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11 牛たちとの会話~話のわかる奴~
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畜産農家の主人の元で「たのもー!」した。
肉が食べたいから牛を下さい。
「お嬢さんをお嫁に下さい」
いや、そうじゃない。
牛の気持ちが分かる。そのスキルを活かすことにする。
「夏いっぱいここで働かせてもらえませんか?」
農家の主人はビックリ仰天した。なんせ自領の頭の跡継ぎ息子、しかも次期辺境伯が働かせてくださいとやってきたのだから。
【フェロモン Lv2】はここでも立派に役目を果たした。
この長男、まだ十歳だよな……なんて礼儀正しいんだ……それになんかいい匂いがする……農家の主人は奥さんも子供もいるごくごく普通の男だったけどそう思った。
たくさんの髪の毛が切実に欲しいお年頃。
こうしてアーサーは畜産農家で夏の終わりまで働くことになった。
【動物スキル?】があるので動物に快適な環境を提案出来ると思います。とアピールすることも忘れなかった。
牛はわりと繊細な生き物だ。
商人さんたちは蹄鉄師のところに行った。商談もあるしまとめて馬たちの蹄鉄を付け替えるから、今日一日ここに泊まるんだって。一度にたくさんの人間たちが来たせいか、牛たちが"あれ誰? 僕たちドナドナされちゃうの?"そう言ってる気がしたので、大丈夫だよと言っておいた。
チーズやバターなどの乳製品、食肉を取引しに来てるとは言わない。言わないほうがいいこともあるからだ。
そもそもアーサーも肉が食べたくてここにやって来ている。それを言うのは野暮というものである。
牛はわりと好奇心旺盛な生き物だ。
知ってた? この子たちがダッシュすると僕と同じくらい速いんだ。
話のわかる奴だと理解されたらしく、アーサーの周りに牛たちが集まってくる。
わあ!『話のわかる奴』ってカッコいい!
牛たちとアーサーが考える『話のわかる奴』のニュアンスは決定的に違っていたが、誰が指摘するわけでもないのでアーサーが肩を落とすことは無かった。
牛たちはアーサーに自分たちの食事の貧しさを訴えた。
どんな草が美味しいのか尋ねてみると、"乾草ばっかじゃ飽きるモ~"そう言ってる気がした。
ここに弟のレイファがいたら「イネ科の乾草ばかりじゃ飽きると思う。しかも栄養価が低いだろうから。マメ科はいわばおかずだから食生活が豊かになる」と言っていたはずだ。
ならば、持ってきたクローバーを根付かせよう。
農家の主人には動物たちへさらに充実した食生活を推奨するために、「乾燥サイレージを作るためにサイロを建築するのはどうですか?」と勧めつつ三又鍬を貸してもらう。
まずは邪魔な硬い土や石を取り除いていく作業だ。
地味だけれどやらないと始まらない。
アーサーが開始すると、手の空いた畜産農家の従業員や家主一家が馬を連れ、牛たちも手伝ってくれて、数日で大雑把にだけれど終わらせることが出来た。
嬉しいなー嬉しいなー。アーサー小躍りする。雄鶏の攻撃体勢によく似ている気がするのは言っちゃいけない。
肉が食べたいから牛を下さい。
「お嬢さんをお嫁に下さい」
いや、そうじゃない。
牛の気持ちが分かる。そのスキルを活かすことにする。
「夏いっぱいここで働かせてもらえませんか?」
農家の主人はビックリ仰天した。なんせ自領の頭の跡継ぎ息子、しかも次期辺境伯が働かせてくださいとやってきたのだから。
【フェロモン Lv2】はここでも立派に役目を果たした。
この長男、まだ十歳だよな……なんて礼儀正しいんだ……それになんかいい匂いがする……農家の主人は奥さんも子供もいるごくごく普通の男だったけどそう思った。
たくさんの髪の毛が切実に欲しいお年頃。
こうしてアーサーは畜産農家で夏の終わりまで働くことになった。
【動物スキル?】があるので動物に快適な環境を提案出来ると思います。とアピールすることも忘れなかった。
牛はわりと繊細な生き物だ。
商人さんたちは蹄鉄師のところに行った。商談もあるしまとめて馬たちの蹄鉄を付け替えるから、今日一日ここに泊まるんだって。一度にたくさんの人間たちが来たせいか、牛たちが"あれ誰? 僕たちドナドナされちゃうの?"そう言ってる気がしたので、大丈夫だよと言っておいた。
チーズやバターなどの乳製品、食肉を取引しに来てるとは言わない。言わないほうがいいこともあるからだ。
そもそもアーサーも肉が食べたくてここにやって来ている。それを言うのは野暮というものである。
牛はわりと好奇心旺盛な生き物だ。
知ってた? この子たちがダッシュすると僕と同じくらい速いんだ。
話のわかる奴だと理解されたらしく、アーサーの周りに牛たちが集まってくる。
わあ!『話のわかる奴』ってカッコいい!
牛たちとアーサーが考える『話のわかる奴』のニュアンスは決定的に違っていたが、誰が指摘するわけでもないのでアーサーが肩を落とすことは無かった。
牛たちはアーサーに自分たちの食事の貧しさを訴えた。
どんな草が美味しいのか尋ねてみると、"乾草ばっかじゃ飽きるモ~"そう言ってる気がした。
ここに弟のレイファがいたら「イネ科の乾草ばかりじゃ飽きると思う。しかも栄養価が低いだろうから。マメ科はいわばおかずだから食生活が豊かになる」と言っていたはずだ。
ならば、持ってきたクローバーを根付かせよう。
農家の主人には動物たちへさらに充実した食生活を推奨するために、「乾燥サイレージを作るためにサイロを建築するのはどうですか?」と勧めつつ三又鍬を貸してもらう。
まずは邪魔な硬い土や石を取り除いていく作業だ。
地味だけれどやらないと始まらない。
アーサーが開始すると、手の空いた畜産農家の従業員や家主一家が馬を連れ、牛たちも手伝ってくれて、数日で大雑把にだけれど終わらせることが出来た。
嬉しいなー嬉しいなー。アーサー小躍りする。雄鶏の攻撃体勢によく似ている気がするのは言っちゃいけない。
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