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第一章
盗人は金品を強奪したい
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本当にどいつもこいつもチョロい奴ばかりだぜ!
って言うかどんだけ危機感ないのかね?
揃いもそろって鍵もまともにかけず出かける間抜けばかり。お陰で俺の懐はホカホカだ!
「お?あれは・・・・」
そろそろこの街での仕事も切り上げようと思ってたんだが、丁度いい。
あそこは確か騎士の宿舎だったはずだ。
あんだけ派手にここら中の家を漁ったのに、俺を捕まえる事すら出来ない間抜けども。そいつらの住む場所に盗人が入ったと分かったらアイツらの信用も地に堕ちるな。
面白い。
決めたわ。あそこに押し入ろう。
確か昼過ぎれば、あの宿舎にいるのは女一人。
コッソリ侵入すればバレないだろう。
俺はこう見えて気配を消すのが得意なんだ。
それに、女一人に見つかった所でか弱い女に何も出来はしないさ。
お?やっぱり鍵開きっぱなしじゃねぇか!チョロいねぇ?
確か金を管理する倉庫は地下に・・・・・・。
「あのぉ?どちら様でしょう?」
「い!?」
え?いつの間に?お前今気配しなかったよな?
「あの?玄関はあちらなんですが・・・?間違えちゃいましたか?」
「え、ええ?そうなんですか?あれ?すみませぇん。鍵が開いていたのでつい?」
ヤバイな。入った瞬間見つかるとは思いもしなかった。
「あの、騎士の方は誰かいらっしゃいますでしょうか?」
「今は皆仕事でこちらには誰もいませんよ?言伝でしたらお伺い出来ますが?」
お?もしかしてバレなかったか?
この街の人間皆ボケーっとしてるからなぁ?助かったぜ!
「それが、直接騎士の方にお渡ししないといけない物があるので、待たせて頂いても良いですか?どこか隅でいいので・・・」
「そうですか?じゃあ食堂で良ければそちらで」
よっしゃ!待っているフリをしてこの女が席を外した隙に金品を強奪しよう!うん!
「では、お好きな場所におかけ下さい」
「有難う御座います」
ガタガタ。よし!じゃあお前はもうどっか行け。使用人なんだろ?色々やる事があるよな?
「「・・・・・・・・・・・・」」
・・・・・・行かないんかーい!!
ってか何か作業始めやがったよあの女!え?まさかここの料理人なの?そうなの?
「あ、あの。貴方はここの料理人なのですか?」
「え?いいえ?料理人ではないですね?でもご飯は作ります。共同の厨房ですので」
え?そうなの?でもあんたが今その手に持ってるその肉。どう考えても一人で食べられる量じゃないよね?
「最初は二人分だけ作っていたんですが。何故か日に日に人が増えていきまして。最近では六人分のご飯を作るようになりました。だから一人では食べないですよ?」
あ。察してくれたのかな?説明アリガトネ?じゃねぇよ!!じゃあやっぱりここから離れないんじゃねぇかお前!!あーーーまどろっこしい!面倒だから縛って転がしとくか?
「ん?どうしました?」
「え?いや、何でも」
ちょっと待て。俺いまピクリとしか動いてねぇよな?何で俺が立ち上がろうとした事気づいた?あの女。まさかアイツも騎士とか・・・・。
「はりゃ?いけませんねぇ切り方間違えてしまいましたぁ」
・・・・ねぇな。
あんなボケボケした女が騎士な訳ねぇ。
きっとただ気になって声かけてみただけだな。
「あの?何作ってるんですか?」
「これですか?ボルシチです。煮込み料理ですね」
この辺りでは作られない料理だな?
お?じゃあ・・・。
「へぇ?俺の知らない料理です。少し近くで見てて良いですか?」
「中に入らなければいいですよ?刃物持ってますので。危ないですから」
俺も実は持ってます!なーんてね?流石に言えないがな?
しかし、この女やけに手際がいいな?まるでプロの料理人みたいだ。
「もしかして。料理に携わる仕事でもされてましたか?」
「いいえ?でも料理は大好きです。私の実家は薬師だったんですけど育った村が狩人の村で、私は5歳から狩りを始めたんですが・・・」
おおお?5歳で狩り?早くね?
「族長にお墨付きを頂きまして、以来お肉を捌くのが私の役目になりました!」
な、成る程。道理で。華麗なる手捌きだ。
「一方で家ではありとあらゆる薬草やハーブを育てていましたので香草にも詳しくなり、より一層料理への関心が深まっていったのです!!両親はそんな私を理解出来なかったみたいですが」
・・・・だろうな!!
