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32話 Cecil
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陽菜さんの話を聞いて、僕の心臓は凍りついた。
この映画の設定は僕のこれまでの人生と同じだったから。
そして、映画の中には突如として、二人を飲みこんだ穴の事や僕の世界へと繋がる何かがあると思わずには居られなかった。
「陽菜さん。もしかしたら、あの映画に二人を助けるヒントが隠されているかもしれません。」
「どう言う事なの?」
「説明しますね。僕は先程のストリートミュージシャンの方が歌っていた歌詞の中にメッセージを見つけたんです。」
「メッセージ?」
「ええ。find the gate。入り口を見つけろ・・・
そして、その歌が使われるかもしれなかった映画の主人公の設定が僕のこれまでの人生そのものだったんです。」
"ANOTHER WORLD STORIES"ロングラン上映中!
「まさか・・・そんな事って・・・」
「理由は分かりませんが、何者かの意図によってこの世界と僕の居た世界を結び付けるヒントが散りばめられていたんだと思います。」
「そんな事が出来るのって、それこそ神様とか神秘的な存在じゃない?」
「そうかもしれません。でも今はそれが誰の仕業かと言う事は一旦置いておきましょう。
最優先すべきは、愛ちゃんと一さんを救う事ですから。」
「そうね。そうと分かれば早速、映画館へ急ぎましょう!」
きっと映画の中で二人を助けるヒントが見つかる。
僕と陽菜さんに、一筋の小さな希望の光が見えた。
目の前の信号が赤から青に変わると、急いで僕達は映画館の中へと飛び込んだ。
「すみません。ANOTHER WORLD STORIESは次は何時から上映されますか?」
僕は息を切らしながらチケット売り場の女性に訊いた。
女性は何をそんなに急いでいるのか訝し気な表情で僕を見た。
「申し訳御座いません。そちらの映画の上映は先程終了致しました。」
「そうですか・・・」
少し待てば、あの映画を観れると思って疑わなかった僕は、少し気落ちしてしまった。
「では、また明日出直します。」
帰ろうとした僕にチケット売り場の女性が気まずそうな様子で言った。
「あの・・・大変申し上げにくいのですが・・・
こちらの映画の上映は本日が最終日となっております。
先程終了した回が10年以上続いた最後の上映で、明日からは別の映画が公開されます。」
「どうしてこのタイミングで・・・
どこでも構いません。他に上映している映画館は在りませんか?」
「全国でも未だに上映していたのは本館だけになります。」
「10年以上も上映されていたのにどうして今日で終わりなんですか!」
僕は思わず大声を上げた。
「止めて、セシルくん!この人達のせいじゃないんだから。」
僕もその事は十分に分かっていた。
だけど、この悔しさを何処にぶつけたら良いのか分からなかった。
「今日はもう帰りましょう。」
映画館を出た後、僕と陽菜さんは一言も話す事無く、そのまま別れた。
そして次の日。
朝ちゃんと家を出た筈の陽菜さんが、一限目を過ぎてもまだ登校していない事を知らされた・・・
この映画の設定は僕のこれまでの人生と同じだったから。
そして、映画の中には突如として、二人を飲みこんだ穴の事や僕の世界へと繋がる何かがあると思わずには居られなかった。
「陽菜さん。もしかしたら、あの映画に二人を助けるヒントが隠されているかもしれません。」
「どう言う事なの?」
「説明しますね。僕は先程のストリートミュージシャンの方が歌っていた歌詞の中にメッセージを見つけたんです。」
「メッセージ?」
「ええ。find the gate。入り口を見つけろ・・・
そして、その歌が使われるかもしれなかった映画の主人公の設定が僕のこれまでの人生そのものだったんです。」
"ANOTHER WORLD STORIES"ロングラン上映中!
「まさか・・・そんな事って・・・」
「理由は分かりませんが、何者かの意図によってこの世界と僕の居た世界を結び付けるヒントが散りばめられていたんだと思います。」
「そんな事が出来るのって、それこそ神様とか神秘的な存在じゃない?」
「そうかもしれません。でも今はそれが誰の仕業かと言う事は一旦置いておきましょう。
最優先すべきは、愛ちゃんと一さんを救う事ですから。」
「そうね。そうと分かれば早速、映画館へ急ぎましょう!」
きっと映画の中で二人を助けるヒントが見つかる。
僕と陽菜さんに、一筋の小さな希望の光が見えた。
目の前の信号が赤から青に変わると、急いで僕達は映画館の中へと飛び込んだ。
「すみません。ANOTHER WORLD STORIESは次は何時から上映されますか?」
僕は息を切らしながらチケット売り場の女性に訊いた。
女性は何をそんなに急いでいるのか訝し気な表情で僕を見た。
「申し訳御座いません。そちらの映画の上映は先程終了致しました。」
「そうですか・・・」
少し待てば、あの映画を観れると思って疑わなかった僕は、少し気落ちしてしまった。
「では、また明日出直します。」
帰ろうとした僕にチケット売り場の女性が気まずそうな様子で言った。
「あの・・・大変申し上げにくいのですが・・・
こちらの映画の上映は本日が最終日となっております。
先程終了した回が10年以上続いた最後の上映で、明日からは別の映画が公開されます。」
「どうしてこのタイミングで・・・
どこでも構いません。他に上映している映画館は在りませんか?」
「全国でも未だに上映していたのは本館だけになります。」
「10年以上も上映されていたのにどうして今日で終わりなんですか!」
僕は思わず大声を上げた。
「止めて、セシルくん!この人達のせいじゃないんだから。」
僕もその事は十分に分かっていた。
だけど、この悔しさを何処にぶつけたら良いのか分からなかった。
「今日はもう帰りましょう。」
映画館を出た後、僕と陽菜さんは一言も話す事無く、そのまま別れた。
そして次の日。
朝ちゃんと家を出た筈の陽菜さんが、一限目を過ぎてもまだ登校していない事を知らされた・・・
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