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27話 安里翔
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俺達三人は角の生えた大型のモンスターに案内され村の中へと入って行った。
村の中では俺達の姿を見るや否や大量のモンスターが押し掛けて来た。
その目には激しい殺意が籠っている様に感じた。
「何だか、村のモンスター達は俺達に殺意を向けている様だがこれは気のせいか?」
"すまないな。彼等は見境なく仲間を殺す人間達に激しい恨みを持っているんだ。"
「おいおい、そんな恨みを持った大量のモンスターの中を歩いて、ちゃんと村長の元へ辿り着けるのか?」
"俺の傍を離れなければ大丈夫だ。"
角の生えた大型のモンスターは余程の村の重鎮なのだろうか、他のモンスター達は彼と一緒に歩く俺達に手を出したくても出せない様子であった。
ふとアリシアとイワンの方を振り向くと堂々と歩いているアリシアに対して、イワンは恐怖からガタガタ震えながら今にも泣きだしそうな顔をしていた。
そして、イワンはしっかりと漏らしていた。
普段であれば馬鹿にするが、その気持ちも分からないでも無かったから俺はデリケートな部分には触れない様にした。
"誰か助けてーーー!"
遠くの方から突然、モンスターの叫び声が聞こえた。
俺達は声の聞こえた方向へと急いだ。
すると、そこには人間の軍隊が隊列を組んで無差別にモンスターを惨殺していた。
軍人達の傍らにはモンスターの多くの死骸が積み上がっていた。
「お前達何やってんだ!一体どれだけ多くのモンスターを手に掛けたんだ!」
「お前の方こそ、モンスターと一緒に現れて、人間でありながらこいつらの肩を持つのか!」
「ここはモンスター達が平和に暮らす村なんだぞ!そんな村を荒らして、彼等がお前達に何かしたって言うのか!」
「お前何言ってるんだ?こいつらはモンスターなんだぞ。昔からモンスターと言えば人間の敵ではないか?」
「ここにいるモンスターはただ平和に暮らしているだけだ!お前達にその命を奪う権利はない!」
「モンスターを殺すのはついでだ。今は隣国との戦争中で食料が不足している。
だから、この村から食料を頂こうって訳だ。モンスターはその辺に生えてる草や虫でも食ってりゃいんだ。
まあ、ここのモンスター達も数が減れば口減らしが出来るから寧ろ俺達に感謝して貰いたい位だ。」
「そんな勝手な理由で奪っていい命なんてあるものか!アリシア、イワン。モンスター達に助太刀しよう。」
「そうね翔。私もこいつらは許せないわ。」
「待て翔!モンスターの味方をすれば俺達は国家反逆罪に問われるぞ。
俺は今まで真っ当に生きて来たんだ、犯罪と言ってもガムを万引きして捕まった事位しかないんだぞ。
俺は絶対に手を貸さないから、軍隊に捕まっても俺の名前は絶対に言うなよ!」
俺は国家反逆罪という言葉を聞いても決意は変わらなかった。
この旅の間、俺は自分が襲われた時だけモンスターと戦って来た。
戦意の無いモンスターにこちらから仕掛けた事は一度も無い。
そして戦った時にも決して彼等の命を奪う事はしなかった。
ペットショップでのあの日以外は・・・
軍隊の奴等もあの日の俺と同じで罪の無いモンスターを殺した。
俺がした事と何ら変わりない。
だからと言って、このままこの虐殺行為を見過ごす訳にはいかない。
あの日の罪滅ぼしでは無いが、もう二度とモンスター達の泣き叫ぶ声を聞きたく無かった。
「アリシア、ここは俺だけで何とかする、君まで巻き込んで犯罪者にはしたく無い。」
「何言ってるの翔。私がサポートしないと、こんなに沢山の軍人を相手にとてもじゃないけど勝てないわよ。」
俺は本当は心細さもあったから、アリシアの言葉が素直に嬉しかった。
「無事に生きて帰れるか分からないから、今からちょっと恥ずかしい事言うね。
・・・翔、あなたに出会えて、一緒に旅が出来て本当に良かった。成長してこうして立派になった彼方を私、心から尊敬してる。」
「ありがとうアリシア。俺も君が一緒で良かった。」
その時イワンは仲間と思われない様に俺達と少し距離を取っていた。
「お~い、翔、アリシア。俺にも何か言う事は無いのか~?」
イワンも自分への感謝の言葉を欲しがって暫くその場を動こうとしなかった。
俺とアリシアが不満を露わにした目で睨み付けると、潔く諦め、そそくさと遠くの方へと逃げて行った。
"良いのかお前達、このまま同じ人間達を敵に回す事になるんだぞ"
角の生えた大型のモンスターが俺達を気遣って言った。
「だからって、ここで戦わなければ、俺はまた後悔する事になる。
それよりも今は奴等に勝つ事だけを考えよう。」
こんなに大人数の軍人と向き合っていても不思議と恐怖は無かった。
"すまない。俺達の問題に君達まで巻き込んでしまって"
俺達が話していると騒ぎを聞きつけたモンスター達が武器を携えて集まり始めた。
しかし、軍人がざっと300人居るのに対して、こちらの戦えそうなモンスター100体程であった。
敵の中で一番手強そうなのは各部隊に散らばる合計30人程の魔導士達だ。
彼等の動きを止めなければ戦いにすらならない。
"何か作戦はあるか?"
