CROWBAR〜あだ名死神の主人公が本当に死神になったとしたら?〜

さしみ

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人は見た目で判断してはいけません

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教室に帰ってくると、大人しく席につくグレンがいた。そこにセレスの姿はなく、他の人もこの状況を察したのか、もう教室にはいなくなっていた。
神一郎は思った。教室に入りたくない…。
いやなんか、グレンさんの顔めっちゃ怖いんだけど。まぁ、俺が勝手に出てったのは悪いけど、勝手に目の前で喧嘩する方も悪いよね。だから、悪いのは二人なんだよ、うんうん。
その場で頷いていると、グレンが人の気配を察知したのか、こちらに気づいた。野生の勘というものだろうか。神一郎の額に汗がつたう。グレンは席を立ち上がり、神一郎の方へ歩いてくる。
「あ、勝手に出てったことはあやまるよ…だ、だから怒らないで、、、」
「おい」
「はい…」
一気に血の気が引いた。
「お前、、、おもしろいな、見直したぜ」
「へ?」
グレンは腹を抱えて笑いだした。
「学級委員に喧嘩売るやつ、俺くらいかと思ってたが、お前も仲間だったとは…」
「え、俺が、セレスさんに喧嘩を売った?」
「そう」
思わず、眼鏡のブリッチを押し上げる。
「俺はセレスさんに、喧嘩を売ったつもりはないんだが…」
「は?売ってただろ、ちゃんと合図も送ってた」
「合図?」
「決闘の申込みしただろ?」
「してないけど…?」
「え?」
「ん…?」
いや、怖いんだけど!?合図ってなに!?あれかな、よくある手袋投げたら決闘の申込みてきな?けど、手袋してるわけないし、なんで?
「お前知らないで、そんなことしたのかよ、逆におもろいわ、、、サイコー」
再びグレンは体を震わせて笑っている。
いや、ここに来たのも最近なんで、常識とか知らないの当然というか、教えてくれない水無月も悪いと思う。
「で、決闘をなしにするにはどうすればいいの?」
グレンは質問を無視し、笑い続けている。
「おい、笑いすぎ、、」
「すまんすまん、おもしろすぎて、、、で、なんだっけ?」
「だ・か・ら!決闘を無効にするにはどうすればいいのって話!」
「え、決闘はやめられないぜ。かといって、決闘を無視すると、そいつは根性なしってみなされて、一生奴隷みたいな扱いになるんだ」
「なに、そのバイオレンス制度!?俺はただ、ひっそりとこの4日間を過ごして、家に帰ろうと思ってたのに」
「4日間…?」
あ、心の声が口に出てしまった。
神一郎は急いで口を塞ぐ。しかし、もう口から出たことに取り消しは効かない。グレンが、怪訝な顔を浮かべる。
どうしよう、誰にも言わないって水無月と約束したのに、、、。けど、今この状況を逃れる最善策は思いつかない。グレンはいい人そうだし、話しても大丈夫かな。水無月、ジルさん、決闘について教えてくれない君たちが悪いってことで、教えていいですか?いいですよね?うん、いいことにする!
「話せば長くなるんだけど、、」
神一郎はこの世界に来た経緯や、思いの丈を話した。特に勝手に連れてきたことを強調して。
「なんか、色々大変だな。その陰気臭せー顔からは、そんな大変な事情なんて持ってないと思ってたわ」
「おい、顔は関係ないでしょ、なんだよ陰気臭いって!人を見た目で判断しない!」
怒られて嬉しいのか、グレンはフフッと笑う。
失礼極まりないないなコイツ。確かに眼鏡だけどさ、陰気臭いはよくないよ。俺の心は鋼で出来てるわけじゃないんだぞ。
神一郎は、無意識に眼鏡のブリッチをあげる。
「ちょっと、そろそろ怒るよ、笑うのやめてよ」
「だって、こんな面白いやつにあったことねーんだもん。知らないで決闘申し込むとか、ありえねーから」
「もー、それはもういいって!!俺帰るから。帰って戦う手段考えてくるから」
神一郎は自分の鞄を手に取り、一目散に教室を出る。
「お、おい待てって、、、」
グレンの声など神一郎には聞こえない。だって、神一郎は今。この上なくトイレに行きたくなったのだから。
…。さっき、しておけばよかった、、。
色々な後悔を胸、、いやお腹に抱えて神一郎は走っていった。
  
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