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三章 王都オリーブ編2 周辺地域道中
195 里帰り と 二人の母親
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「カズさん、キウイはワタシの姉『ブルベリ』の子供なんですよ。訳あって、うちで暮らす事になったんです」
「ごめんキウイ。余計なこと聞いたみたいで(話題を変えるつもりが、駄目な方向に話を振ってしまったか)」
「別にいいにゃ。もう昔の事だし、カズにゃんになら話しても構わないにゃ」
「良いのかいキウイ?」
「俺はキウイの過去を聞…」
「良いにゃ。にゃちきはナツメとグレープを連れて、義父さんの畑に行って来るにゃ」
「分かった。カズさんに話しておくわ」
「いや、あの俺は…(俺の話聞いて)」
カズが話そうとすると、話させまいとするかのごとく、かぶせてくるクランベリとキウイ。
「ナツメ、グレープ、義父さんの畑に行ってみるにゃ」
「お父さんの畑に行く!」
「行くなの行くなの!」
「え、ちょっと……(結局、親子夫婦そろって、話を聞こうとしないじゃん!)」
キウイはナツメとグレープを連れて、畑に向かったリブロコを追いかけて行った。
残されたカズはクランベリから、キウイが自分達夫婦の家で暮らすようになった経緯を聞く事となった。
「キウイはカズさんのことを、信頼してるのね」
「キウイがいいと言っても、人の過去を軽々しく聞く訳には(これで話を聞かないようになればなぁ)」
「キウイがあんなに親しく話す方なんですから、ワタシも信用してるわよ」
「それはどうも(う~ん……俺ってそんなに信用されやすいのか? 嬉しい事だけど)」
「それじゃあ座ってください。お話する前に、新しいお茶を入れますね」
「あ、はい(今までのパターンだと、両親が亡くなってる、とかだろうな。キウイがクランベリさん夫妻と種族が違うの見て分かるのに、誰似とか聞いて、なんて俺はバカなんだ)」
「えーっと、どこから話しましょう。そうね……先ず言っておくのは、キウイの母親は健在よ」
「へ?」
「その反応は、やっぱり亡くなってると思ったのかしら?」
「あ、いや……はい」
「キウイがあんな言い方するから、勘違いするわよねぇ」
「アハハは……(本当だよキウイ!)」
「じゃあ先ず、キウイがうちに来た時の事から話すわね」
「あ、はい。お願いします(お願いしますじゃねぇよ。聞かないようになれば、とか思っておきながら、結局聞きたいのか俺は)」
キウイの母親ブルベリが、妹のクランベリに子供を預けたのは、仕事の関係上とのことだ。
ブルベリは色々な場所で依頼を受ける、冒険者だとクランベリは言った。
それでもキウイが小さい頃は、近くの村や町で、日帰りできる依頼を受けていたらしいが、キウイが10歳になる頃に、ブルベリが長期の依頼を受けたのが切っ掛けで、リブロコとクランベリ夫妻の家に預けられたと。
その頃クランベリは出産間近だったため、姉のブルベリはキウイを預ける際に、身の回りの手伝いをするように言って依頼に出掛けたと。
クランベリはキウイに感謝して、キウイも出産の手伝いができるのを喜んでいた。
この時に出産したのがナツメだ。
これが初めてキウイが預けられた時の事。
これを機にブルベリは、遠出の依頼で長期留守にするときは、キウイを妹のクランベリに預けていくようになったという。
初めてキウイを預かった日から約二年後に、次はグレープを出産するために、今度はクランベリが頼んでキウイに来てもらい、二ヶ月ほど一緒に暮らしたんだと。
何度もキウイを行ったり来たりさせて、大変だと感じた母のブルベリは、妹クランベリと相談して、キウイの了承のもと、今の家で暮らすようになったとの事だ。
これでキウイは母ブルベリが留守のときに、家で一人寂しい思いをしなくてすみ、クランベリはナツメとグレープをキウイに任せることができて、お互いに良かったと。
しかしそれから一年ほどして、リブロコが怪我で仕事をするのが難しくなり、生活が苦しくなってきたと。