「ああ。この戦いは後方に配置されている魔導士を倒さなければ勝ち目は無い。
アリシアに光魔法で奴等の視力を一瞬奪って貰うから、その隙に動きの速いモンスターを敵の背後に回して魔導士を攻撃してくれ。」
"分かった。残りの仲間で敵の注意を逸らす為に正面突破を図ろう。"
そうこう話している間に、一体のモンスターが待ち切れず軍隊を目掛けて駆け出した。
それに釣られて他のモンスターも一斉に駆け出した。
「これじゃ、作戦も何もあったもんじゃないな。」
魔導士達は俺達を目掛けて一斉に大量の火球を放った。
俺は必死に火球を躱した。
雨の様な火球の攻撃は数十秒続いた。
火球の攻撃が止み、俺は周囲を見渡した。
するとそこには、さっきまで威勢よく飛び出していたモンスターの焼けた遺体が大量に転がっていた。
生きているのは俺とアリシア、角の生えた大型のモンスターと3匹程の小型のモンスターだけだった。
小型のモンスター達は既に戦意を喪失していた。
全く手も足も出ず、俺は死を覚悟した。
その瞬快、離れ離れになってしまた陽菜の顔が浮かんだ。
「ごめん、陽菜。俺はそっちに戻る事は出来そうにない。」
俺は意を決して剣を強く握り締た。
そして一人、大勢の軍隊へ向かって突進した。
「ウォーーーーーーー!」
「翔!止めてーーーーー!」
アリシアの叫び声が聞こえた。
それと同時に空には魔導士の火球が大量に打ち上げられた。
俺は奴等の元に辿り着く前に大量の火球を浴びる事になるだろう。
軍隊を相手にした事が、全く後悔の無い選択であったかと言えば嘘になる。
一人で無謀にも突っ込んで、死ぬ事が無駄死にと言われればその通りだ。
だけどこれは全て俺が選んだ結果だ。
そこから先、俺は前だけを見て走った。
徐々に頭上に熱を感じ、打ち上げられた火球が直ぐそこまで迫っているのを感じた。
"ここまでか・・・"
そう思った次の瞬間、突如、目の前に俺の行く手を阻む者が現れた。
彼は左手一本で俺を突き飛ばした。
突き飛ばされた衝撃で俺はその場に尻餅をついた。
その様子を見ていたアリシアが、驚きを隠し切れない表情で震えながら呟いた。
「どうして彼方がここに・・・?」
村の中では俺達の姿を見るや否や大量のモンスターが押し掛けて来た。
その目には激しい殺意が籠っている様に感じた。
「何だか、村のモンスター達は俺達に殺意を向けている様だがこれは気のせいか?」
"すまないな。彼等は見境なく仲間を殺す人間達に激しい恨みを持っているんだ。"
「おいおい、そんな恨みを持った大量のモンスターの中を歩いて、ちゃんと村長の元へ辿り着けるのか?」
"俺の傍を離れなければ大丈夫だ。"
角の生えた大型のモンスターは余程の村の重鎮なのだろうか、他のモンスター達は彼と一緒に歩く俺達に手を出したくても出せない様子であった。
ふとアリシアとイワンの方を振り向くと堂々と歩いているアリシアに対して、イワンは恐怖からガタガタ震えながら今にも泣きだしそうな顔をしていた。
そして、イワンはしっかりと漏らしていた。
普段であれば馬鹿にするが、その気持ちも分からないでも無かったから俺はデリケートな部分には触れない様にした。
"誰か助けてーーー!"
