戸時代じゃないと天ぷらって無いから不思議に思うよね。
「こちらは天ぷらと言って饂飩粉と卵、水を混ぜたものを具材にまとわせて油で揚げたものです。食べる際は小皿にのっている塩かこっちのつゆを付けて食べてください。」
簡単に料理方法を教えて一応食べ方も教えた。
時次さんも疑問を思ったことがあったらしくりゅうさんに続いて質問された。
「これが天ぷらのつゆだとすると…うどんはこのまま食べるのですか?」
「あっ、このつゆは天ぷら用のつゆって訳ではなくてうどんも付けて食べていいんですよ。」
口だけの説明って難しいな…上手く伝わったか不安だ。
「じゃぁ、先に君が食べて見せてよ。」
話を聞いていたりゅうさんが提案してくれた。
説明するよりも見本を見せた方が早いと思い実践することに。
「では、先に食べて見せますね。では、先に頂きます。」
うどんがのっている皿から一口分箸で取りつゆに付けて食べて見せた。
うん!モチモチしている、初めて作った割には弾力のあるうどんに仕上がったと思う。
次に天ぷらをつゆに付けて食べる。
一口かじるとサクっといい音がした。
この音は人々の口内妄想と誘惑を掻き立てる歌である。
つゆに天ぷらの油が浮いた所にまたうどんを付けて食べた。
この油が浮いた所でまたうどんを食べるのが私的に最高に美味しい。
後もう一口食べたい気持ちを抑えて二人の顔を見た。
じーっとこちらを見ていた。
食べる姿を見せるのは少し恥ずかしい。
「…こんな感じで食べます…。」
りゅうさんがこちらを見たまま話す。
「菜って…美味しそうに食べるよね…。」
「ええ。見惚れてしまうほどに。」
「みほれ…って…。」
りゅうさんだけではなく時次さんまでもが私を褒めるがそんなの嬉しくない、ただただ恥ずかしいだけ…。
次に食べる見本を見せてくれと言われたら今日の事を思い出してきっとやらないと思う、いや出来ない。
「とにかく!食べて見てください!!」
恥ずかしくて耳が少し熱くなっているのを感じた。
二人は私を見てクスリと笑いうどんを食べ始める。
「「…ズズズっ…、サクサク…、ズズ…。」」
食べ始めた二人を見て静かに笑った。
うどんをすする音と天ぷらの音だけが部屋に響いていた。
二人を少し観察してから私も止めていた箸を進める。
しばらくしてりゅうさんと時次さんは共に八杯ずつうどんと天ぷらをおかわりした。
そんなに食べても大丈夫かなと私の不安をよそに、八杯食べ終わるまで二人とも喋らなかった。
お腹が落ち着いた頃にりゅうさんがうどんと天ぷらの感想を話してくれた。
「普通は温かい汁にうどんが入っているものだけど、これはうどん自体が冷たくて驚いた。こういう暑い日は食欲がわかないからいいね。この天ぷらというのは初めて食べたけど…この歯ごたえといい味と言い実に美味しい。」
昔は冷たいうどんを食べなかったらしい、どうやらお腹を壊すとか何とかで甘酒も温かいものが主流だったみたい。
でも、暑い日にはアイスしかり冷たいものが食べたくなるものだ。
うどんが冷たいのでつゆは少し温かめにした。
これで本当にお腹を壊されたら怖いからね。
時次さんは考え込みゆっくり話し始めた。
「このうどんは甲斐のほうとうに似ていますね…。姿形は違いますが…。」
「たぶん…同じ小麦こ…じゃなくて饂飩粉が材料だからだと思います。多分…。」
郷土料理ぐらいの知識しかなかったので戦国時代からある事に驚いた。
でも、ほうとうもうどんも小麦粉があれば何とかなる。
「この天ぷらには感動しましたね。このつゆが実に美味しく、実に天ぷらに合いますね。」
「あぁこのつゆは…。」
つゆの作り方を時次さんに教えようとした時、よしさんに襖の外から声を掛けられた。
少し失礼してよしさんの元に向かった。
よしさんは困った顔をしている一体何があったのだろうか。
「大変だよ。一人の客が、さっきあんたが作った同じ料理を食べたいって言うんだよ。」
「えっ、誰にも見られてないはずなのに…。どうして…。」
運ぶときすれ違うお客さんはいなかったのにどこで見られたのだろう。
思い出してみるが心当たりが全くない。
そもそも、閉店まじかだったので店内にお客さんはいなかったはずだ。
頭の中でぐるぐる考えても埒が明かない、まずお客さんの元に向かい話してみることにした。
天ぷらには余裕があるし、うどんもちょうど一人前ぐらいならあるからいけるかもしれない。
お客さんの元に向かうとあの小麦粉を売っていた虎と言う男がいた。
「やぁ~、お嬢さん朝ぶりだね。さっきの料理をお願いしたい。」
たしかにまた今度とは言ってはいたが今日の今日来るか普通…。
「えーっと、さっき作った料理ですね。一人前でよろしいでしょうか。」
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