ブルベリからもキウイの生活費だと、お金が送られて来ることはあるが、稼ぎが不安定な冒険者のため、金額はまちまちだったという。
ちなみにブルベリはCランクのため、短期で収入の良い依頼を受けるのは少なく、送られて来る金額も、キウイ一人を養えるほどしかなかったと。
村に戻って来るときは、それでも多少なりとも多くのお金を、妹クランベリに渡していたらしい。
それを気にしてか、当時13歳になっていたキウイは、急に王都へ出稼ぎに行くと言い出したと。
その時キウイがクランベリに、母親がお世話になったモルトという人に頼んでみると言ったらしい。
クランベリも姉のブルベリから、モルトという人のことは聞いていたので知ってはいたが、姉の大事な娘を、一人で王都に出稼ぎになど行かせられないと、言ったそうだ。
しかし先を考えると生活は厳しく、どうしようかと悩んでいたリブロコとクランベリ夫妻だったが、そこに姉のブルベリが戻り事情を知ると、キウイの出稼ぎを許可したと。
ブルベリも妹夫妻を助けたいと思い、キウイと王都の冒険者ギルドまで行き、モルトにキウイが住み込みで、安全に働ける場所を紹介してもらったと。
母親のブルベリはキウイを送ったあと、既に受けていた遠出の依頼があったため、すぐに出発したとのことだ。
最初キウイは飲食店で働き、当時からも明るく元気だったため、看板娘になっていたんだと。
それから住み込みで仕事をして一年、リブロコとクランベリ夫妻に少ないながらも仕送りができ、王都の生活にも慣れてきた頃に、モルトから貴族のお屋敷で、メイドとして働くよう頼まれたんだと。
当時仕送りと共に送った手紙には、その事は書いてなかったとクランベリは言う。
そしてキウイが貴族のお屋敷でメイドをしてから約半年、村から出稼ぎに行ってから一年半ほどが過ぎた頃、急にキウイが村に帰って来たとクランベリ言った。
里帰りと言って帰って来たキウイは、変わらず皆に明るく接していたが、不意に暗い表情を浮かべる事があったと。
クランベリは気になり、どうしたかと尋ねたが、キウイは変わらず明るく振る舞い、話してくれなかったんだと。(それもそのはず、貴族のジニアが病気で暗くなっていたことを、軽々しく話せるはずもないからだ)
帰ってきてから五日ほどして、仕事があるから王都に戻ると言ったキウイに、クランベリは言ったそうだ『辛い事があったら、いつでも何でも話してくれて良いんだよ。家族なんだから。ワタシらはいつでもキウイの味方だよ。大丈夫だからね』と。
その何げないその言葉に、キウイは胸の支えがとれ、クランベリの前でぼろぼろと泣いたと。
王都に戻ったキウイからは、今までと同じ様に仕送りと、たまに手紙を送ってきたそうだ。
それからクランベリのことを『義母さん』リブロコのことを『義父さん』と呼ぶ呼ぶようになったと。
そして今から二ヶ月くらい前に届いた手紙で、キウイが貴族のお屋敷でメイドをしてるのを、クランベリは知ったらしい。
「キウイの仕事先を知ったのは、最近なんですね」
「なんでも病気だった貴族様が元気になられたから、仕事のことを話しても良くなったとかで」
「あぁ。それで、現在キウイの両親?」
「姉のブルベリは、現在も冒険者として活動してるわ。ただキウイとは、長い間会ってないはずよ」
「キウイの父親は……って、聞いて良いんですかね?」
「良いですよ。キウイもそのつもりで、ワタシに話させているんだから」
「はぁ……(良いのかなぁ?)」
「当時姉のブルベリが、一緒にパーティーを組んでいた相手の一人が、キウイの父親だと思うんだけど、子供ができた事に気付いたのは、パーティーを解散した後だったようなのよ」
「でも、パーティーを解散しても、冒険者ギルドで会うこともありますよね?」
「それがその相手は、パーティー解散後に、どこか他の地に移ってしまったらしいのよ。ランクが上がったとかで」
「なら冒険者ギルドで聞けば、教えてくれるんじゃないんですか? 一応パーティーを組んでいたわけですし」
「ワタシも姉に言ったんだけど『旦那が居なくても構やぁしない』って、結局一人で育て始めたんだよ。姉はそういう気質なのよね」
「スゴい人ですね(俺は苦手なタイプかな)」
