最強騎士は料理が作りたい

菁 犬兎

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第一章

ティファは着替えたい

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「お前流石に最強騎士なだけあって度胸あるなぁ」

先程からムキムキマッチョのこの男性ギャドさんは私を連れて行きながら大爆笑しています。
そんなに面白かったですか?
私はそうでもないですが?

「ええ?でも、そこは重要ですよ?だってお金がないと生活出来ませんから」

ああ。私が向こうで一生懸命貯めてたお金・・・きっと国に回収されてしまうんでしょうね。ガックリ。

「そんなもん、国が面倒見てくれるのに必要ないだろ?」

「え?そうなんですか?でも、私捕虜ですよ?いいんですか?」

それはとても有り難いですね!生活費がタダなら生きていくのに困る事はありませんからね!ん?どうしました?何故今、顔を逸らされたのでしょう?もしや私、臭います?

「あの~着替えたいんですが何処かに着替えられる場所ありませんかね?」

実は私、戦さ場から連行されて来たので、酷い姿です。
しかも髪もボサボサ顔も汚れてて体も汗まみれ。正直しんどいです。

「ああ。ここを出る前に体を洗って着替えて貰う。俺は外で見張ってるけど、変な気は起こすなよ?」

「はぁ。それは有り難いですね」

よくわかりませんがお風呂に入れそうです。ラッキー!!

それで、ですね?ここのお風呂凄いんです!足を伸ばして入れるんですよ?さいっっこう!!人生初の体験です!

「ふぁー!幸せぇ~最高ですぅ」

あれ?私敵国に捕まったんですよね?何故に幸せ感じちゃってるんでしょう?おかしいな?まぁいいか?

久しぶりのお風呂でサッパリしましたぁ。
お!着替えまで用意してあります。どれどれ?

「ーーーーーー!!!」

何ですと!これは、もしや、スカート?スカートなのですか?私、人生でスカートを履いたのは指で数えるほどしかありません!!本当に小さい頃だけですよ?ちゃんと背が高い私に合わせて長めの物をチョイスしてくれてます。

グッジョブ!!

「お待たせしました」

「本当に待ったぞ。まったく・・・・・・・」

「いやぁ、お風呂に浸かったのなんて久々で。ついつい長く浸かってしまいました。すみません」

「・・・・・・・いや。別に」

あら?もしかして、待ちくたびれて怒っちゃいました?
女性は支度に時間がかかるんですよ?これぐらい待てないようじゃ女性に呆れられてしまいますよ?

それにしても、ここの侍女さんのセンス良いですね!
シンプルな中にも可愛らしさがあるこのデザイン。
しかも動きやすい!これ、重要ですよ!

「あんた、本当に女だったんだな」

「あれ?もしかして男性に見えました?」

「いや、女だって事は知ってたけどさ?あんなカッコだったし、もっとボーイッシュな感じかと」

いや、どちらかといえばボーイッシュですよ?
背も高くて目も切れ長でパッチリしていません。
髪もブラウンでありきたりな色なんですよね。
う。地味に落ち込みます。母よ美少女とは言わないけれどせめて可愛い系に産んで欲しかった。

「所で、今から行く場所はここから遠いのですか?」

「そんなには遠くない。馬車で数時間程で着く。馬ならもっと早いんだが・・・」

「え?馬でもいいですよ?荷物でも運ぶんですか?」

「ああ。お前というお荷物をな」

ああ!私捕虜でしたね?忘れてました!ナーイスツッコミ!

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