その環境で興味が湧くのが狩人でもなく薬師でもなく料理って・・・まぁ良いけど。
「あれ?でも貴方はここの宿舎の料理人ではないのですよね?ここは騎士寮の筈。では、どんな経緯でこちらに?」
「あーーーそれはですね?」
「ティファーー!!!いるぅ?」
ハッ!!しまった。無駄話をしているうちに誰か帰って来ちまった!!!
こうなったら!!
「ったくお前ら忘れるなって・・・え?」
「う、動くな!!動いたらこいつの喉掻っ切るぞ!」
くそっ!騎士が二人もいるじゃねぇーか!
これは諦めて裏口から逃げるしかねぇ!!この女を人質にしてあそこ迄・・・・。
「お、おい!お前やめろ!」
「ティファ!」
っつーかこいつ背が高ぇな!!微妙に押さえ難いんだよ!くそ!!
「話の続きなんですが」
「え?」
「ちょっと?ティファ?」
なんだこいつ。恐怖で頭おかしくなっちまったのか?
お前の話なんかどうでもいいんだよ!
「確かに料理人を目指してたんです。でも、お金が無くなってしまいまして。お金を稼ぐ為に兵士になったんです。私の国で手っ取り早くお金を稼ぐには国の兵士が一番割りがいいのですよ?」
へ、へぇ?そんなもんかね?
この国なら商人とか小売業が金払いいいんじゃね?じゃなくて!!だからお前の話は今はどうでも・・・・
「動物は皆、決まった箇所に弱点が何箇所もあるんです。私が何で女の身で即兵士に起用されたと思います?」
「おい!お前さっきから何の話を・・・」
あれ?おかしいな?俺今立ってたよね?なのになんで・・・・背後から腕を回してたはずの女を見上げてんだ?
「人間の弱点も全て分かるからです。力が無くても、そこを突けば一瞬で力が入らなくなるんですよ?では強盗さん?このまま腕を思いっきり捻り上げられるのと速攻で気絶するの・・・・どちらがいいですか?」
あ。選ばせてくれるんですか?お優しいんですね?有難う御座います。
「後者で、お願いします」
おーう。いい笑顔ダァあんた。
って言うかどんだけ危機感ないのかね?
揃いもそろって鍵もまともにかけず出かける間抜けばかり。お陰で俺の懐はホカホカだ!
「お?あれは・・・・」
そろそろこの街での仕事も切り上げようと思ってたんだが、丁度いい。
あそこは確か騎士の宿舎だったはずだ。
あんだけ派手にここら中の家を漁ったのに、俺を捕まえる事すら出来ない間抜けども。そいつらの住む場所に盗人が入ったと分かったらアイツらの信用も地に堕ちるな。
面白い。
決めたわ。あそこに押し入ろう。
確か昼過ぎれば、あの宿舎にいるのは女一人。
コッソリ侵入すればバレないだろう。
俺はこう見えて気配を消すのが得意なんだ。
それに、女一人に見つかった所でか弱い女に何も出来はしないさ。
お?やっぱり鍵開きっぱなしじゃねぇか!チョロいねぇ?
確か金を管理する倉庫は地下に・・・・・・。
「あのぉ?どちら様でしょう?」
「い!?」
え?いつの間に?お前今気配しなかったよな?
「あの?玄関はあちらなんですが・・・?間違えちゃいましたか?」
「え、ええ?そうなんですか?あれ?すみませぇん。鍵が開いていたのでつい?」
ヤバイな。入った瞬間見つかるとは思いもしなかった。
「あの、騎士の方は誰かいらっしゃいますでしょうか?」
「今は皆仕事でこちらには誰もいませんよ?言伝でしたらお伺い出来ますが?」
お?もしかしてバレなかったか?
この街の人間皆ボケーっとしてるからなぁ?助かったぜ!
「それが、直接騎士の方にお渡ししないといけない物があるので、待たせて頂いても良いですか?どこか隅でいいので・・・」
「そうですか?じゃあ食堂で良ければそちらで」
よっしゃ!待っているフリをしてこの女が席を外した隙に金品を強奪しよう!うん!
「では、お好きな場所におかけ下さい」
「有難う御座います」
ガタガタ。よし!じゃあお前はもうどっか行け。使用人なんだろ?色々やる事があるよな?
