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彼は悪魔
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茉莉は海樹の頭を壺で殴った。海樹は床に倒れ込み、頭から大量の血液が溢れ出た。
茉莉は壺を無造作に放り投げると、包丁を手に持ち、自分のお腹を引き裂いた。引き裂かれたお腹から赤ん坊が顔を出した。赤ん坊はお腹から這い出ると海樹に近づいた。腕からは血が流れていた。
海樹は物言わぬ躯となり果てている。赤ん坊は海樹の頭を掴むと、口を大きく開けた。音を立てながら、海樹の全身を貪り尽くしていく。すると赤ん坊の体が徐々に変化し、やがて海樹の姿になった。
海樹は悪魔だった。それを知った茉莉は海樹を殺害した。身籠った赤ん坊も抹殺するべく、自分のお腹を引き裂いたが、茉莉は悪魔をなめていた。赤ん坊といえども悪魔の子。包丁が突き刺さる直前、腕を犠牲にし、受け止めたのだ。
赤ん坊は海樹の器だった。何度死んでも、赤ん坊が躯を貪り尽くせば、海樹は復活する。
海樹は茉莉の遺体を見下ろすと、静かに微笑んだ。
茉莉は壺を無造作に放り投げると、包丁を手に持ち、自分のお腹を引き裂いた。引き裂かれたお腹から赤ん坊が顔を出した。赤ん坊はお腹から這い出ると海樹に近づいた。腕からは血が流れていた。
海樹は物言わぬ躯となり果てている。赤ん坊は海樹の頭を掴むと、口を大きく開けた。音を立てながら、海樹の全身を貪り尽くしていく。すると赤ん坊の体が徐々に変化し、やがて海樹の姿になった。
海樹は悪魔だった。それを知った茉莉は海樹を殺害した。身籠った赤ん坊も抹殺するべく、自分のお腹を引き裂いたが、茉莉は悪魔をなめていた。赤ん坊といえども悪魔の子。包丁が突き刺さる直前、腕を犠牲にし、受け止めたのだ。
赤ん坊は海樹の器だった。何度死んでも、赤ん坊が躯を貪り尽くせば、海樹は復活する。
海樹は茉莉の遺体を見下ろすと、静かに微笑んだ。
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