「姉は明るくて、誰にでもすぐに打ち解けようとするのよ。そこはキウイとそっくりなんだけど、ただ男勝りなとこがねぇ」
「そ、そうなんですか」
「ごめんキウイ。余計なこと聞いたみたいで(話題を変えるつもりが、駄目な方向に話を振ってしまったか)」
「別にいいにゃ。もう昔の事だし、カズにゃんになら話しても構わないにゃ」
「良いのかいキウイ?」
「俺はキウイの過去を聞…」
「良いにゃ。にゃちきはナツメとグレープを連れて、義父さんの畑に行って来るにゃ」
「分かった。カズさんに話しておくわ」
「いや、あの俺は…(俺の話聞いて)」
カズが話そうとすると、話させまいとするかのごとく、かぶせてくるクランベリとキウイ。
「ナツメ、グレープ、義父さんの畑に行ってみるにゃ」
「お父さんの畑に行く!」
「行くなの行くなの!」
「え、ちょっと……(結局、親子夫婦そろって、話を聞こうとしないじゃん!)」
キウイはナツメとグレープを連れて、畑に向かったリブロコを追いかけて行った。
残されたカズはクランベリから、キウイが自分達夫婦の家で暮らすようになった経緯を聞く事となった。
「キウイはカズさんのことを、信頼してるのね」
「キウイがいいと言っても、人の過去を軽々しく聞く訳には(これで話を聞かないようになればなぁ)」
「キウイがあんなに親しく話す方なんですから、ワタシも信用してるわよ」
「それはどうも(う~ん……俺ってそんなに信用されやすいのか? 嬉しい事だけど)」
「それじゃあ座ってください。お話する前に、新しいお茶を入れますね」
「あ、はい(今までのパターンだと、両親が亡くなってる、とかだろうな。キウイがクランベリさん夫妻と種族が違うの見て分かるのに、誰似とか聞いて、なんて俺はバカなんだ)」
「えーっと、どこから話しましょう。そうね……先ず言っておくのは、キウイの母親は健在よ」
「へ?」
「その反応は、やっぱり亡くなってると思ったのかしら?」
「あ、いや……はい」
「キウイがあんな言い方するから、勘違いするわよねぇ」
「アハハは……(本当だよキウイ!)」
「じゃあ先ず、キウイがうちに来た時の事から話すわね」
「あ、はい。お願いします(お願いしますじゃねぇよ。聞かないようになれば、とか思っておきながら、結局聞きたいのか俺は)」
キウイの母親ブルベリが、妹のクランベリに子供を預けたのは、仕事の関係上とのことだ。
ブルベリは色々な場所で依頼を受ける、冒険者だとクランベリは言った。
それでもキウイが小さい頃は、近くの村や町で、日帰りできる依頼を受けていたらしいが、キウイが10歳になる頃に、ブルベリが長期の依頼を受けたのが切っ掛けで、リブロコとクランベリ夫妻の家に預けられたと。
その頃クランベリは出産間近だったため、姉のブルベリはキウイを預ける際に、身の回りの手伝いをするように言って依頼に出掛けたと。
クランベリはキウイに感謝して、キウイも出産の手伝いができるのを喜んでいた。
この時に出産したのがナツメだ。
これが初めてキウイが預けられた時の事。
これを機にブルベリは、遠出の依頼で長期留守にするときは、キウイを妹のクランベリに預けていくようになったという。
初めてキウイを預かった日から約二年後に、次はグレープを出産するために、今度はクランベリが頼んでキウイに来てもらい、二ヶ月ほど一緒に暮らしたんだと。
何度もキウイを行ったり来たりさせて、大変だと感じた母のブルベリは、妹クランベリと相談して、キウイの了承のもと、今の家で暮らすようになったとの事だ。
これでキウイは母ブルベリが留守のときに、家で一人寂しい思いをしなくてすみ、クランベリはナツメとグレープをキウイに任せることができて、お互いに良かったと。
しかしそれから一年ほどして、リブロコが怪我で仕事をするのが難しくなり、生活が苦しくなってきたと。
ブルベリからもキウイの生活費だと、お金が送られて来ることはあるが、稼ぎが不安定な冒険者のため、金額はまちまちだったという。
ちなみにブルベリはCランクのため、短期で収入の良い依頼を受けるのは少なく、送られて来る金額も、キウイ一人を養えるほどしかなかったと。
村に戻って来るときは、それでも多少なりとも多くのお金を、妹クランベリに渡していたらしい。