「「・・・・・・・・・・・・」」
・・・・・・行かないんかーい!!
ってか何か作業始めやがったよあの女!え?まさかここの料理人なの?そうなの?
「あ、あの。貴方はここの料理人なのですか?」
「え?いいえ?料理人ではないですね?でもご飯は作ります。共同の厨房ですので」
え?そうなの?でもあんたが今その手に持ってるその肉。どう考えても一人で食べられる量じゃないよね?
「最初は二人分だけ作っていたんですが。何故か日に日に人が増えていきまして。最近では六人分のご飯を作るようになりました。だから一人では食べないですよ?」
あ。察してくれたのかな?説明アリガトネ?じゃねぇよ!!じゃあやっぱりここから離れないんじゃねぇかお前!!あーーーまどろっこしい!面倒だから縛って転がしとくか?
「ん?どうしました?」
「え?いや、何でも」
ちょっと待て。俺いまピクリとしか動いてねぇよな?何で俺が立ち上がろうとした事気づいた?あの女。まさかアイツも騎士とか・・・・。
「はりゃ?いけませんねぇ切り方間違えてしまいましたぁ」
・・・・ねぇな。
あんなボケボケした女が騎士な訳ねぇ。
きっとただ気になって声かけてみただけだな。
「あの?何作ってるんですか?」
「これですか?ボルシチです。煮込み料理ですね」
この辺りでは作られない料理だな?
お?じゃあ・・・。
「へぇ?俺の知らない料理です。少し近くで見てて良いですか?」
「中に入らなければいいですよ?刃物持ってますので。危ないですから」
俺も実は持ってます!なーんてね?流石に言えないがな?
しかし、この女やけに手際がいいな?まるでプロの料理人みたいだ。
「もしかして。料理に携わる仕事でもされてましたか?」
「いいえ?でも料理は大好きです。私の実家は薬師だったんですけど育った村が狩人の村で、私は5歳から狩りを始めたんですが・・・」
おおお?5歳で狩り?早くね?
「族長にお墨付きを頂きまして、以来お肉を捌くのが私の役目になりました!」
な、成る程。道理で。華麗なる手捌きだ。
「一方で家ではありとあらゆる薬草やハーブを育てていましたので香草にも詳しくなり、より一層料理への関心が深まっていったのです!!両親はそんな私を理解出来なかったみたいですが」
・・・・だろうな!!
その環境で興味が湧くのが狩人でもなく薬師でもなく料理って・・・まぁ良いけど。
「あれ?でも貴方はここの宿舎の料理人ではないのですよね?ここは騎士寮の筈。では、どんな経緯でこちらに?」
「あーーーそれはですね?」
「ティファーー!!!いるぅ?」
ハッ!!しまった。無駄話をしているうちに誰か帰って来ちまった!!!
こうなったら!!
「ったくお前ら忘れるなって・・・え?」
「う、動くな!!動いたらこいつの喉掻っ切るぞ!」
くそっ!騎士が二人もいるじゃねぇーか!
これは諦めて裏口から逃げるしかねぇ!!この女を人質にしてあそこ迄・・・・。
「お、おい!お前やめろ!」
「ティファ!」
っつーかこいつ背が高ぇな!!微妙に押さえ難いんだよ!くそ!!
「話の続きなんですが」
「え?」
「ちょっと?ティファ?」
なんだこいつ。恐怖で頭おかしくなっちまったのか?
お前の話なんかどうでもいいんだよ!
「確かに料理人を目指してたんです。でも、お金が無くなってしまいまして。お金を稼ぐ為に兵士になったんです。私の国で手っ取り早くお金を稼ぐには国の兵士が一番割りがいいのですよ?」
へ、へぇ?そんなもんかね?
この国なら商人とか小売業が金払いいいんじゃね?じゃなくて!!だからお前の話は今はどうでも・・・・
「動物は皆、決まった箇所に弱点が何箇所もあるんです。私が何で女の身で即兵士に起用されたと思います?」
「おい!お前さっきから何の話を・・・」
あれ?おかしいな?俺今立ってたよね?なのになんで・・・・背後から腕を回してたはずの女を見上げてんだ?
「人間の弱点も全て分かるからです。力が無くても、そこを突けば一瞬で力が入らなくなるんですよ?では強盗さん?このまま腕を思いっきり捻り上げられるのと速攻で気絶するの・・・・どちらがいいですか?」
あ。選ばせてくれるんですか?お優しいんですね?有難う御座います。
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※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
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