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ネロのはなし
女神との姦淫11
しおりを挟む「そう……そこよ、とても気持ちいいわ」
「…………」
ネロは、女王の艶やかな髪を非常に丁寧に洗っていた。あまりに黒く艶やかな髪は闇夜の雫のようで、あまりの美しさにいつしかネロは無心になっていた。夜の一族の出身であるネロにとって黒く艶やかな色というのは、女王の美貌よりも美しく映えるものであった。
まるで壊れ物でも扱うかのように慎重な仕事に従事していた。
ある程度一段落したところで、ネロは自身が冷汗をかいていることに気付いた。湯気にでもあてられたのか。ふと、髪の手入れの為に女王の頭に巻いたタオルに視線が向いた。隠れてしまったのが少し、惜しい。
「……次は身体を洗ってもらおうかしら」
「――――」
と、不意打ちぎみに女王が上目遣いでネロに命令した。ネロは膝立ちであったため、かなりの至近距離であった。が、それよりもネロはまたしても女王の正気を疑っていた。
いくらネロの攻撃が効かないとはいえ、そうも簡単に身体に触れさせる女王の正気を、である。
事ここに至って、ネロは真の意味で女王は普通の――暗殺者に狙われて表面上はともかく、内心では怯えたり泣いたり怖がったりするような――少女ではないのかもしれない、そしてネロたちとは根本的に次元の違う別種なのかもしれない、と。戦慄せざるを得なかった。
「これはあなたへの罰だもの。しっかりと隅々までお願いね」
「すっ、……はい」
ネロの戦慄や驚愕をどう受け取ったのか、何やら満足そうな顔でネロの思考とは見当違いの納得をされたような気がしないでもないが、ネロはひとまず思考放棄して言われたことを実行することにした、が。
「ついでにマッサージもお願いしようかしら」
急に伸びた手に捕まれた手が捉えた感触に、またしてもネロは驚愕することになった。もう、一生分は驚いたに違いない。ネロの理解の範疇を容易く超えていく女王に、ネロの為す術は無かった。
なにせあの、秘宝剣すら花びらの如く手折った肌が、胸が――もにゅっ、とありえない感触をしたからである。
――未知。
そう。これは闇の世界に生き、多くの珍しい物や者を見てきていたネロでさえ、初めて遭遇する紛うこと無き未知の存在、――いや、感触であった。
知らず知らずのうちに喉が渇いていた。急激に溢れ出る唾を呑み込む。
ネロは気付いた。これは恐怖だ。知らないという恐怖。敵わないという恐怖。
人生で初めて感じる恐怖、という感情であった。
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