遠くの方から突然、モンスターの叫び声が聞こえた。
俺達は声の聞こえた方向へと急いだ。
すると、そこには人間の軍隊が隊列を組んで無差別にモンスターを惨殺していた。
軍人達の傍らにはモンスターの多くの死骸が積み上がっていた。
「お前達何やってんだ!一体どれだけ多くのモンスターを手に掛けたんだ!」
「お前の方こそ、モンスターと一緒に現れて、人間でありながらこいつらの肩を持つのか!」
「ここはモンスター達が平和に暮らす村なんだぞ!そんな村を荒らして、彼等がお前達に何かしたって言うのか!」
「お前何言ってるんだ?こいつらはモンスターなんだぞ。昔からモンスターと言えば人間の敵ではないか?」
「ここにいるモンスターはただ平和に暮らしているだけだ!お前達にその命を奪う権利はない!」
「モンスターを殺すのはついでだ。今は隣国との戦争中で食料が不足している。
だから、この村から食料を頂こうって訳だ。モンスターはその辺に生えてる草や虫でも食ってりゃいんだ。
まあ、ここのモンスター達も数が減れば口減らしが出来るから寧ろ俺達に感謝して貰いたい位だ。」
「そんな勝手な理由で奪っていい命なんてあるものか!アリシア、イワン。モンスター達に助太刀しよう。」
「そうね翔。私もこいつらは許せないわ。」
「待て翔!モンスターの味方をすれば俺達は国家反逆罪に問われるぞ。
俺は今まで真っ当に生きて来たんだ、犯罪と言ってもガムを万引きして捕まった事位しかないんだぞ。
俺は絶対に手を貸さないから、軍隊に捕まっても俺の名前は絶対に言うなよ!」
俺は国家反逆罪という言葉を聞いても決意は変わらなかった。
この旅の間、俺は自分が襲われた時だけモンスターと戦って来た。
戦意の無いモンスターにこちらから仕掛けた事は一度も無い。
そして戦った時にも決して彼等の命を奪う事はしなかった。
ペットショップでのあの日以外は・・・
軍隊の奴等もあの日の俺と同じで罪の無いモンスターを殺した。
俺がした事と何ら変わりない。
だからと言って、このままこの虐殺行為を見過ごす訳にはいかない。
あの日の罪滅ぼしでは無いが、もう二度とモンスター達の泣き叫ぶ声を聞きたく無かった。
「アリシア、ここは俺だけで何とかする、君まで巻き込んで犯罪者にはしたく無い。」
「何言ってるの翔。私がサポートしないと、こんなに沢山の軍人を相手にとてもじゃないけど勝てないわよ。」
俺は本当は心細さもあったから、アリシアの言葉が素直に嬉しかった。
「無事に生きて帰れるか分からないから、今からちょっと恥ずかしい事言うね。
・・・翔、あなたに出会えて、一緒に旅が出来て本当に良かった。成長してこうして立派になった彼方を私、心から尊敬してる。」
「ありがとうアリシア。俺も君が一緒で良かった。」
その時イワンは仲間と思われない様に俺達と少し距離を取っていた。
「お~い、翔、アリシア。俺にも何か言う事は無いのか~?」
イワンも自分への感謝の言葉を欲しがって暫くその場を動こうとしなかった。
俺とアリシアが不満を露わにした目で睨み付けると、潔く諦め、そそくさと遠くの方へと逃げて行った。
"良いのかお前達、このまま同じ人間達を敵に回す事になるんだぞ"
角の生えた大型のモンスターが俺達を気遣って言った。
「だからって、ここで戦わなければ、俺はまた後悔する事になる。
それよりも今は奴等に勝つ事だけを考えよう。」
こんなに大人数の軍人と向き合っていても不思議と恐怖は無かった。
"すまない。俺達の問題に君達まで巻き込んでしまって"
俺達が話していると騒ぎを聞きつけたモンスター達が武器を携えて集まり始めた。
しかし、軍人がざっと300人居るのに対して、こちらの戦えそうなモンスター100体程であった。
敵の中で一番手強そうなのは各部隊に散らばる合計30人程の魔導士達だ。
彼等の動きを止めなければ戦いにすらならない。
"何か作戦はあるか?"
「ああ。この戦いは後方に配置されている魔導士を倒さなければ勝ち目は無い。
アリシアに光魔法で奴等の視力を一瞬奪って貰うから、その隙に動きの速いモンスターを敵の背後に回して魔導士を攻撃してくれ。」
"分かった。残りの仲間で敵の注意を逸らす為に正面突破を図ろう。"
そうこう話している間に、一体のモンスターが待ち切れず軍隊を目掛けて駆け出した。
それに釣られて他のモンスターも一斉に駆け出した。
「これじゃ、作戦も何もあったもんじゃないな。」
魔導士達は俺達を目掛けて一斉に大量の火球を放った。
俺は必死に火球を躱した。
雨の様な火球の攻撃は数十秒続いた。
火球の攻撃が止み、俺は周囲を見渡した。
するとそこには、さっきまで威勢よく飛び出していたモンスターの焼けた遺体が大量に転がっていた。
生きているのは俺とアリシア、角の生えた大型のモンスターと3匹程の小型のモンスターだけだった。
小型のモンスター達は既に戦意を喪失していた。
全く手も足も出ず、俺は死を覚悟した。
その瞬快、離れ離れになってしまた陽菜の顔が浮かんだ。
「ごめん、陽菜。俺はそっちに戻る事は出来そうにない。」
俺は意を決して剣を強く握り締た。
そして一人、大勢の軍隊へ向かって突進した。
「ウォーーーーーーー!」
「翔!止めてーーーーー!」
アリシアの叫び声が聞こえた。
それと同時に空には魔導士の火球が大量に打ち上げられた。
俺は奴等の元に辿り着く前に大量の火球を浴びる事になるだろう。
軍隊を相手にした事が、全く後悔の無い選択であったかと言えば嘘になる。
一人で無謀にも突っ込んで、死ぬ事が無駄死にと言われればその通りだ。
だけどこれは全て俺が選んだ結果だ。
そこから先、俺は前だけを見て走った。
徐々に頭上に熱を感じ、打ち上げられた火球が直ぐそこまで迫っているのを感じた。
"ここまでか・・・"
そう思った次の瞬間、突如、目の前に俺の行く手を阻む者が現れた。
彼は左手一本で俺を突き飛ばした。
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