黒き死神が笑う日

神通百力

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○○メーカー工場

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 私はベルトコンベアの側に立ち、製品に欠陥がないかをチェックしていた。目の前のベルトコンベアからは数百人の老若男女が一定のリズムで流れている。ここは様々なメーカーを制作する工場だ。
 私の担当はトラブルメーカーだった。その他にムードメーカーや馴染みのないメーカーなどもこの工場で作られている。例えば場をシーンとさせるサイレントメーカーや仕事を完璧にこなすパーフェクトメーカー、女子から嫌われる女子たるバッドガールメーカーなどだ。企業や学校などからの依頼で様々なメーカーを制作し、送り届けるのが私たちの仕事だった。
 欠陥の有無をチェックしていると、頬に傷がついた製品を見つけた。速やかに製品をベルトコンベアから退けると、側に置いている廃棄箱に放り込んだ。少しでも傷がついていたら、売り物にならないのだ。
 傷がついた製品を見つけては次々と廃棄箱に放り込んでいく。そうして数時間が経過し、休憩時間になった。
 私は一息つきながら、ベルトコンベアの上の製品を見つめた。一見人間に見えるが、精密なアンドロイドだ。一般市民は知らない事実だが、アンドロイドは人間社会に紛れ込んでいる。アンドロイドはわりと身近な存在なのだ。

 ――そう、あなたたちの近くにいるトラブルメーカーやムードメーカーも……ね。 
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