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服の匂い
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私は俊二にもたれかかり、服の匂いを嗅いでいた。服の匂いを嗅いでいると、心が安らぐ。
物心ついた頃から服の匂いを嗅ぐのが好きだった。繊維の匂いというか、とにかく服の匂いがたまらなく好きなのだ。
好きな人が着ている服となれば、なおさら嗅ぎたくなる。服の匂いならずっと嗅いでいられる。この世のどんな匂いよりも良い香りなのだ。
私にとって基本的に良い香りとされている匂いは吐き気を催すものでしかない。服の匂いしか受け付けないと言っても過言ではない。
俊二の服の匂いを嗅ぎながら、夕飯を食べた。服の匂いだけでご飯は軽く二杯は食える。最高のおかずと言ってもいいかもしれない。ご飯と服の匂いさえあれば十分だ。
「俊二の服の匂いは最高だよ」
私は俊二に語りかける。返事はなかった。それも当然だろう。すでに死んでいるのだから。
俊二も最初の頃は服の匂いを嗅がせてくれたけど、いつしか私をうっとうしがるようになった。私は仕方なく俊二を殺した。服の匂いを嗅ぐためにはそうするしかなかった。
後片付けを終えた後、俊二の服を脱がし、布団に寝かせた。
「おやすみなさい、俊二」
私は俊二にキスをした。それから俊二の服に包まり、布団に入る。
俊二の服の匂いを嗅ぎながら、目を閉じた。
――今夜もよく眠れそうだ。
物心ついた頃から服の匂いを嗅ぐのが好きだった。繊維の匂いというか、とにかく服の匂いがたまらなく好きなのだ。
好きな人が着ている服となれば、なおさら嗅ぎたくなる。服の匂いならずっと嗅いでいられる。この世のどんな匂いよりも良い香りなのだ。
私にとって基本的に良い香りとされている匂いは吐き気を催すものでしかない。服の匂いしか受け付けないと言っても過言ではない。
俊二の服の匂いを嗅ぎながら、夕飯を食べた。服の匂いだけでご飯は軽く二杯は食える。最高のおかずと言ってもいいかもしれない。ご飯と服の匂いさえあれば十分だ。
「俊二の服の匂いは最高だよ」
私は俊二に語りかける。返事はなかった。それも当然だろう。すでに死んでいるのだから。
俊二も最初の頃は服の匂いを嗅がせてくれたけど、いつしか私をうっとうしがるようになった。私は仕方なく俊二を殺した。服の匂いを嗅ぐためにはそうするしかなかった。
後片付けを終えた後、俊二の服を脱がし、布団に寝かせた。
「おやすみなさい、俊二」
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――今夜もよく眠れそうだ。
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