それを気にしてか、当時13歳になっていたキウイは、急に王都へ出稼ぎに行くと言い出したと。
その時キウイがクランベリに、母親がお世話になったモルトという人に頼んでみると言ったらしい。
クランベリも姉のブルベリから、モルトという人のことは聞いていたので知ってはいたが、姉の大事な娘を、一人で王都に出稼ぎになど行かせられないと、言ったそうだ。
しかし先を考えると生活は厳しく、どうしようかと悩んでいたリブロコとクランベリ夫妻だったが、そこに姉のブルベリが戻り事情を知ると、キウイの出稼ぎを許可したと。
ブルベリも妹夫妻を助けたいと思い、キウイと王都の冒険者ギルドまで行き、モルトにキウイが住み込みで、安全に働ける場所を紹介してもらったと。
母親のブルベリはキウイを送ったあと、既に受けていた遠出の依頼があったため、すぐに出発したとのことだ。
最初キウイは飲食店で働き、当時からも明るく元気だったため、看板娘になっていたんだと。
それから住み込みで仕事をして一年、リブロコとクランベリ夫妻に少ないながらも仕送りができ、王都の生活にも慣れてきた頃に、モルトから貴族のお屋敷で、メイドとして働くよう頼まれたんだと。
当時仕送りと共に送った手紙には、その事は書いてなかったとクランベリは言う。
そしてキウイが貴族のお屋敷でメイドをしてから約半年、村から出稼ぎに行ってから一年半ほどが過ぎた頃、急にキウイが村に帰って来たとクランベリ言った。
里帰りと言って帰って来たキウイは、変わらず皆に明るく接していたが、不意に暗い表情を浮かべる事があったと。
クランベリは気になり、どうしたかと尋ねたが、キウイは変わらず明るく振る舞い、話してくれなかったんだと。(それもそのはず、貴族のジニアが病気で暗くなっていたことを、軽々しく話せるはずもないからだ)
帰ってきてから五日ほどして、仕事があるから王都に戻ると言ったキウイに、クランベリは言ったそうだ『辛い事があったら、いつでも何でも話してくれて良いんだよ。家族なんだから。ワタシらはいつでもキウイの味方だよ。大丈夫だからね』と。
その何げないその言葉に、キウイは胸の支えがとれ、クランベリの前でぼろぼろと泣いたと。
王都に戻ったキウイからは、今までと同じ様に仕送りと、たまに手紙を送ってきたそうだ。
それからクランベリのことを『義母さん』リブロコのことを『義父さん』と呼ぶ呼ぶようになったと。
そして今から二ヶ月くらい前に届いた手紙で、キウイが貴族のお屋敷でメイドをしてるのを、クランベリは知ったらしい。
「キウイの仕事先を知ったのは、最近なんですね」
「なんでも病気だった貴族様が元気になられたから、仕事のことを話しても良くなったとかで」
「あぁ。それで、現在キウイの両親?」
「姉のブルベリは、現在も冒険者として活動してるわ。ただキウイとは、長い間会ってないはずよ」
「キウイの父親は……って、聞いて良いんですかね?」
「良いですよ。キウイもそのつもりで、ワタシに話させているんだから」
「はぁ……(良いのかなぁ?)」
「当時姉のブルベリが、一緒にパーティーを組んでいた相手の一人が、キウイの父親だと思うんだけど、子供ができた事に気付いたのは、パーティーを解散した後だったようなのよ」
「でも、パーティーを解散しても、冒険者ギルドで会うこともありますよね?」
「それがその相手は、パーティー解散後に、どこか他の地に移ってしまったらしいのよ。ランクが上がったとかで」
「なら冒険者ギルドで聞けば、教えてくれるんじゃないんですか? 一応パーティーを組んでいたわけですし」
「ワタシも姉に言ったんだけど『旦那が居なくても構やぁしない』って、結局一人で育て始めたんだよ。姉はそういう気質なのよね」
「スゴい人ですね(俺は苦手なタイプかな)」
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*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
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